演奏会

シャンソン・フランセーズ13「祈り」~非日常じゃなくなってしまった戦争に向き合う武器として~

10月7/8日、千代田区立内幸町ホールで開催された、田中知子さんプロデュース「シャンソン・フランセーズ13『祈り』」に伺いました。女房が出演した10月7日の回。大衆歌だからこそ等身大の人間の姿を描き出す「シャンソン」が、「戦争」という巨大な暴力に向…

アメリカン・ソングブック2 Fancy Parade ~「アットホーム」って和製英語なんだけどね~

今日は昨日、11月22日に開催された、うちの女房プロデュースのコンサート「アメリカン・ソングブック2~Fancy Parade~」の感想を書きます。アメリカが音楽に求めていた温かさ、人との絆がそのまま会場を包み込んだような、本当に「アットホーム」な空…

「シャンソン・フランセーズ」と「柳の木」~時を語り、時を超える~

今日は、9月29日に、千代田区立内幸町ホールで開催された、ピアニスト田中知子さんプロデュースの「シャンソン・フランセーズ」を拝見して思ったことをつらつらと。演奏会の感想、というより、かなり寄り道の多い雑談になっちゃいそうですが、ご容赦くだ…

ブルーアイランド版『蝶々夫人 宇宙編』〜またまた知ったかぶりの解釈文を並べます〜

今日は、少し前、3月26日(日)に東池袋のあうるすぽっとで開催された、ブルーアイランド版「蝶々夫人 宇宙編」の感想を書きます。女房が出演したご縁で見に行ったのですけど、終演後にFACEBOOKに、例によって思いつきの適当な感想文をちょっと載せたら、出…

時代と音楽、時間と音楽(その1)~ユニコーン・シンフォニー・オーケストラ演奏会~

音楽っていうのは色んな意味で時間との関係の中で語られる芸術のような気がします。特にライブ演奏が表現のメインとなっている音楽ジャンルでは、そのライブ会場の空間を共有する時間の中に満たされている音楽が、時間の経過と共に高揚していく状況自体が、…

アメリカン ソング ブック 〜アメリカの哀愁〜

10月3日の夜、東京室内歌劇場のコンサート「アメリカン・ソング・ブック」を聴きに、渋谷の伝承ホールに行ってきました。ウチの女房が企画、構成、演出を務めた演奏会。ピアニストも歌い手さん達も、アメリカ歌曲という豊穣な歌世界を旅しながら、パフォ…

人柄がよくてパフォーマンスがいいってのは無敵だよねぇ。

6月8日は我々夫婦の結婚記念日なんですが、なんと今年は25年目。いわゆる銀婚式でございました。結婚記念日の前後の週末には、結婚式を挙げた都ホテルに泊まる、というのが我が家の年中行事だったんですが、2020年以降はコロナのせいで宿泊はできず…

遠坂めぐさんのライブ〜ホントに贅沢な時間でしたよ〜

3月12日に学芸大学のAPIA40で開催された遠坂めぐさんのライブに参戦してきました。今日はその感想を。簡単に言っちゃえば、こんなお値段のチケットでこんな贅沢な時間過ごしちゃっていいのか、と思ってしまって、自分が少し関わっているクラシック音楽の…

色んな道を見せてあげるのが年寄りの仕事、道を決めるのは若い人の仕事

12月に入って、娘の所属しているクレド交響楽団の演奏会が18日にあり、そしてその翌週の25日には、女房が所属していた東京大学柏葉会合唱団の演奏会がありました。大学生なりの未完成の技術を、それぞれの個性で補って、音楽の高みにピュアに挑戦して…

シャンソン・フランセーズ11~「田中知子劇団」100回公演目指して欲しいなぁ~

三谷幸喜さんが主宰されている東京サンシャインボーイズの舞台では、西村雅彦さんや梶原善さんのような常連役者さんがいて、三谷脚本のテレビドラマなどでも、その個性を活かした役柄を与えられて活躍されてますよね。小劇場演劇の世界では、そういう作家と…

青島広志コンサート&トーク「 恐ろしく怪美なアルトの饗宴」~アルトとお付き合いする人生ってのも~

7月14日(水)に、カワイ表参道のコンサートサロン パウゼで開催された、青島広志先生のコンサート&トーク、「恐ろしく怪美なアルトの饗宴」を鑑賞。今日はその感想を。 コンサートちらし。曲目見ただけでなんだかぞわぞわしますよねぇ。アルトあるいはメゾ…

山田武彦のパラダイス銀河を旅する~山田武彦と東京室内歌劇場Vol.6~

7/10、緊急事態宣言前夜の東京飯田橋のトッパンホールで開催された「山田武彦と東京室内歌劇場Vol.6」を鑑賞。夜の予定があったので、ラストの応援歌メドレーの前で途中退場してしまったのだけど、山田武彦先生の該博な音楽知識と、それによって新たな魅力を…

「シャンソン・フランセーズ10~ようこそ劇場へ」~歌い手の矜持、歌の回帰、物語の森~

昨日、渋谷区総合文化センター大和田の伝承ホールで開催された、「シャンソン・フランセーズ10~ようこそ劇場へ」に伺いました。今では本当に貴重になってしまった「劇場」=「ライブ」という場に戻ってきた作り手達が、この時間に込めた想いや矜持を、生…

山田武彦と東京室内歌劇場vol.5 ~生の音ってこんなに豊かだったのか~

この日記には、ドルヲタネタだけじゃなくて、女房や私の舞台活動についての感想や雑感なんかも載せているんですが、コロナのばかたれのおかげで、そのネタになる本番舞台が全くなくなってしまって数か月。東京室内歌劇場の中堅歌手として頑張っている女房は…

Wagner Society Orchestra福岡公演に遠征してきました

世の中がコロナ騒動でカオスと化す前に、娘が所属している慶應ワグネル・ソサイエティ・オーケストラの演奏旅行が開始するという。京都、福岡、とめぐって、演奏旅行の締めくくりが、2月29日のサントリーホールでの演奏になる、というのだけど、 「その日…

クレド交響楽団第3回演奏会~ベートーベンはアマチュアに限るって本当かも~

年末のライブ参戦(この単語を使うなと)感想の3つ目は、娘が参加しているクレド交響楽団の第3回演奏会。なんというか、とにかく、若いっていいよなぁ、とため息の出る演奏会でした。 このオーケストラの演奏会は、前回の演奏会の感想をこの日記に載せてい…

シャンソン・フランセーズ9「ジュテーム!」~変化するからレパートリーになるんだよね~

年末のこの一週間、3つのライブ現場(一つはライブビューイング)に参戦するという充実の一週間でございました。今日はその感想を一気に書こうと思います。しかし「参戦」という単語を使うあたりがドルオタっぽくて非常に嫌な感じですね。他にいい単語が浮…

クレド交響楽団 第2回演奏会~伝えるって本能なんだな~

はてなさんから、「ブログの更新が一か月滞ってますが、そろそろ更新しません?」なんて連絡が来ちゃいました。なにかしらインプットがあって、それに対して語りたくなった時に、このブログに文章書いているんですけど、ネタが溢れるほどあるオタク系のヨタ…

歌に対するコンセンサス

この三連休の間に伺った二つの演奏会の感想文を。歌に対するコンセンサス、というか、共通認識、のようなものが、演奏のクオリティや聴衆の反応を左右する、というのをちょっと感じた演奏会でした。まずは、7月13日にトッパン・ホールで開催された、「山…

パフォーマンスでコスパは大事っすよね

最近話題で、我が家でも申し込んでいた東京五輪のチケット、開会式などのプラチナチケットは当然のように全敗する中で、ご近所の味の素スタジアムで開催される「近代五種」なる競技が当選いたしました。当選するまでは全くどんな競技が知らなかったこの競技…

最近のインプット、残り2つ、と言いながら、また今日二つ増えちゃった

最近結構インプットが続いていて、全然この日記に感想を書くのが追い付いてませーん。でもなるべく、この日記には日々のインプットを書き綴っていきたいので、なんとか書きなぐりでも記録をつけていきたいと思います。先日の日記で書ききれなかったのが、 ・…

最近のインプット、四連発でいきますが、とりあえず二つ。

例によって更新が滞っておりまして、申し訳ございません。さぼっている間にそれなりにインプットはあったので、ここでまとめて。ということで、四連発です。 ・北とぴあ合唱フェスティバルで、清泉女学院のユニゾンに圧倒される ・映画「さよならくちびる」…

ジュゴンとツチノコ Vol.3 Made in Japan! ~日本歌曲の奥深さ~

25日(土)、女房が参加している音楽ユニット「ジュゴンとツチノコ」の三回目の演奏会、「Made In Japan!」を聞きに行ってきました。今回はその感想を。 会場になった赤坂のカーサ・クラシカ、私は初めて伺ったのですが、クラシック演奏家の間ではかなり名…

モニューシュコ「幽霊屋敷」~音楽って、力だよね~

24日(日)、女房が出演した、モニューシュコのポーランド歌劇「幽霊屋敷」を見てきました。理性を超えて、血に直接訴えてくる音楽の力に感激。 ミェチニク【ハンナとヤドヴィガの父親】:杉野正隆ハンナ【ミェチニクの娘】:津山恵ヤドヴィガ【ミェチニク…

東京室内歌劇場の歩み Part.6 ~いっぱい盗みたい!~

今日は昨日お邪魔した、渋谷伝承ホールで開催された「東京室内歌劇場の歩み Part.6」の感想文です。なんだか、いっぱいヒントをもらえた素敵な演奏会でした。 プログラム。青島先生直筆の作曲家のイラストとそのコメントがなんとも青島先生らしくて笑 最近、…

シャンソン・フランセーズ 7 ”La Vie ~人生~” ~やっぱり続けないと~

BABYMETALのYUIMETAL脱退のショックがまだ抜けてないんですが、身近な友人の中で、この手の話にシンパシー持ってくれる人が二人いるんです。一人はガレリア座で、先日の「小鳥売り」でスタニスラウスをやったS藤さんで、彼はハロプロの沼にはまっている。先…

万年筆女子会コンサートVol.3「世界民謡めぐり〜歌は千年、筆は万年〜」

女房が参加しているこの「万年筆女子会コンサート」、前回までの2回は、万年筆に絡めて、「文豪シリーズ」「国産礼賛」、と続けてきたのですが、今回は、ネタが切れた、ということで、とにかく色んな民謡でいこう、と決めたそうです。そこで、世界で記録に…

American Composers GALA〜ユダヤの精神とアメリカ音楽〜

アメリカがイスラエルの首都をエルサレムに定める、なんて言い出して、またぞろトランプ砲だよ、と世界中で騒いでおりますが、アメリカという国とユダヤ民族との間の絆や共通性みたいなことをちょっと考えたのが、12月22日に豊洲シビックセンターで上演…

シャンソン・フランセーズ5〜ぶれない軸、壁を壊す自信〜

一応私もサラリーマンやっておりまして、会社で若い人とかに、もっと新しいことにどんどん挑戦しようよ、なんて偉そうな説教かましたりします。今の若い人は挑戦する気概がない、とか色々言う人はいるけど、前向きにガンガン挑戦してくる子もいる。そういう…

万年筆女子会Vol.2「国産礼賛」〜違う色だから生まれるアンサンブル〜

8月9日(水)、渋谷ラトリエで、女房が所属しているオペラ歌手集団、「万年筆女子会」の第二回目の演奏会が開催されました。「国産礼賛」というお題で、国産=邦人曲をネタに国産万年筆の魅力について語りつくそう、という企画。あ、逆だ。国産万年筆をネ…