何の役に立つんですか?

自宅PCと同じタイミングで、会社のPCも新しい端末に変わりました。先日の日記にLuther Osakeさんが書いてたように、家電ってのは壊れない、という印象があるけど、PCってのは「取り替えて当たり前」という感覚があるね。これだけ日進月歩で新しい機能を積んだ端末が出てるとなぁ。携帯ほどまでにはいかないけど。やっぱりすごくもったいない話のような気もするが。

で、先日、仕事で会社のPCから職場近辺の地図を確認していて、グーグルマップを検索してびっくり。日本地図が航空写真と重ね合わせて見えるようになったんだねぇ。グーグルアースがすごいのは(欠かさず見ている「タモリ倶楽部」で紹介されていたので)知ってたけど、普通の地図ページがこんなことになってるとは。航空写真の上で検索をかければ、該当する施設の場所をちゃんと示してくれるし・・・これはすごい。

早速、会社の近辺とか、関西にある自分の母校とか、航空写真で眺めてみる。車の一台一台まではっきり見えるんですねぇ。職場に北京出身の中国人のおばさまがいらっしゃるので、今度は世界地図から北京を呼び出して、拡大してみる。天安門近辺がくっきり見える。そのおばさまに、「どう、これ、すごいよねぇ」と見せたら、「ああ、これが紫禁城、これが新しくできたドームだねぇ」なんて言いながらしばらく眺めていて、「で、これが何の役に立つんですか?」

といわれると、思わずぐっと詰まってしまう。確かに、検索機能とかは便利かもしれんけど、地図上で検索してくれれば十分だよね。別に航空写真までは必要ないわな。航空写真もって道歩いてる人なんていないし。地図上で検索した建物が、空からどう見えるか、っていうのが、実際にその建物を探して歩く時にどれほど役に立つかしら・・・というと、確かに疑問符が並んじゃう。

ネットの地図検索、グーグルマップの航空写真チェック、というのは、一種、鉄道マニアの人がやっている時刻表上のバーチャル旅行に似ているところがある。時刻表上で、「おお、ここからこれに乗り換えると、こんなところまで一日でたどり着くのか!」なんてシミュレーションして楽しんでいるうちはまだ「バーチャル」で、これが、「じゃあ実際に行ってみよう」となるとリアルの世界に踏み込んでいく。リアルの世界に踏み込まないところで、バーチャル世界だけで楽しんでいるのを見ると、確かに、「それが(リアル世界において)何の役に立つんですか?」と聞きたくなっちゃうのも分からんでもない。

この言葉を発した方が、私よりも少し年上の、しかも現実主義的な中国人のおばさま、という側面も大きい気がする。でも、この日記で何度も言及している「リアルとバーチャル」の境界の話を、「何の役に立つんですか?」という言葉で一刀両断されたのがなんだか面白かった。バーチャル世界に没頭することには確かに批判的ではあるんだけど、バーチャル世界だけの楽しみってのは確かにある。役に立たないけど面白いことって、やっぱりたくさんあるよねぇ。「タモリ倶楽部」なんて、役に立たないことばっかりで番組作ってるからねぇ。