某作曲家の著作を購入、かなり不愉快に

草むしりのあと、約束していた娘のおもちゃを買いに。そのついでに、本屋さんに寄って、ある日本人作曲家で、マザーグースを素材にした合唱曲などでちょっと親しみのある作曲家の著作が、新書版で出ているのを発見、面白そうだと思って購入。冒頭部分を少しだけ読んでみて、非常に不愉快になる。
あえて本の題名や、この作曲家の方の名前は伏せます。ちらちら、と読んだだけなので、全編がそうだとは思わないのですが、とにかく、自分をないがしろにした人々へのうらみつらみが延々と書かれている。自分と違う先生についた生徒さんへの非難、自分が出演していたTV番組のスタッフの悪口、自分の作曲したオペラを改変したプロデューサへの悪態、などなど。あんたが不愉快になる気持ちは分かるし、同情もするけど、それを本に書くことはないだろう。高田三郎先生の「水のいのち」批判とその分析に至っては、作曲家の意図を理解していないとしか思えない浅薄なもの。一度、大久保混声の「水のいのち」を聴いてみろ。
そこにあるのは、徹底的な自己正当化と、その自分を否定するもの、自分よりも優れた才能に対する、子供のように純粋な悪意です。要するに、自己批判・自己批評がないんですね。まぁ、そんなに自分を批判していたら、作曲なんて創造活動はできないのかもしれないが。この作曲家の作品自体も、さほど重厚なものではなく、非常に浅薄な作品が多いと思っていたのですが、著作にもそれが現れている感じがしました。この日記の中では、あんまり個人あての悪口は書かないのですが、しまった、こんなやつに印税入るような本を買ってしまった、という自戒の意味をこめて、ちょっと書いちゃった。