娘の幼稚園の「クリスマスお遊戯会」

週末、例によって様々なインプットがありました。ざっと羅列すると、

−土曜日の午前中、娘の幼稚園で、「クリスマスお遊戯会」
−土曜日の午後、家の模様替えのためのお買い物
−日曜日の朝、WowWowで録画していた映画「ぼくんち」を見る
−大久保混声合唱団の全日本合唱コンクールでの金賞受賞演奏をCDで聴く。
−模様替えの作業に明け暮れる。
ガレリア座の練習へ。初の演出練。

という感じです。全部の感想を書くのも大変なので、ぼちぼちと書いていきます。今日はとりあえず、一番最初の「クリスマスお遊戯会」のこと。「観劇」というカテゴリーに入れるのはいささか「?」ですが、先生方のご苦労と、出来上がった舞台の質を考えると、これは立派なパフォーマンスでした。なので、「観劇」。

娘の通っている幼稚園はカトリック系の幼稚園なので、普通の幼稚園の「発表会」とか、「学芸会」というイベントが、「クリスマスお遊戯会」という名前で行われます。全体の構成は決まっていて、

−年長組の全員の歌とハーモニカ演奏
−年少さんと年中さんのクラスごとの出し物
−ママさんコーラス
−年長組全員による「聖劇」

という構成。娘のクラスの出し物は、「いなかのネズミとまちのネズミ」。例のイソップ童話のやつですね。娘は、まちのネズミのお母さん、という役をもらって、数日前からおお張り切り。真中で一人でダンスする場面で張り切って踊っていました。例によって、両親ともでろでろ。

面白いなぁ、と思ったことをいくつか。一つは、私の住んでいる調布市、というのが、本当に子供の多い市なんだなぁ、ということ。去年のお遊戯会の時にも思ったのですが、かなりの広さのある幼稚園のホールが、父兄で埋まるのです。立ち見なんてのは当たり前。開演は9時15分だったのですが、ホールの開場が8時30分。それでも、6時から並んで席を取った人がいたそうな。なんてこったい。

一クラス30人くらいで、1学年に3クラス、それが年少さんから3学年ですから、30×3×3=270人。一度、運動会のビデオを岩手の女房の両親に見せたら、「大船渡の小学校は6学年で300人もいないよ」ですって。ほんとに、調布市少子化知らずの市なんですね。

当然、先生方も、全員に役を行き渡らせるのに色々苦労されている。娘のやった、「いなかのネズミとまちのネズミ」でも、それぞれのネズミの家族が2家族ずつ出てくるんです。分かりにくいかな。お芝居の前半と後半で、演技するグループが変わるんですね。前半の、「まちのネズミの家族」と、後半の「まちのネズミの家族」がいるんです。とにかく一つのクラスの人数が多いから、一人が一役、というのでは全員に役が行き渡らない。なので、娘のやった、まちのネズミのおかあさん、という役も、娘ともう一人、2人の子が演じている。娘は、「xxちゃんのエプロンの方が、リボンが2つあって、私のは1つしかなかったから、xxちゃんのエプロンの方が可愛かったんだよね」とちょっとご不満だったようですが。

二つめの面白かったこと。ちょっと失礼な言い方になっちゃうかもしれないのですが、こういうクラスごとの出し物、という形を取ると、指導される先生の、パフォーマンスに対するセンスが如実に見えてしまうんですね。5分から10分に満たない時間の中で、一つの音楽付きのお芝居を作り上げるには、選曲・振り付け・演出の全てを、先生方がこなさなければならない。

幼稚園の出し物といえども、一つの舞台を作り上げる、ということに変わりはありません。要するに、我々がガレリア座でやっていることを、全部一人の先生がこなしている、ということなんです。しかも出来上がったものは、先生方のパフォーマンスアートに対するセンスをそのまま反映して、お客様の目にさらされてしまう。「xx組の出し物は面白かったけど、yy組のはちょっと出来が悪かったねぇ」とか。これは厳しいなぁ、と思いました。自分がやれと言われたら絶対できない。

中でも、年長さんの「聖劇」は、毎年同じ演目を、ほとんど構成を変えずにやるので、その年の年長さんを担当されている先生方の力量によって、出来が全然変わっちゃうんです。子どもたちの力量にそんなに差があるわけはないので、本当に、先生方のセンスが全て、という感じ。今年は、ピアノ伴奏をされた先生がとてもお上手な方だったのと、振り付けのセンスが実によく、とても楽しめました。子供たちにもできる簡単な振り付けなのに、キレイに見える群舞、というのは、本当に難しいと思うのです。でも、見事な「キラキラ星変奏曲」に合わせて子どもたちが踊るお星様の群舞は、実に可愛らしく出来上がっていました。自分がやれと言われたら絶対できないぞ。幼稚園の先生って、ほんとにすごい人たちなんだなぁ。

三つ目の面白かったこと。こういう幼稚園の出し物って、歌もセリフも入った音源がちゃんとあるんですね。舞台上の子どもたちは、その歌とセリフに合わせて踊ったり、パントマイムをするだけ。「いなかのネズミとまちのネズミ」もそうだし、「たこやきマントマン」とか、昨年は「桃太郎」も、そういう音源で演じられていました。何でもあるんだなぁ、と言ったら、女房が、「幼児用オペレッタというのは、音楽業界で、きっちり完成された一つの市場になっているんだよ」と教えてくれました。ピアノ伴奏を前提とした楽譜も沢山出ているし、CDも沢山あるんだそうです。世の中には、私の知らないことが沢山あるんだなぁ。

子供の成長を喜ぶ、というのが、こういう「お遊戯会」の基本で、「聖劇」が終った後には、思わず涙ぐんでいるお母さん達もいらっしゃいました。女房も、ママさんコーラスでソロをもらって、気持ちよく歌えたようで大満足。色々と感慨深く、楽しませてもらった「お遊戯会」でした。