ガレリア・フィルハーモニー演奏会お手伝い

来る9月4日、ガレリア座のオーケストラが独立して、ガレリア・フィルハーモニーとして演奏会を開催することになりました。その演奏会のステージ・マネージャを仰せつかり、先週、本番会場である第一生命ホールに打ち合わせで行ってきました。

第一生命ホール、というホールもそうですが、晴海アイランドトリトンスクエアという場所自体、初めて行ったのです。一言で言えば、「でかい」。広すぎて、どこに何があるのか分からん。打ち合わせ用の資料をコピーするコンビニを探して、あっちゃこっちゃを放浪してしまいました。

でも、この放浪が中々楽しかった。かなり早めに着いたので、時間に余裕があったおかげもあり、意図的に道に迷ってみる。入り組んだショッピングアーケードは、迷路のような感じで、洒落た紅茶専門店があったり、突然広場が開けて、綺麗なフレスコ画が天井を覆っていたり。私が勤務しているガーデンエアタワーという一角も、散歩道が切ってあったり、ちょっとした広場があったりします。最近のこの手の大規模開発地は、機能優先じゃなくて、あえてこういう「無駄なスペース」を沢山設けているのがいいよね。

事務所の窓口担当の、Yさんという涼やかな美女が会場を案内してくれる。ホール自体も、客席と舞台の距離が近すぎず遠すぎず、とてもいい感じですね。内壁が丸く作ってあるのが、柔らかい印象でとても素敵。ロビーの構造からそうなんですが、基本が円形、曲線なので、とても優しい感じのするホールです。

こういう都内のホールというのは、舞台に比べて舞台裏が相当貧弱で、狭い狭い狭い狭い通路を体を横にしてカニ歩きしなければいけなかったりするんですけど、このホールは違います。ホールの入り口が4階、舞台が5階で、楽屋などの舞台裏は2つの階にまたがって展開しているんですけど、その間が吹き抜けの階段でつながっていて、すごく開放感がある。楽屋は広くはないですけど、心地よく整備されていて、少し大きめの団体にはリハーサル室などが充実している。アーティストラウンジなどもあり、演奏者にとってもとても気持ちのよいホールだなぁ、と思いました。

コンサート専用ホールなので、演劇やオペラなどには不向きでしょうけど、とってもいいホールです。演奏会のステマネをやる一つの楽しみは、こういう色んなホールの舞台裏を覗けること。本番のお手伝いがとっても楽しみになってきました。
 
日曜日には、ガレリア・フィルハーモニーの練習にお邪魔しました。ベートーベンの交響曲第二番の練習です。私は音楽通じゃないので、ベートーベンの二番、と聞いてもピンとこなかったのですが、ほんとにいい曲ですねぇ。

オケの練習を聞くと、指揮者の楽曲分析が必ず加わってきますよね。「そこの8分音符がここのリズムを決めているから」「そのオーボエファゴットが一つの旋律として成立するように」なんて言葉を聴きながら、そうか、そういう曲なのか、というのが分かってくる。私みたいな楽譜音痴には、本当にいい勉強になります。

今回のガレ・フィル演奏会の指揮者、角田鋼亮さんは、芸大の指揮科の院生ということですが、若々しいキレのよさと、極めて老練な楽曲への読み込みが共存しているような、不思議な存在感を持った方です。エネルギッシュでありながら思索的。分析的でありながらロマンティック。ダイヤの原石が見事にカッティングされ、輝きを増していくような感覚で、音の粒立ちやクリアさ、フレーズの詩情やハーモニーが際立っていく過程を、ただただ感心して聞き入っておりました。

宣伝しましょう。来る9月4日、第一生命ホール、14時開演。演目などの詳細はこちらのガレリア・フィルハーモニーの公式HPをご覧ください。モーツァルト、ベートーベンから、ガレリア座お得意のウィンナ・ワルツまで、中々そんじょそこらにない聞き応えのある演奏会だと思います。多数の皆様のご来場を、お待ちしております!