オペレッタ通の小学1年生

週末、7月の蔵しっくこんさぁとの練習。例によって、参加者全員が、少しずつ背伸びした曲にチャレンジしているので、楽しい中にも、それなりの緊張感と、課題を次に残しての練習になりました。私が歌うのは、以下の曲。

・カールマン「モンマルトルのすみれ」から、「カランボリーナ・カランボレッタ」(合唱とソロ部分の1部)
ガレリア座の定番、シュトラウスの「ウィーン気質」から、「かわいい小鳩ちゃん」
・新宿オペレッタ劇場で爆笑させてもらった、オッフェンバックコミックソング東京証券取引所の歌」(これ、オッフェンバックの元のオペレッタの題名なんていうんだっけ?訳詞家さん、すみません、後で教えてくださいまし)
・カールマンの「マリツァ伯爵令嬢」から、「ハンガリーの娘は」
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」から、「お手をどうぞ」
ヴェルディの「椿姫」から、「プロヴァンスの海と陸」。

ヴァラエティに富んでいる…というか、例によっててんこ盛りのプログラムです。1つ1つの曲の全体の構成から、どこでアクセルを踏むのがいいのか、フレーズ感や、言葉の生かし方など、みんなしてワイワイと指摘しあいながらの数時間。大変なんだけど、この時間が楽しいよね。

自分にとっての難曲は、「東証の歌」と「プロヴァンス」なんだけど、意外と、マリツァの「ハンガリーの娘は」というチャルダッシュの曲が難しかったりする。シンプルなメロディーなので余計に、ハンガリーの血の熱さ、チャールダッシュの興奮みたいなところにつながっていかない。農耕民族のどんくさいリズム感に邪魔されてしまうんですね。踊りもつくし、これは大変だ。

プロヴァンス」は、内向的すぎる、というご指摘をいただきました。自分としてはすごくつらい音程で、声を最後まで温存させるためにすごく保守的に歌ったら、それはそれで内にこもっているみたいで全然面白くない、という話。もう少し能天気に出していった方がいいんだって。それから、イタリア語もへたっぴぃである。研究、研究。

今回、女房が歌うのが、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」の「今の歌声は(Una voce poco fa)」で、女房が色々とヴァリアンテの研究をしながら、相当苦労して取り組んでいます。以前、S弁護士からもらった、マリア・カラスパリ・オペラ座にデビューした時の映像を見ながら、「こんな超絶ヴァリアンテが出来るか!」と喚きつつ、一部トライしてみたりしておりました。最終的にどんな風に仕上がっていくか、今から楽しみ。

例によって、娘連れの練習。練習場の片隅で、パパに抱っこされたまま、曲に合わせてぶんぶん振り回されたり、娘はキャッキャと喜んでおりました。練習よりも、娘と遊ぶ方で汗かいたりして。でも、こうやって練習場に連れまわしていると、娘がどんどん、演目の曲を覚えていくんだよね。今回は、「うな ぼーちぇ ぽっこ ふぁー」と歌いながら、お尻をフリフリ踊っております。パパもママもそろって昇天。

娘に、「今まで覚えちゃったオペラやオペレッタの曲はなんだろうね?」と、昨夜、親子一緒にお風呂場で歌っておりました。「天国と地獄」の「ハエの二重唱」とか、カルメンの「闘牛士の歌」とか、結構上手に歌います。ガレリア座の娘の同級生のK君なんか、ガレリア座の曲をドレミ音階でがんがん歌っちゃったりするしねぇ。しかし、「モンマルトルのすみれ」だの、「乞食学生」だのを歌いまくっている小学1年生ってのは、かなり希少価値があると思うぞ。オペラ・オペレッタ通の小学生たち。

「乞食学生」の、オルレンドルフのワルツを上手に歌いながら、娘は、「Fちゃんも天国で歌ってるかなぁ」と呟きました。「乞食学生」のワルツ、幼稚園でお友達に教えてあげて、みんなで合唱したんだよね。幼稚園の先生が、「その曲なんていう曲?」って聞いて、みんなして、「『乞食学生』だよ!先生知らないの?」って言ったんです。先生が知ってたらパパが驚くよ。

その時、一緒に歌ったお友達の中に、天使になったFちゃんがいたのでした。まだ病気になる前のFちゃんとの、とっても大切な思い出です。音楽と一緒に、いつまでも覚えていようね。