音楽雑感

ラ・ムジカ・フェニーチェ 林 美智子 リサイタル〜大輪の花〜

週末、例によってばたばたと過ごしました。おいおい書いていくとして、とりあえずの活動リスト。金曜日、ラ・ムジカ・フェニーチェのサロンコンサートに、林美智子さんのリサイタルを聞きに行く。大輪の花。 土曜日昼、7月のGAG公演の下打ち合わせで、美術…

音楽指導ってのは面白いなぁ

女房が、大久保混声合唱団の下振りをすることになって、その週末の予定を相談していた。私が、「練習直前とかに、近くの喫茶店で2時間くらい、予習のための時間があると嬉しい?」と聞くと、女房は、「曲の指導の予習なんか、喫茶店じゃできないよ」と。「…

人前で演奏すること

女房が最近、ある声楽家の方とお話をしていて、「私は『ガレリア座』というところで、次の公演でこの役を歌いなさい、と言われて、それをなんとか仕上げていく、というやり方で、歌の勉強を続けてきたんです」という話をした。声楽家の方は相当驚いて、「そ…

つまみ食いよりフルコース

先日、新宿オペレッタ劇場の練習のあと、支配人のY氏と一緒に食事をしていて、最近の「のだめカンタービレ」ブームについて話をしていました。「すごく面白い漫画だし、ドラマもよく出来てたらしいね」とY氏。「でも、やだなーと思うのはさ、CD業界の便乗ぶ…

母音って大事なんですねぇ。

金曜日、新宿オペレッタ劇場の練習に。ソリストの中原和人さんが合唱練習に付き合ってくださる。中原さんはソロ部分の他に、私と同じ合唱のバリトンパートを補助してくださることになっています。後ろからすごくいい声が聞こえてくると、自分も上手になった…

ピアニズムってなんすか?

先日、何気なく見ていたNHKの芸術劇場で、クリスティアン・ツィマーマンのピアノ・リサイタルを放送していました。わたしゃ全然クラシック演奏家には疎いので、ツィマーマン、と言われても全然ピンとこないのですけど、女房は、「おお、ツィマーマンだ!」と…

やっぱりすごい人はすごい

先週末、今度の日曜日の演奏会をステージ・マネージャとしてお手伝いするガレリア・フィルハーモニーの練習にお邪魔しました。練習会場に入ると、クラリネットの席に、見慣れないような見たことのあるような大柄な紳士がにこにこと座ってらっしゃる。以前、…

幅を広げること、表現を突き詰めること

蔵しっくこんさぁと終演後、打ち上げを兼ねてみんなで泊まった花巻温泉。音楽談義に夜更けまで語り合ったのですけど、その中で、プロの音楽家の方とお話をするといつも出てくる話があったので、ちょっとここに書き留めておきたいと思います。ヴァイオリンで…

疲労感を越えて

最近、自分自身が偏狭になってきたのか、周囲との間のコミュニケーション・ギャップに悩むことが多くなってきました。そういう日常の愚痴めいたことは、あまりこの日記には書かないようにしているんだけど、先々週から先週くらいに、立て続けにそういうトラ…

上手な合唱団の練習見学

なんか「上手」というタイトルが連続しちゃってますね。今日は、先日ちょっとお邪魔した、大久保混声合唱団の練習見学のことを書きます。今度、7月23日(日)に新宿文化センターで上演される、大久保混声合唱団の第32回定期演奏会。この演奏会のステマ…

オペレッタ通の小学1年生

週末、7月の蔵しっくこんさぁとの練習。例によって、参加者全員が、少しずつ背伸びした曲にチャレンジしているので、楽しい中にも、それなりの緊張感と、課題を次に残しての練習になりました。私が歌うのは、以下の曲。・カールマン「モンマルトルのすみれ…

芸術劇場のザルツブルグの「椿姫」〜表現手段としての「オペラ」〜

先日、新国立劇場で上演された、二期会の「皇帝ティトの慈悲」を見てきた女房が、非常に複雑な表情で帰ってきました。「とても評判になっている舞台だけど、あんまり楽しめなかった。」とのこと。「演出家がやりたいこと、表現したいことが強烈に存在してい…

オーケストラ伴奏「水のいのち」〜表現できるからこそ怖い〜

一昨日、女房が、大久保混声合唱団の練習で、昨年の秋に開催された「ひたすらないのち」演奏会の記念文集を受け取ってきました。昨日、その文集をちらちらと読ませてもらっているうちに、急に聞きたくなって、この演奏会で初演された、高田三郎先生の「水の…

大田文化の森合唱団演奏会〜男声を確保すること〜

22日からお休みをいただいて、4連休、相変わらずじたばたばたばたと過ごしました。インプットを並べてみると…・リチャード・バックマン「レギュレイターズ」を読了。哲学ホラー小説。 ・山本周五郎「五瓣の椿」を読了。一種のアンファン・テリブルの話だ…

あっぷあっぷ

ガレリア座の次回演目「モンマルトルのすみれ」。やむをえない事情で、キャストの変更があり、先日、私の配役に変更がありました。今までの音取り作業は全部白紙に戻して、再度、一から音取りのやり直し。前に決まっていた配役は、1幕のフィナーレにしか出…

マイクコントロール

本田美奈子さんが亡くなった、ということで、先日、「題名のない音楽会」で、彼女の過去の出演映像を流していました。いくつか、クラシック歌曲を歌う姿も流れました。クラシック歌手、とは決していえないと思いますけど、ポップスの手法で、可能な限りの「…

ソプラノ歌手とおっぱい

タイトルを書いて、「良いおっぱい、悪いおっぱい」という本を思い出したな。読んでないけど。そういえば、池澤夏樹さんが、「母なる自然のおっぱい」という本を出した時に、「おっぱい」という言葉を本のタイトルにしたのが、この本の成功の要因だった、な…

東京室内歌劇場の「哀れな水夫」「声」を見る

先日、シアターテレビジョンで放送されていた、2002年9月に東京室内歌劇場が、新国立劇場でやった公演の映像を見ました。コクトー二題。今日はそのお話を。 『哀れな水夫』 作曲:ダリウス・ミヨー 台本:ジャン・コクトー 芸術監督:若杉弘 指揮:佐藤…

指揮者の確信

まゆみちゃんから、去年の日記にコメントがありました。情報ありがとう。お昼に一人でカラオケに行く人って、結構いるんですよね。私が通ってる会社のそばのカラオケ屋でも、一人で演歌の練習をしているおじさんを時々見ることがあります。夜の接待のための…

ガレリア・フィルハーモニー演奏会お手伝い

来る9月4日、ガレリア座のオーケストラが独立して、ガレリア・フィルハーモニーとして演奏会を開催することになりました。その演奏会のステージ・マネージャを仰せつかり、先週、本番会場である第一生命ホールに打ち合わせで行ってきました。第一生命ホー…

身内の演奏会〜真摯であること・楽しむこと〜

例によって、先週末のインプットを並べます。・土曜日、身内の演奏会。ほんとに楽しかった! ・地震にはびっくりしたねぇ。 ・平岩弓枝「御宿かわせみ」文庫本第一巻を読了。人気の理由がなんとなく分かる。今日は、身内の演奏会の話を。ボストン在住のガレ…

「クライバーのリハーサル」〜有言実行のための技術〜

この3連休はいくつかのイベントがありました。メインイベントは、ずっと懸案だった、荒れた庭の芝を全部剥ぎ取って、玉砂利を敷いたこと。下着やらTシャツを数枚泥まみれ汗まみれにしての作業で、今日も体のあっちゃこっちゃが痛いです。とはいえ、体の痛…

合唱指導さまざま

土曜日、大田区民オペラ合唱団の練習に参加。山口先生がお休みだったので、副指揮者の藤丸 崇浩さんが指導。この指導が面白かった。イタリア語の細かいさばき方の指導も分かりやすかったのですが、「口から声を漏らすのじゃなくて、口にラップをするような感…

関屋晋先生追悼〜俗と聖の共存〜

例によって、週末のインプットをいくつか並べます。・土曜日は家族で多摩川べりで、日曜日はガレリア座の仲間と新宿御苑でお花見。ランチビールってなんでこんなに美味いんだろう。 ・土曜日の夜、大田区民オペラ合唱団の練習に参加。 ・日曜日の朝、女房か…

全日本合唱コンクール〜豊かな声の森〜

土曜日、大久保混声合唱団の練習から帰宅した女房が、昨秋の全日本合唱コンクールの金賞団体の演奏を収めたCDを聞かせてくれました。今日はその感想を。コンクールの録音を聞く、というのは、実に面白いですね。何が面白いといえば、同じ楽曲を別の団体が…

カヴァレリア・ルスティカーナ〜昼ドラの世界〜

乞食学生が終わって、次の私のイベントは、大田区民オペラ合唱団の「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。夏と秋にステージがあるので、それに向けての練習。週末、女房の大久保混声合唱団の練習時間と重なっているので、毎回、女房の予定と調整しながらの…

オペラとの出会い

今回の「乞食学生」で初めてガレリア座に参加された方から、こんな質問を受けました。「Singさんって、お芝居の方から舞台に入られたんですか?」いや、大学時代に合唱団に入って・・・などと、自分と音楽の出会いの話をし始めて、はた、と思った。「そうい…

自分のお葬式でかけてほしい曲は?〜レクイエム論その2〜

大田文化の森合唱団の演奏会で、モーツァルトの「レクイエム」全曲演奏が行われました。演奏の前に、今回のスマトラ沖地震の被災者に対し、黙祷を捧げました。レクイエムというのは、死者に捧げる曲ですから、ある意味自然なこと。でも、ふっと思った。「自…

大久保混声合唱団「遠くはるかな子守りうた」「光葬」〜基礎力+α〜

週末、大久保混声合唱団の練習に参加した女房が、先日の松山での全国大会の演奏CDをもらってきました。日曜日の朝、早速聴く。「遠くはるかな子守うた」。最初に、川井敬子先生のピアノが、カーン、とした硬質な響きを鳴らした瞬間に、ホールからの残響とそ…

「コシ・ファン・トゥッテ」〜モーツァルトの高み〜

私ごときがモーツァルトのことを論じることなんかできない。相手がでかすぎる。クライバーのことを論じることだってできないのと同じ。だから、あくまで個別の作品に対する個人的な感想を綴るだけ。その上で言うのだけど、「コシ・ファン・トゥッテ」、ほん…