大船渡の漁業の灯を絶やさないために

やはり予想した通り、高齢化した大船渡の漁業関係者が、「もう続けられない」とコメントしているニュースがちらほらと入ってきています。

↓例えばこちら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000003-khk-l04

そりゃ無理ですよ。想像してみてください。このニュースに出てくる漁業関係者はみんな、60歳を超えている。私の親の年に近い人たちもいる。そんな人たちが、新たに莫大な借金を抱えて、無と化した漁業産業のインフラをイチから構築する、なんて力が残っているはずがない。

だから、結構真剣に、現在就活中の若者に呼びかけたい。大船渡で漁業をやってみないかい?

海の仕事はしんどいよ。確かに。でも、意外と収入レベルは高かったりするんだ。農業と兼業でやっていれば、東京でフリーターやっているよりもはるかに高収入が見込める。確かに自然相手だから、普通のサラリーマンよりはリスクは高いけど、東京でフリーターやってて突然クビ切られてホームレスになるリスクに比べたらどうだよ。パソコンの画面のバーチャルな世界じゃなく、自然から得られる充実感は、究極のリア充生活だと思うよ。こんな言い方は不謹慎だと分かっていてあえて言うけど、大船渡の漁業復興のために政府だって絶対お金を出す。そう考えれば、ひょっとしたらこれからものすごく期待の持てる産業かもしれない。

もちろん、立ち上げの間しばらくは、収入も期待できない。その間は、何らかの官製援助が必須です。でも、怖いのは、その立ち上げ期間の間に、今全てを失った高齢化した漁業関係者が持っている経験知が、ソフトが失われてしまうこと。いくら漁港や漁船といったインフラに補助を出しても、それを支える人の知識、手から手へ伝えられてきたノウハウの糸が途絶えてしまったら、これはもう取り返せない。

さらに言えば、こうやって後継者が全国から名乗りを上げて大船渡にやってきてくれれば、何もかもなくした高齢者の燃え尽き症候群を予防することができる。若い世代に自分のノウハウを一つでも引き継ごう、という意欲が、彼らの心を支えてくれる。

インフラの復興は官からの援助が多少期待できるとしても、産業の復興には人が必要。東京で自分の進むべき道を見失っている若い人たち、君たちの進むべき道は、三陸漁業だ。大船渡だけじゃない、釜石、気仙沼。いくらでも若い人を欲しがっている場所がある。君たちを必要としている人がいる。三陸の人の心はあったかくて、東京で荒んだ君たちの心を癒してくれるはず。ただし、体力と根性は必須だけどね。もし政府の援助が期待したほどじゃなかったら、政府に掛け合って助成金ぶんどってくるくらいのパワーも必要かも。