全滅とか壊滅とか簡単に言うな

2ちゃんねるのスレをちらっと見ていたら、3月11日のあの瞬間、大船渡を襲う津波の映像を流しながら、フジテレビの頭の悪いアナウンサーが、「大船渡全滅!」と叫んだらしく、大船渡市の4万人の市民が全員死んだのか、なんてスレが立ってた。さっき女房とスカイプしていて、女房が、「海外では、市街地が更地状態になってしまった陸前高田の映像と、原発のニュースを聞いて、原発近辺が陸前高田の状況になっている、と勘違いした人もいるみたい」といっていた。

全滅、とか、壊滅、とか簡単に言うな、と思う。確かに市街地のかなりの部分がこてんぱんに破壊されたのは事実。たくさんの人々の命が失われたのも事実。でも、大部分の人は生きている。津波への日ごろの備えが生きていて、高台にすぐ避難した人たちがちゃんと生きている。盛町には、腰あたりまで水がきて、サンリア近辺では商品が道に流れ出てプカプカ浮いてる、なんて状況になったそうだけど、盛町の人たちはみんな元気で、すぐに青年団が活動を開始、各戸の安否確認や避難所の割り振りなど、テキパキ仕事をこなしていたそうです。同じ大船渡市内でも、日頃市あたりでは電気も水道も生きている地域もあり、そこからの救援の手も差し伸べられているそうな。ただ、そういう無事なエリアと被害エリアを往復するガソリン不足が深刻らしいが。

確かに、大船渡の再建には大変な努力が必要です。大船渡の主産業は、太平洋セメントと、漁業と、観光。津波はその3つの主幹産業に甚大なダメージを与えました。これを本当に立て直せるのか、茫然としている現地の方々もいらっしゃると思います。だからこそ、官民あげての支援が必要。でも、何もかもが失われたわけじゃない。大船渡の商工会議所のおじさんたちは、復興に向けて意気盛んだそうです。人がいる。そして全国からの応援がある。全滅とか、壊滅とか、簡単に言わないでほしい。大船渡は滅んでなんかいないんだ。