2004-01-01から1年間の記事一覧

全ての人々に、よいお年を!

いよいよ年の瀬も押し迫ってきましたね。今年も一年、本当に盛りだくさんに過ごさせてもらえました。沢山の舞台。沢山の演奏会。色んなインプットやアウトプットを通して、去年の自分とは随分違う視点を身につけたような気がしています。この日記に駄文を載…

「黄泉がえり」〜手話の温かさ〜

時々、電車の中などで、聴覚障害の方と思われる方々が、手話で会話をされている姿をお見かけしますよね。その度に、なんとなく、不思議な気分がしていたんです。普通、障害を持っている方を見かけたりすると、「お気の毒だなぁ」とか、「かわいそうだなぁ」…

「さくや妖怪伝」〜ビジュアリストって何者さ〜

やっと冬らしい気候になってきましたね。我が家は家族3人そろって大風邪をひいています。昨日、ガレリア座の演出練習があったのですが、風邪の状態で、歌だのセリフだので声帯を酷使してしまったせいか、今朝起きてみたらノドが痛くて痛くてタイヘン。年末…

「柳川掘割物語」〜水へのこだわり〜

陰陽五行説、というのがあります。世界を構成する5つの原理として、「水・火・木・金・土」の5つの元素を置く考え方。中でも「水」は、まさに生命のゆりかごとして、母性の象徴でもあり、死の象徴でもあり、無意識の象徴でもあり、人間存在の一番深い所に…

「美少女戦士セーラームーン」〜少女たちが戦う理由〜

40歳も近い男がセーラームーンを語るなよ。東映チャンネルで集中放送が始まったからって、見るなよ。それも実写版だよ。まぁそう言うなよ。娘が好きなんだよ。誰に言い訳してんだ。わっはっは。娘が好きだ、というのを言い訳にしながら、何が楽しみで見て…

「オニババ化する女たち」〜社会と自然〜

週末、風邪が悪化して完全ダウン。脳ミソの3分の2くらいがハナミズになって流れ出した気分である。ひたすら自宅療養の結果、なんとか会社に出てこれるまでには回復しました。おかげでガレリア座の練習も全部ブッチ。全然まともに歌えない日々が続いている…

「猿丸幻視行」「日輪の遺産」〜正史の裏側〜

図書館から借りてきた、井沢元彦「猿丸幻視行」、浅田次郎「日輪の遺産」を昨日読了。「猿丸幻視行」、最近わりと文芸作品を読むことが多かったので、ちょっと頭の体操をしたくなり、手にとってみました。この作家の本は、芥川龍之介を探偵役に、義経伝説を…

全然客席に届かない

最近、この日記で、ガレリア座の練習のことをあんまり書きたくないんだなぁ。でも、自分を鼓舞する意味でも、ちゃんと向き合わないとね。この悲惨な現状に。日曜日に、初の演出練習というのがありました。冒頭から、私の登場の歌までの演出がつきました。Y…

「ぼくんち」〜フェリーニの映画との共通性〜

阪本順治という監督は、「どついたるねん」を見ています。これは本当にすごい映画でした。まっすぐなエンターテイメント。それもコテコテの関西系。以降の作品は残念ながらフォローしていなかったのですが、常に、関西系のやきそばソースの匂いのする作品を…

大久保混声合唱団「遠くはるかな子守りうた」「光葬」〜基礎力+α〜

週末、大久保混声合唱団の練習に参加した女房が、先日の松山での全国大会の演奏CDをもらってきました。日曜日の朝、早速聴く。「遠くはるかな子守うた」。最初に、川井敬子先生のピアノが、カーン、とした硬質な響きを鳴らした瞬間に、ホールからの残響とそ…

娘の幼稚園の「クリスマスお遊戯会」

週末、例によって様々なインプットがありました。ざっと羅列すると、−土曜日の午前中、娘の幼稚園で、「クリスマスお遊戯会」 −土曜日の午後、家の模様替えのためのお買い物 −日曜日の朝、WowWowで録画していた映画「ぼくんち」を見る −大久保混声合唱…

サンタさんの会議

昨夜、寝る前に、娘に、「サンタさんのプレゼントは何をお願いするの?」と聞きました。以前から、掃除機にするか、パソコンにするか、迷っていたようなのですが、昨夜は、「掃除機」と明言。おもちゃ屋さんに行って探してこなければ。サンタさんに電話して…

「オーケストラ・リハーサル」〜フェリーニの猥雑〜

フェデリコ・フェリーニという監督さんは、学生時代に映画を固めて見ていた時期、少しだけ追いかけたことがありました。「カサノヴァ」「ジンジャーとフレッド」「道」「甘い生活」「インテルビスタ」そして、「オーケストラ・リハーサル」を見ています。同…

「黄金の日日」〜失われた日本語〜

昨夜、CATVチャンネルをザッピングしていたら、時代劇チャンネルで放送が始まった「黄金の日日」が偶然映り、思わず女房と腰を据えて見てしまいました。1978年製作の大河ドラマですから、もう26年前。出てくる役者さんがとにかくすごくて、女房と…

ゴジラ映画の「業」

最近、ゴジラの「最終作」が封切られる、ということで、ゴジラ映画の過去の作品を色んなところが放送しています。特撮映画が好きだった昔の血が騒いで、最近録画してよく見ています。なので、我が家のTVでは、最近やたらにゴジラが放射能を吐いている。女…

松山バレエ団「くるみ割り人形」〜物語の明快さ・チケットを売るネットワーク〜

週末、久しぶりにガレリア座の練習が全くなし。この年末に家の中の模様替えを計画しているので、土曜日はその準備。日曜日に、府中の森芸術劇場 どりーむホールで上演された、松山バレエ団の「くるみ割り人形」を見に行ってきました。年末のクリスマス時期に…

風邪ひいちゃった

今週の頭くらいから、風邪ひいちゃいました。ゲホゲホ状態です。風邪のひき方、というのも、年を追って変わってきますね。年齢に応じた体の状態があるからでしょうか。子供の頃の風邪の記憶はあんまりないのですが、今、娘の風邪引き状態とかをみると、わり…

「コシ・ファン・トゥッテ」〜モーツァルトの高み〜

私ごときがモーツァルトのことを論じることなんかできない。相手がでかすぎる。クライバーのことを論じることだってできないのと同じ。だから、あくまで個別の作品に対する個人的な感想を綴るだけ。その上で言うのだけど、「コシ・ファン・トゥッテ」、ほん…

食べ物の好き嫌い

娘が、幼稚園に持っていくお弁当の中に入れたほうれん草の炒め物を全部平らげてきたそうです。ほうれん草はあんまり得意じゃないんだけどね。「うぇってなりそうになったけど、がんばったよ」と報告してきたそうです。先日も、夕食の席で、サラダを完食する…

「ボイス」〜良質なホラー映画〜

ホラー映画、というのは映画のジャンルの中で一つの大きな柱だと思います。でも、かなり危ういジャンルでもある。いいホラー映画、良質のホラー映画っていうものには、なかなか出会えないものです。なんでかなぁ、と考えてみると、いろいろな要因がある。ま…

お天気のよい週末

週末は好天に恵まれ、色々と都内各所で活動しておりました。土曜日、修理に出していた車を取りに行き、そのまま、午後、文京区根津の根津教会へ。蔵こんでごいっしょした、Kさんが指導されている聖歌隊を中心に、Kさんのソロも交えた演奏会があったのです…

こだわること

表現することとこだわること、というのは表裏一体だと思うんです。どう表現するか、何を表現するか、ということに、どれだけこだわれるか。中学生の校内合唱コンクールみたいに、表現するモノの質ではなく、表現する、という行為によって得られる一体感を重…

時間が過ぎるのが早い!

なんてこった。もうすぐ12月じゃないか。年が明けたらついに40歳だよ。恐ろしいことだねぇ。全然自覚がないよ。昨夜も、職場の仲間と飲みに行って、「最近時間が流れるのが早いんですよねぇ」という話をしていました。すると、上司曰く。「子供ができる…

いいものに触れる、いいものを創る

楽しかった松山旅行も終わり、仕事にもまれています。昨日は、女房が、正行先生の墓前に、シード金賞受賞のご報告に行く、というので、多摩川を越えてお墓参りをしてきました。好天に恵まれ、ピアノの形をしたお墓は、花と光に埋もれておりました。いい連休…

松山に来ています

大久保混声合唱団の全国大会出場に、何故かくっついて松山に来ています。演奏は聞けず、ひたすら娘のお守りだったのですが、松山はとてもいいところで、娘もいっぱい楽しみました。何より、大久保混声合唱団、シード金賞おめでとうございました!今、打ち上…

ゲルギエフ・ウィーンの「悲愴」〜レクイエムとしての「悲愴」〜

私が生まれ育った家では、ほとんどクラシック音楽の音源がありませんでした。子どものための名曲集のようなドーナッツ盤のシリーズと、数枚のLP。そんな、珍しいクラシックLP盤の1枚が、「悲愴」でした。モスクワの指揮者、コンドラシンの指揮したLP…

華岡青洲の妻〜濃密な人間関係〜

本というのは、お酒に似ているところがありますよね。色んな口当たり、色んな味、色んな香りを楽しんだ後にも、酔いに似た感覚が残る。さっきまで本の中で苦楽を共にした登場人物たちが、まだ頭の中でそれぞれの人生を生きつづけているような。優れた本を読…

文化の発信地の作り方

今日は、今週月曜日にお邪魔した、大田文化の森合唱団のことを書きましょう。大田区民オペラ合唱団でお世話になっている山口俊彦先生が指揮されている合唱団です。そのご縁で、来年の1月に開催される、この合唱団の演奏会を、ステマネとしてお手伝いするこ…

イタリアオペラに向いている人

音楽というのは、その音楽が何を表現しているか、という以前に、音の絡み合いそのものが純粋に美しくて気持ちいい要素がまずあるんだ、というのは、多分、私のような音楽の素人でも言えることだと思います。バッハの無限に絡み合うようなフーガやカノン、ベ…

引き潮

昔、父が突然、一緒に晩飯を食おう、と言い出した。何事か、と思うと、見合いの話である。当時、私は確か30歳。30過ぎて結婚しない男、というのは当時でも珍しくなかったが、田舎者の父からすれば、「この息子は、どこか肉体的に欠陥があるか、あるいは…