ライブがくれる出会い その2 ~ファンの優しさが奇跡の時間を生んだりする~

最近復活してきたライブ空間の中で、ライブっていうのは、パフォーマーとオーディエンスの出会いの場で、一期一会の空気を共有する大事な場だっていうのを改めて実感しているのだけど、先日参戦した@onefiveのリリースイベントで、本当に気持ちのいい出来事を目撃したんですよね。この日記ではその場に居合わせた幸せ含めて、記録に残しておきたいと思います。

@onefiveは、「推しが武道館に行ってくれたら死ぬ」に登場するアイドルグループCham Jamのメンバーとして出演、そのドラマ版、映画版の主題歌を担当。今回は、その映画の主題歌である「Chance」のCDリリースイベント、ということで、5月から6月にかけて、東京、大阪、名古屋の野外イベント会場でのリリースイベントを開催しています。その中で、6月4日のイオンモール幕張でのリリースイベントに参戦してきました。

こんな感じの野外ステージ。ミニライブの後に、メンバーから直接カレンダーを手渡してもらう特典会付きのイベントです。配られたカレンダーには、メンバーが裏にメッセージを記入しているものが2枚だけあり、それを受け取ったお二人は、4人と記念撮影を撮ることができる、というスペシャル特典付き。

天候にも恵まれて、ミニライブも素晴らしいパフォーマンスだったんだけど、そんな中で、一つとてもキュートな奇跡が起きました。間近に関わったfifthさん達のツイートとかをまとめると、こんな出来事だったようです。

7歳の女の子と、お父様の二人連れが、通りすがりに偶然、野外ステージの4人のパフォーマンスを見て、女の子がとっても興味を持ってくれた。CD1枚買えば、4人に直接お話ができる、と言われて、お父様が、「CD買う?」と聞いたら、お嬢様が1枚ほしい、と言ってくれたそうです。

CD1枚買って特典会の列に並んでいたら、「お渡し会にはマスクの着用をお願いします」とスタッフさんに言われた。お二人ともマスクを持ってきていなくて、諦めようか、と言っていたら、そばにいたfifth(@onefiveのファンネーム)の方が、「私予備のマスクを持ってますよ」と貸してくれたんだって。

小さな飛び入りのファンが並んでくれて4人も大喜びで声をかけてあげて、もらったカレンダーを持って女の子がニコニコと退場しようとしたら、fifthの方が、「ちょっと待って、当たってますよ!」と声をかけてあげた。

女の子の持っていたカレンダーの裏に、集合写真のスペシャル特典への当選を示す、メンバーのコメントが書かれていた。ご本人たちはそんなスペシャル特典があるなんて知らなくて、周りのfifthの人達に言われて驚愕。

その時に、周りのfifth連中が大喜びで拍手喝采して、他のfifthも気が付いた。飛び入りの女の子の幸運を祝福する拍手が会場一杯に鳴り響きました。この時の拍手は本当に温かくて、私もなんだか胸が熱くなったのだけど、幕張イベントの受け入れ先になった蔦屋幕張店のスタッフの方も強い印象持ってくれたみたいで、ツイートの中で言及されています。

 

4人に囲まれた記念写真を撮った女の子。好きなすみっコぐらしのキャラの話をしたり、「大きくなったら@onefiveに入ってね」なんて、4人にいっぱい声をかけてもらったそうで、そんな様子をスタッフさんが実況すると、また見守るfifthさん達は大喜びで拍手喝采。お家に帰ってから、もらったカレンダーを飾って、4人の絵を描いてくれたそうです。そのお父様のツイートが、またfifthさん達にリツイートされて、ネット上も温かい空気に包まれました。

 

こういう温かい奇跡を生み出せるのって、蔦屋さんもおっしゃるように、@onefiveのファンであるfifthの方々の温かさ、というのが直接の原因ではあるのだけど、そういうファンを呼び寄せている@onefiveというグループの魅力であり、このグループを生んださくら学院という学校の力なんだなぁ、って思います。

2019年、さくら学院の中学三年生だった時に結成された@onefive。4人のメンバーは、さくら学院の生徒、としても活動を続け、中学卒業と同時にさくら学院を卒業する、というグループのルールに従って、卒業公演の準備を進めていました。そこに襲ったコロナ禍により、パシフィコ横浜で開催される予定だった4人の卒業公演は中止、結局半年後の2020年8月、無観客の配信ライブ、という形で卒業。毎年開催されていた、卒業生の写真集お渡し会、という、ファンと直接交流できる唯一の機会も奪われてしまった、そんな4人です。

コロナ禍に翻弄された4人をさくら学院の頃から見守ってきた父兄(さくら学院のファンの呼称)さんからすると、今回のリリースイベントは、直接4人と声を交わせる初めての機会。もうさくら学院の生徒でもなく、@onefiveのファンネームも、父兄ではなくて「fifth」という名前に変わってしまっているけれど、でもひょっとしたら、さくら学院で実現しなかった父兄さん達との交流をメンバーが望んでくれたのかもしれない。そんな気持ちも含めて、このリリイベに臨んだ元父兄のfifthさんたちは沢山いたと思いますし、集合写真特典だって、あわよくば自分が、と誰もが思っていたと思う。

でも、やっぱりこういう野外イベントというのは、通りすがりの人達の目に触れて、新しいファンになってもらう、という大事な機会。そもそも、「推し武道」のドラマ出演で、推し武道界隈含めてグループのファン層が拡大、特に若い女性方のギャラリーが増えてきていて、そういう人たちにもアピールしたいイベントでもあったんだよね。古参の元父兄がのさばっているばかりじゃなくて、若いファン層を拡大したい。

他のアイドルさん界隈のことはよく知らないんだけど、さくら父兄って、推しを巡ってファン同士で争ったり、排他的でご新規さんを拒絶したり、ということがあんまりないんですよ。むしろ、若い女性のファン層が増えてファンベースが拡大することを望んでいるし、そこで変に古参ぶってマウント取ったりするのも潔しとしない感覚がある。@onefiveをきっかけにさくら学院という素晴らしい学校のことを知ってほしい、という思いはあるけど、とにかく一緒にこのグループを応援する仲間を増やしたい、という意識が強い。待ち行列で言葉を交わしたfifthさんとも、「若い女性が結構増えてきてていいですねー」と言葉を交わしたりしていました。

そんな中で、7歳の小さな女の子が、4人のお姉さんたちのことを大好きになってくれた。さくら父兄が多いfifthの人達にはそれが本当に嬉しかったんだと思うし、共にこの4人を応援してくれる小さな同志の加入を、心から祝福したんだと思うんですよね。

 

公式さんも祝福。

 

パフォーマーを育てるのはそのファンだし、ファンと共に作り上げる一期一会のライブ空間が、色んな奇跡や温かい時間を生み出して、それがまた新しいファンを増やしていく。パフォーマが温かいファンを集めて、そのファンの優しさが奇跡の時間を生み出して、それがまた笑顔の輪を、Ring Donutsのように優しい甘い時間の輪を作り出していく。そういう循環の中で、この子達の周りが笑顔で一杯になれば本当にいいなぁって思います。