アメリカン ソング ブック 〜アメリカの哀愁〜

10月3日の夜、東京室内歌劇場のコンサート「アメリカン・ソング・ブック」を聴きに、渋谷の伝承ホールに行ってきました。ウチの女房が企画、構成、演出を務めた演奏会。ピアニストも歌い手さん達も、アメリカ歌曲という豊穣な歌世界を旅しながら、パフォ…

「DEAD OR ZOMBIE」〜僕らの隣にいるゾンビ〜

ジョージ・A・ロメロ、という名前は僕ら世代の映画ファンにとってカリスマの一つだったと思います。ジョージ・ルーカスやスピルバーグと並べても遜色ない、と言い切る人だっているかもしれない。なにせ「ゾンビ」というフィクションを僕らの日常の中に当たり…

何かと何かが出会う所に新しい何かが生まれるんだよなぁ。

久しぶりの投稿、昨日開催した自分の制作ユニット、Galleria Actors Guild(GAG)の公演を終えての感想。今回の公演では、テーマにした「Long Absence」(長い不在)という言葉が、色んな出会いから生まれて、そしてまた、色んな出会いを生み出してくれた気…

考察ごっこ2題~フェイドアウトとお散歩ペットボトル~

今日は本当にどうでもよいお話を2題。 日常生活の色んなことがふと「引っかかる」ことがあって、これってなんでそうなってるのかな、なんて考えて、ちょっとそれっぽい考察が浮かぶと嬉しくなってしまったりします。その考察が的を射ているかどうかは別とし…

人柄がよくてパフォーマンスがいいってのは無敵だよねぇ。

6月8日は我々夫婦の結婚記念日なんですが、なんと今年は25年目。いわゆる銀婚式でございました。結婚記念日の前後の週末には、結婚式を挙げた都ホテルに泊まる、というのが我が家の年中行事だったんですが、2020年以降はコロナのせいで宿泊はできず…

推しが世間に見つかるのって心配なもんだねぇ。

最近余裕がなくってこのブログも放置状態だったんですが、たまには更新しないと忘れられてしまうかしら、ということもあり、ちょっと最近思ってることを。とはいえ、かなりヲタ系に近い投稿なので、お前の推しの話はいいよ、と言われそうな気も。まぁ推しを…

「その着せ替え人形は恋をする」~エロスの復権と理想の男性像、そして支える本気の技術~

ジジイがなにエロアニメの感想真面目に書いてんだよ、と言う人は絶対いるだろうな、と思いながら、でも面白かったものは仕方ない、ということで、久しぶりにアニメの感想です。先日最終回を迎えた、「その着せ替え人形(ピスクドール)は恋をする」。本当に…

「うりこひめの夜」~襲うものと襲われるものの依存関係~

3月8日、青島広志先生の主催するブルーアイランド版オペラで、林光の「あまんじゃくとうりこひめ」、青島広志先生の新作オペラ「うりこひめの夜」のカップリングステージを見に行ってきました。今日はその感想を。 公演ちらし。 会場のあうるすぽっとには…

遠坂めぐさんのライブ〜ホントに贅沢な時間でしたよ〜

3月12日に学芸大学のAPIA40で開催された遠坂めぐさんのライブに参戦してきました。今日はその感想を。簡単に言っちゃえば、こんなお値段のチケットでこんな贅沢な時間過ごしちゃっていいのか、と思ってしまって、自分が少し関わっているクラシック音楽の…

onefiveの声のこと

3月6日、onefiveの渋谷クラブクワトロのライブに参戦してきました。2019年10月19日にこのグループが初めて神奈川芸術劇場に舞い降りた瞬間を見届けて以来、ほぼ3年半の時間を経て、やっと目の前に再び現れた4人は、すっかり一流のパフォーマーに成長して…

北京五輪の開会式を見てちゃんと反省しませんか

先日終わった北京冬季五輪ですけど、あの開会式を、習近平帝国のプロパガンダ大会として非難する声や、少数民族を弾圧しながら諸国民の調和を歌う偽善を指弾する声とかはかなり厳しいものがあって、「中国開催もロシア参加も間違いだった」なんて言いきって…

「麻希のいる世界」~少女たちは何のために、どうやって戦うのか~

「麻希のいる世界」について、11月に東京フィルメックスでプレミア上映されたのを見て、「世界を見る視線を変えてしまうことができる映画」っていう感想をこの日誌に書いてます。あれから2か月半たって、昨日、公開日初日に2回目の鑑賞。自分がもし10…

色んな道を見せてあげるのが年寄りの仕事、道を決めるのは若い人の仕事

12月に入って、娘の所属しているクレド交響楽団の演奏会が18日にあり、そしてその翌週の25日には、女房が所属していた東京大学柏葉会合唱団の演奏会がありました。大学生なりの未完成の技術を、それぞれの個性で補って、音楽の高みにピュアに挑戦して…

12月は特別な月、そして次に踏み出す月

お久しぶりの投稿。今日は最近の我が家の日常も含めて、来年の色んな計画についてもちょっと書いてみようかな、と思います。なんといっても12月ですから。12月はどんなお家でも特別な月ですもんね。お正月になったって何が始まるわけでもない、なんて斜に構…

「Carry on」という楽曲のこと~「麻希のいる世界」を見た後で~

今日はさくら学院のことしか語りませんので興味のない方はここでご退場くださいね。先週末に東京フィルメックスでプレミア公開された、さくら学院の卒業生、新谷ゆづみさんと日髙麻鈴さんがW主演された映画「麻希のいる世界」。鑑賞後に心の中がざわついて仕…

シャンソン・フランセーズ11~「田中知子劇団」100回公演目指して欲しいなぁ~

三谷幸喜さんが主宰されている東京サンシャインボーイズの舞台では、西村雅彦さんや梶原善さんのような常連役者さんがいて、三谷脚本のテレビドラマなどでも、その個性を活かした役柄を与えられて活躍されてますよね。小劇場演劇の世界では、そういう作家と…

「チェネレントラ」~音楽が全部ぶっ飛ばしちゃうんだよなぁ~

外出に飢えていた女房が、久しぶりにオペラを見に行きたい!と叫びだして、夫婦して見に行くことにしました、新国立劇場の「チェネレントラ」。女房の師匠である高橋薫子先生も出演されるし、タイトルロールの脇園彩さんも評判がいいし、METでも楽しませてく…

最近のインプット振り返り~知ってる方が見える世界は面白いと思うんだよなぁ~

自分の舞台活動は停滞中ですが、色んな所で文化活動が再開している流れの中で、最近結構濃いインプットがあったので、メモしておきます。色んな意味で知識ってやっぱり人の視界を広げるなぁっていうのが共通の感想だったりします。 1. 9月19日 江東オペラ ガ…

自分が知らないことだらけだっていう謙虚さって全ての基礎じゃないかと

舞台パフォーマンスにしてもそうだし、仕事にしてもそうですけど、時々、オレは何でも知ってる、ここにいる誰よりもオレは全部が見えている、だからオレの言うことを聞け、みたいな上から目線でその場を仕切ろうとする人っていますよね。もちろんそれだけの…

さくら学院の閉校に寄せて~みんなが他の誰かの笑顔を祈っていた世界~

さくら学院が8月31日に閉校。29日に開催された中野サンプラザでのラストライブと、31日に開催されたそのライブビューイングに参戦。この奇跡のような学校が眠りにつく瞬間をしっかり見届けることができました。 このグループのことはこのブログに何度…

「夏のばけもの」~稽古場ってすごく楽しいんだよなぁ~

場所を選ばずお芝居をする、というコンセプトのプロジェクト、♭FLATTO。渋谷のバーで上演された第一回公演の「春はのけもの」で胸つかまれてしまって、このブログにもずいぶん暑苦しい感想文を書いたりしました。このプロジェクトが、今度は「赤坂のAIサービ…

ジジイ達は若い人の邪魔すんな

ちょっと品のないタイトル書いちゃいましたけど、先日話題になった、金メダルに噛みついたジジイとか、東京五輪の開会式閉会式のドタバタ劇見てて、やっぱり日本の高齢者達の大部分は社会の前線に立っちゃいかんのじゃないかなぁ、という思いを強くしました…

つないでいくためには続けていかないと

所属している合唱団麗鳴の活動は、7月に一度だけ会場練習が出来て以降、再びオンライン練習に戻さざるを得なくなってしまいました。自分は合唱団の「練習責任者」という立場なので、オンライン練習の内容を指揮者の先生と相談しながら作っていかないといけな…

さくら学院 Summer LIVE 2020~舞台芸術は絶対負けない~

今日は、昨日、KT Zepp Yokohamaで参戦した、「さくら学院SummerLive2020~放課後アンソロジー君と見た夏色桜花~」の感想書こうかな、と思ったんですけど、なんか胸つかまれて心も身体もテントウムシのジェットコースターに乗せられて超音速でぶんぶん振り…

青島広志コンサート&トーク「 恐ろしく怪美なアルトの饗宴」~アルトとお付き合いする人生ってのも~

7月14日(水)に、カワイ表参道のコンサートサロン パウゼで開催された、青島広志先生のコンサート&トーク、「恐ろしく怪美なアルトの饗宴」を鑑賞。今日はその感想を。 コンサートちらし。曲目見ただけでなんだかぞわぞわしますよねぇ。アルトあるいはメゾ…

山田武彦のパラダイス銀河を旅する~山田武彦と東京室内歌劇場Vol.6~

7/10、緊急事態宣言前夜の東京飯田橋のトッパンホールで開催された「山田武彦と東京室内歌劇場Vol.6」を鑑賞。夜の予定があったので、ラストの応援歌メドレーの前で途中退場してしまったのだけど、山田武彦先生の該博な音楽知識と、それによって新たな魅力を…

ガールズバンドを巡って、東西宗教観にまで話を広げてやるぜ

大体、私がこの日記で大層なタイトルをつける時には、色々と衒学的な考察とも思い込みともつかない浅薄な議論を並べた挙句に「やっぱりBABYMETAL最高」というヲタ話で終わる、というケースがほとんどのような気もしますが、今回もそうなるかもしれません。本…

最近見てる配信イロイロのこと

コロナの影響もあって、YouTubeの配信動画とか、配信ライブとかを見る機会がすごく増えたんですが、イベント的に配信されるステージライブの配信だけじゃなくて、なんとなく習慣のように見てしまう配信番組も結構増えてきました。そんな中で、最近、更新され…

最近のインプット羅列します

一ヶ月ほどこのブログの更新をサボっているんですが、色々とインプットはあって、ただそれを論じるとなると相当のエネルギーがいるし、ほかの人も寄ってたかって分析しまくっているコンテンツもあるので、とりあえず、前回の更新以降の大きなインプットをた…

「春はのけもの」~この現実と地続きの異世界旅行~

自分の学生時代ってのは小劇場演劇が無数にあって、自分も結構そういうお芝居を見に行きましたけど、プロセニアムによって区切られた物語世界を、少し離れた客席から眺めるものだった演劇を、客席も巻き込んだ異空間のエンターテイメントに変貌させた小劇場…