最近のインプット羅列します

一ヶ月ほどこのブログの更新をサボっているんですが、色々とインプットはあって、ただそれを論じるとなると相当のエネルギーがいるし、ほかの人も寄ってたかって分析しまくっているコンテンツもあるので、とりあえず、前回の更新以降の大きなインプットをただ箇条書き風に並べておきます。

 

1.進撃の巨人、読了いたしました。

 

娘がハマって、全巻大人買いという思い切った行動に出てくれたので、おこぼれにあずかり、夫婦して全巻読了してしまいました、話題の「進撃の巨人」。なんとなく、手塚治虫がきちんとお話をまとめることができたらこういうお話書いたかもしれないなぁ、という感じがした。特に、読者が結構のめり込んでファンも多くなったキャラクターを惜しげもなく惨殺していく感じが手塚先生っぽいなぁって。自分の暮らす世界の構造が根本から覆る、という「パラダイムシフト」の感覚や、何代にもわたって人を支配する大きな時間感覚というのも、ちょっと「火の鳥」未来編のカタルシスにも似てる感じがしたんだよね。でもねぇ、せっかく新しい刺激的なコンテンツが登場しても、自分が10代・20代くらいの頃に取り込んだコンテンツと比較したりその共通項に納得したりするのが本当にオッサンっぽくて嫌なんだよなぁ。壁の秘密が明らかになったあたりの話を職場の若者に、「自分のパラダイムを壊さないと」みたいな社内訓話のネタにさせてもらったりしてる自分もオッサンっぽくってマジ嫌になるっす。

 

2. ヲタ活動も相変わらずでございます。

 

さくら学院は8月末の閉校に向けて色んなイベントが公表され始めたし、BABYMETALも9月末に10BUDOKANの映像作品の発売が発表されて、ヲタ活動もかなり充実しておりました。一番胸に来たのはなんと言っても久しぶりの現場参戦になった6月12日の公開授業「写真の授業」。業界の一線で活躍するプロの方を講師にして、さくら学院の生徒さんに様々な授業を行う、という、さくら学院でしか見ることができないコンテンツ。この日記でも色んな公開授業の感想を書いてきたけど、これが自分の参加できる最後の公開授業だ、という思いもあったし、ほぼ1年半ぶりに森ハヤシ先生や生徒さん達と同じ空間と時間を共有できたライブ感覚に胸が熱くなる思いもあった。冒頭登場した森先生に降り注いだ拍手がなかなか鳴り止まなくて、胸いっぱいになっている森先生にまたこちらも熱くなる、これが、生徒さんだけじゃなくて、職員室や父兄さん達みんなで作り上げてきたさくらの空気感なんだよなって。

写真の授業は、講師の神戸先生の飄々としたキャラも手伝って、終始和やかで笑顔の絶えない時間になったのだけど、翌日に緊張感あふれる歌の考古学を控えていた生徒さん達に対する職員室の気遣いだったのかなって思います。歌の考古学は参戦できなくて、自分にとっての最後の公開授業になったのだけど、それがこんな和やかな時間で本当によかったです。

 

3. 「ポーの一族」続編購入

 

萩尾望都先生が、「ポーの一族」の新作を40年ぶりに描いた、と聞いて、正直言えば不安しかなかったんですよね。ネットで見た表紙に描かれたエドガーは、明らかに最近の萩尾先生のシャープになった描画タッチのエドガーで、それもただただ不安だった。自分がまさに14歳というエドガーと同い年の時に出会って、まさに自分のパラダイムが解体されてしまった作品の続編なんて、怖くておいそれと読めません。

先日、ふらっと立ち寄った書店に、「春の夢」「ユニコーン」「秘密の花園」が並んでいるのを見て、思わず手が出てしまう。購入したその日に3冊読了。不安を感じてた自分を埋めてやりたい。萩尾先生なめるな。

上質なファンタジーっていうのはその世界の中に読者が引きずり込まれてしまって、自分の住んでいる世界の見え方自体が変貌してしまう感覚があるものだと思うんですけど、40年前の「ポーの一族」で感じたその感覚を、また味わえる日が来るなんて思いもしなかった。エドガーもアランもあの頃のままで、アランは愛らしさが増してヒロイン感が強くなってるけど、でも2人とも全然変わってない。それでいて、2人を廻る世界観や時代感覚は40年前より遙かに深く広くなっていて、これから2人がどうなっていくのか、新刊が本当に楽しみ。

 

4. 中元日芽香さん「ありがとうわたし」読了

 

中元すず香さんからお姉様の日芽香さんを知って、引退直前のらじらーサンデーに号泣して以来、乃木坂には全然興味ないのに日芽香さんのことだけはどうしても気になってたんですよね。本を出す、という話を聞いて、これもちょっと不安半分で購入。正直ちょっと読むのが辛い箇所もあったんですけど、身体に変調をきたすまでに許せなかった自分自身の存在を、時間をかけてゆっくりと肯定していく過程に、何度も胸が熱くなりました。

AKBというアイドルシステムは、思春期の少女達の序列争いをファンも巻き込んでショウ化する、という意味で、個人的にはあんまり支持する気になれません。序列争いだから与えられる振り付けも歌も、個々の個性を表現するよりユニゾンが多くなっている感じがあって、あんまり楽しいと思えない。もちろん、乃木坂含めて、本当によくもまぁそろえたなってくらいに美少女ばっかりで、みんなホントにキラキラしてるけどねぇ。

日芽香さんが乃木坂じゃなくて、アミューズとかハロプロみたいに個々の個性をしっかり伸ばしてくれる場所に行っていたら、また別の物語があったのかもしれないけど、そんなことを言っても仕方のないことで、今ある自分を全部肯定するところから次が始まるんだよね。「ありがとうわたし」って言えるようになった日芽香さんが、同じように追い詰められているアイドルさんのそばに寄り添ってあげて、沢山の人を笑顔にしてくれるといいなぁ。