音楽雑感

ガレリア座公演「シカゴ大公令嬢」そのいち〜「橋渡し」役としてのカールマンの真骨頂〜

6月1日、ルネ小平で、ガレリア座公演「シカゴ大公令嬢」に家族三人で参加。女房はタイトルロール、娘はチェロ、私は合唱とセリフ役。それぞれに課題を見つけ、それぞれに達成感を得た家族の一大イベントでした。結構語りたいことの多いイベントだったので…

ここまで、で妥協するか、ここまで、で絶望するか、ここからまた、とあがくか

最近ブログの更新が滞っていてすみません。何か書きたいことや、インプット・アウトプットがあったら、と思っていたら、1か月近く更新できなくなってしまいました。それなりに色んなインプットはあったのだけど、Facebookで小出しにしたり、しっかりまとま…

昭和の方がやっぱり入れ込みやすいんだよなー

最近、特に2000年を超えてから、「今って平成何年だっけ?」と悩むことが多い気がする。昭和の頃は、昭和xx年、というのが先にあって、「今って19・・・何年だっけ?」と悩むことが多かった気がするんだけど。頭の中の換算表として、昭和20年=1…

デセイの「椿姫」はやっぱりよかった。

WowWowで先日放送されたMETライブビューイングは、大好きなナタリー・デセイの「椿姫」。あのザルツブルグのデカー演出をMETが取り上げた舞台で、私はハコフグ、じゃない、マリーナ・ポプラフスカヤのヴィオレッタで、METの本舞台で見たもの…

合唱三昧の週末で、なんとなく郷土愛を感じたりして

土曜日、合唱団麗鳴の演奏会が終了。府中の森ウィーンホールがほぼ満席に見えるお客様に集まっていただくことができて、本当に感謝です。個人的にも、人が声を合わせて一つの物語を作っていく「合唱」という表現の楽しさを、改めて感じた舞台になりました。…

宣伝かねて、今度の演奏会の曲目についてご紹介

ガレリア座の本番も終わったばかりだというのに、今度の28日の土曜日には、合唱団麗鳴の演奏会があります。以前からこの日記でも折に触れ書いてきましたが、宣伝かねて、今回のステージ曲の中でもお気に入りの曲をいくつかここでご紹介したいと思います。 …

ピアノの音色〜世代の音楽

連休に入ってすぐ、「ウィーンオフ会」という会合に、ガレリア座公演の宣伝も兼ねて参加。ウィーン大好き、という発起人の方が、主にピアニストの方々に声をかけて、ウィーンのピアノメーカであるベーゼンドルファーのある会場に集って、ウィーンにゆかりの…

つんく♂さんの指導にとても納得

先日、ドリームモーニング娘。の特番をちら見してました。モーニング娘。よりかなり前から、アイドル業界には全くうとくなっているので、さほど興味しんしん、というわけじゃなく、BGVでかけてただけなんですけどね(言い訳じゃないぞ、ほんとのことだ)。で…

Vocal Folds

日本に戻って、仕事上で英語に触れることはあっても、やはり住んでいた頃に比べると、英語力を維持するのに努力が必要。しかしこの、「努力」というのが厄介で、それも毎日ある程度継続しないといけないのが、語学のしんどいところ。てなわけで、ひょっとし…

ティオ君に再会!!

今日、合唱団麗鳴の練習があり、7月の演奏会の曲目を決める話し合いがありました。結果、7月の演奏会のメイン曲は、木下牧子さんの「ティオの夜の旅」に決まりました。ずいぶん前に、この日記にも書いたことがありますが、私が大学時代に所属していた合唱…

娘の伴奏で夫婦で歌う。感涙。

7月11日に、娘の学校で、夏休みを区切りに学校を去っていく子供たちのためのお別れ集会というのが開かれるそうです。それに合わせて、学内の生徒さんが作曲したオリジナル曲をみんなで歌おう、という話になり、音楽の先生がピアノ伴奏をつけ、全校生徒が…

久しぶりの合宿

土曜日から、ニューヨーク混声合唱団の強化合宿に参加。ガレリア座にいたころは、週末は昼から夜まで歌いっぱなし、というのが当たり前だったから、久しぶりにそういう時間の使い方をして、なんだかすごく懐かしかった。体は疲れるのだけど、気持ちとしては…

地に足つけて

先週末、NY混声合唱団の仲間のお宅にお邪魔し、今度、団内の余興としてやってみようか、と言っている、ドン・ジョバンニのデュエットや、ガレリア座の定番、メリー・ウィドウの「女・女・女」を練習。ついでに、昔やった「愛の妙薬」のドゥルカマーラの登…

芸は身を助く、というか

先日、NY近辺の合唱団の合唱祭に行って来て、NY混声合唱団の皆さんと知り合いに。そのまま、入団してしまいました。仕事の様子を見ながらの参加になるので、ご迷惑をかけることが多いかも、と思うのですが、歌う場所が確保できてなんだか安心する。入団…

Choral Festival of Japan〜文化ってのは、本物の凄み、ってことかもね〜

NJの我が家のご近所には、海外在住の日本人教育に長年たずさわっている方がお住まいで、先日、その方とお話をする機会がありました。その方が非常に面白いことをおっしゃっていた。「言語というのはね、音と、文字と、文化で構成されているんです。幼稚園…

METライブビューイング「トゥーランドット」

日曜日もぼんやりTVを見ていたら(あ、いや、そんなに引きこもっているわけじゃなくて、ちゃんと外出もしてるんですよ。)、METのライブビュージングの録画を放送していたのに出くわす。これが、2010年1月の「トゥーランドット」。タイトルロール…

裾野は広いよねぇ。

最近、地元での色んな活動に首を突っ込み始めている、という話を、先日の日記に書きました。この週末も、女房ともども、地元を中心に活動していて、これがなかなか面白かった。付き合わされた娘は若干辟易しておりましたが。土曜日の夜は、府中の合唱団「麗…

ヴァランタンが守るものは?

先日、「ファウスト」の話を女房としていて、「そもそもなんだってマルガレーテはあんなに責められなきゃいけないんだろう?」という話になる。確かに、結婚してないのに妊娠した、というのはスキャンダルではあるだろうけど、あんなにヴァランタンにボロク…

ペース配分

週末、河口湖合宿の後の初めてのソリスト練習。ファウスト・メフィスト・ヴァランタンの熱い三重唱を中心に練習。河口湖合宿の宿のホールがすごく響く所だったので、ものすごく気持ちよく声が出た、ということもあり、そこで一つ、自分なりに納得できたフォ…

「ファウスト」についての濃ゆい会話

この三連休、例によってガレリア座の「ファウスト」の練習を重ねていまして、特に昨日は、午後・夜と連続してのソリスト練習。相当「濃い」時間を過ごしました。今回メフィスト役で共演するNさんは、芸大の現役学生で、声楽を専門に勉強している学生さん。…

外国語で歌うこと、日本語で歌うこと

普通の合唱をやっていると、ラテン語の曲とかドイツ語の曲をよく歌うわけですけど、我々ガレリア座、というのは非常に奇妙なことをやっていて、外国語の曲を日本語の訳詞で歌う、ということをやっている。以前、大野さんがオーチャードホールでやった「仮面…

日本語歌唱について最近よく考える

ガレリア座という所は、日本語でオペラやオペレッタを上演するので、日本語歌唱、ということにはすごく気を使うわけですけど、今回の「美しきエレーヌ」では、今まで以上に自分の中でそれを意識している気がしています。場数を踏んでいく中で、少なくとも頭…

大田文化の森合唱団のお手伝い〜プロとアマチュアの理想的なコラボレーション〜

最近どうも忙しさにかまけて、日記の更新がおろそかになっていて済みません。色々と書きたいネタは溜まっているのですが・・・特に、最近ちょっと読書ペースが上がっているので、最近読んだ本のタイトルだけ、ちょっと並べておきます。また感想文が書けたら…

多彩な音が一つになるのだ

音楽、特にオペラなんぞをやっていると、音楽と歌い手の感情とがしっくりシンクロした時に、ぞわっとするような感動が生まれる時があります。そういう音楽の持つ魔力のようなものを最大限に利用したのがナチス・ドイツで、それ以降、音楽の持つそういう陶酔…

ルチアーノさんが逝った

パバロッティさんの訃報に接して、なんだかものすごく寂しい気持ちになる。女房も、「なんだかすごくがっかりしちゃったよ・・・」と肩を落とす。71歳。奇しくも、辻正行先生が逝去されたのと同じ年齢。パバロッティさんのことを考えると、NHKのBSあたりで…

「ランメルモールのリュシー」〜どこまでも人間的な〜

先日、NHKハイビジョンで放送していた、「ランメルモールのリュシー」。ナタリー・デッセーがリュシー(ルチア)を演じていて、狂乱の場がとにかくものすごい、という噂を聞いていたので、早速録画。とりあえず、本放送で、ルチアの登場の場のアリアと、狂乱…

大野和士・プロフェッショナルふたたび

昨夜、NHKの「プロフェッショナル」で、再び大野和士さんが登場していましたね。茂木さんとの対談の未放送部分を取り上げた放送。漫画家の浦沢直樹さんのトークとのカップリング。このカップリングも中々面白かった。例によって女房と一緒に見ていて、例によ…

何によって圧倒するのか

先日、NHKの「プロフェッショナル」に、大野和士さんがご出演された回。残念ながら再放送も全て見逃してしまったのだけど、S弁護士が録画してくれていて、DVDを郵送してくれました。昨夜、早速女房と二人で見る。放送中、何度となく、女房と二人してぶんぶん…

団体演奏における個と全体の問題

昨日この日記に書いた、日本のオケの話で、S弁護士ご自身から、いくつかコメントが参りました。彼によれば、「弦楽器と管楽器では若干事情が異なるかもしれない」、とのこと。管楽器というのは基本的にソリストなので、第一奏者のソロ演奏が本当に「絶対」で…

オーケストラにおける鉄の規律/演奏するために集うのか、集うために演奏するのか

今日は、週末のS弁護士宅での音楽談義の中で、印象に残ったお話を紹介します。以前、この日記でも書いたのですが、ヤナーチェクの「利口な女狐の物語」を日生劇場に見に行った時、ボヘミア・オペラの時に感じた音の厚みをあまり感じなかった、という話になり…