最近見てる配信イロイロのこと

コロナの影響もあって、YouTubeの配信動画とか、配信ライブとかを見る機会がすごく増えたんですが、イベント的に配信されるステージライブの配信だけじゃなくて、なんとなく習慣のように見てしまう配信番組も結構増えてきました。そんな中で、最近、更新されると割とよくチェックしているお気に入りの配信番組をいくつかご紹介。

 

1. 遠坂めぐさんの配信ライブ

遠坂めぐさんのことはこのブログでも何度か取り上げています。元々はさくら学院つながりで、さくら学院の卒業生の山出愛子さんの楽曲、「3月なんて」「ピアス」「365日サンタクロース」「はなまる」の作詞作曲共作をされていて、それでお名前を知ったのだけど、オリジナル楽曲含めて、どの作品も本当にいいんだなぁ。キャッチーなメロディで、等身大で時にユーモアも交えながら、印象的なコード進行の中にフッと胸に刺さる言葉を綴るセンス。そしてなんとなくプリンセスプリンセス奥居香さんを思わせるパワフルで貫通力のあるボーカルと安定したピアノ。

この遠坂さんが、毎週土曜日の夜11時からYouTubeで配信ライブをやっていて、なんとなくそれを視聴するのが毎週の日課になってしまいました。毎回何かしらぐっと心つかまれる瞬間があるんだよねぇ。ちょっとほろっとさせるオリジナル曲の演奏ももちろんいいのだけど、アイドルさん達に提供した楽曲の制作秘話とかも、人のつながりで出来上がっている音楽業界の舞台裏を垣間見るようで楽しい。

何より感心するのは、個人でやっているのに、毎週欠かさず土曜日の夜に配信を続けている生真面目さ。クイズコーナーで正解した人のリクエストカバー曲を翌週歌う、というコーナーが毎週あるんだけど、一週間で伴奏含めて曲を仕上げて見事に歌いきってしまうプロの仕事ぶりにも感心する。私なんか一曲歌曲まともに歌えるようになるのに一年かかったりするのになぁ。鍛えられた音感のおかげなんだろうけど、それでも並の努力じゃないと思う。毎週これをやる、と決めたことをしっかり続けるってなかなかできないと思うし、そういう安定した仕事ぶりが、色んなアーチストさんに愛される楽曲を提供している実績につながっているんだろうなぁ。

活躍の場をどんどん広げている期待の作曲家さん、という感じなのだけど、まだ二十代半ばの若さのキュートなお嬢さんなので、なんとなく親目線で応援している感覚もあって、そのあたりはさくら学院の生徒さんを応援している時の父兄目線に通じる所もある気もします。この人の曲は絶対「みんなのうた」に合うと思うんだよねぇ。いつかこの人の曲がNHKで流れるのを聞きながら、「オレこの作曲家さん昔から応援してたんだぜ」なんて自慢してみたい。さくらの卒業生がテレビに出てくるとにやけてしまうのと共通するパトロネージュの心理だな。

ということで、最近YouTubeで配信開始になった「恋人はシンガーソングライター」のMVのリンクを貼っておきます。これも楽屋オチっぽい感じもするのに普遍的な男女の葛藤を描いていて、このカップルを思わず応援したくなるキュートな楽曲です。

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2. 特撮女子パンナ

何でこの方の動画を見つけたのか、といえば、仮面ライダークウガYouTube配信があった時に関連動画を漁っていて偶然見つけた気がするんですけどね。この方の動画は本当に面白い。なんといってもその特撮に関するエンサイクロペディア的な知識の豊富さ、早口のナレーションで語られる台本の情報量の多さに圧倒される。どちらかというと戦隊もの仮面ライダーシリーズにちょっと傾斜している感じがあって、私が知らない戦隊シリーズと新しい仮面ライダーの話題になるとちょっとついていけないんだけど、昔のレア特撮や東宝特撮を取り上げる時も、「よくそんな情報知ってるな」と思うような博識さ。

そして何よりこの人の特撮に対するアプローチが非常に知的なんだよね。統計学的手法を駆使してみせたり、ちょっと民俗学的な視点で切り込んだり、そしてそれを動画として見せる編集技術も素晴らしい。パンダのお面をかぶったパントマイム、映し出される画像と笑えるキャプション、全部のバランスがものすごく洗練されている感じがある。あふれ出る特撮愛だけじゃなくて、動画制作の一つのモデルとしても勉強になるチャンネルです。

下記のリンクは「レア特撮」というテーマで続いた何本かの動画の一本目。「レア度」をGoogle検索のヒット数で数値化する、という分析的手法と、それぞれのレア特撮に関する知識の豊富さにうなったんだよね。

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3. 山田五郎のオトナの教養講座

サブカルチャーという言葉がまだメジャーじゃなかったころからタモリ倶楽部でお尻評論やってた山田五郎さんによる美術解説動画。あきれるほどもの知らずのワダさん相手の漫才のような掛け合いももちろん面白いのだけど、やはり圧倒されるのは山田さんの博学ぶり。

美術を見る際の「基礎知識」があるとないとで、作品を見る深度が全然変わってくるのだけど、この配信チャンネルを見ると、「へえ、そうだったのか」って思うことがいっぱい出てくるんだよね。私も美術品見るのは好きなので、多少なり知ってたつもりだったけど、まだまだ全然知らないことだらけだったんだってワクワクしてしまいます。

山田さんの語り口の絶妙なところは、そういう基礎知識や歴史といった学術的なことを語りながらも、決してアカデミズムに陥らない所なんだよね。どこか俗っぽい下世話な視点からの分析も残していて、巨匠と言われる画家たちも、この人の口で語られると本当にリアルな人間像として立ち上がってくるから面白い。ゴッホってのはかなり厄介なオッサンだと思ってたけど、本当に面倒くさい人だったんだなぁって納得したり。

ということで、個人的に「なるほど、ヌードっていうのは絵画において非実在・神性の表現だったのか」とか、「ロマン派って、言語から来ていたのか」とか、色んな新しい気づきがあった配信回のリンクを貼っておきます。凄く情報量の多い教養動画なのに、タイトルが「なぜ丸出し?」っていう所が山田五郎さんっぽいよねぇ。

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YouTubeには本当に色んな情報やエンターテイメントが溢れていて、玉石混淆の中から心に刺さるものを掘り起こす苦労もあるけれど、でも時々すごく素敵なエンターテイメントが埋もれていたりするんですねぇ。コロナ時代に改めて、ネットの奥深さを実感した気がしています。