8月28日のソロ・リサイタルの感想をば。

 一か月以上、このブログの更新さぼってました。すみません。インプットについていえば、推しのさくら学院について、あまりに衝撃的な大きな発表があって、全然頭の整理ができておらず、アウトプットについても、配信チャンネルのコンテンツ作りに結構手間がかかったり、と、なかなかこのブログの更新に向き合えずにおりました。

さくら学院については、まだ自分自身が何か語れる状態にないのと、もう少し運営の方針を見極めたい思いもあるので、少し時間をおいて語りたいと思っているのですが、自分のアウトプットについては、なるべく新鮮なうちに書き留めておいた方がいいか、と思います。なので、今日は、8月28日に新宿御苑のサロンで開催した、自分のソロ・リサイタルのことと、先日配信チャンネルにアップした朗読コンテンツのことを書こうか、と思います。ということで、まずは、ソロ・リサイタルのことを。

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ソロ・リサイタルの会場のマエストローラ音楽院。とても素敵な空間です。

 

8月28日に開催した今回のソロ・リサイタルは、本当は6月に開催する予定で準備を進めていたものでした。2019年に第一回を開催してちょっと味をしめてしまったソロ・リサイタルの二回目。サポートいただくピアニストの小澤佳奈さんと、ゲスト歌手として色を添えてくださる君島由美子さんの3人のチーム感の心地よさもあって、またやりたいね、と企画したのだけど、例によってコロナの影響で開催の目途が立たず。どうしようか、と思ったのですが、どこかで、集客とか採算性などを度外視できる我々みたいなアマチュアが、ライブに後ろ向きになってどうする、みたいな想いもあり、感染対策を様々ほどこす形で開催することとしました。

エストローラ音楽院は、通常だと40名弱、最大で50名のお客様を収容できるサロンですが、事前に会場とも相談し、キャパは10名に限定。お陰様で心優しい身内のお客様を中心にあっという間に席は埋まったのだけど、せっかくお客様の数が少ないのだから、逆にお客様とのコミュニケーションを一杯取りたいな、と考える。それに、そもそも自分自身、歌だけで一つのステージを構成できるような歌い手ではない、という自覚もあり、途中にクイズ大会なども絡めたバラエティ・ショウのような構成のステージにしました。

こういうステージ構成には実はもう一つこだわりもありました。そもそもプロのクラシック歌手であれば、「xxの歌う『冬の旅』」みたいな感じで、演目が事前に公表されていて、クラシックの定番であるこの曲をあの人が歌ったらどうなるだろう、とか、現在の最高のリート歌いである、この歌手のこの演奏をきかねば、といった、過去の名曲の解釈や歌手の個性を楽しもうというアプローチが普通だと思います。あるいは、誰かが発掘してきた名作曲家の隠れた名曲を取り上げる、といった、ある意味アカデミックなアプローチが普通だし、クラシックコンサートというのはそういう「知的」な場として規定されていることが多い。

でもねぇ、私みたいなアマチュア歌手のソロ・リサイタルで、いくらそんな「知的」なこと並べたところで、歌自体ヘボなわけですよ。いくら色んな蘊蓄総動員してトリビア的雑学並べてみたところで、ゲスト歌手や伴奏者にいくら助けてもらったところで、メインの歌手がヘボである以上、お客様の集中力を最後まで保つのは至難の業。とすれば、「今日は一体どんなコンサートになるのかな」「こいつはどんな舞台で俺たちを楽しませてくれるかな」というワクワク感みたいな所でお客様の気持ちをつないでいくことも考えないと、と。

なので、チラシにも演奏曲情報はほとんど記載しませんでしたし、当日は毎回配布しているパンフレット(演奏曲リスト記載)も配布せず、演奏曲は直前のMCで紹介するにとどめる形にしました。そういう点でやっぱり参考にしたのは、さくら学院やBABYMETALのイベントだったりするんですけどね。彼らの舞台って、当然のように当日のセトリは事前に公表されていないし、さくら学院の学院祭みたいなバラエティ的イベントは、途中の寸劇やコント含めた全体のプログラムも現場に行ってみないと分からない。でも、ライブってやっぱりそういう、「行ってみないと分からない」「何が起こるか分からない」というワクワク感が魅力だったりするんじゃないかな、などとちょっと偉そうに考えました。18世紀19世紀から300年に渡って受け継がれてきた名曲を現代に演奏するためには、「現代のxxオケが19世紀の作曲家のこの名曲をどう演奏するか」という、テキストに対する解釈を味わうアカデミックなアプローチが必須だとは思うのだけど、そのあたりはクラシックのプロの舞台に任せておこうかな、と。

クイズ大会もそうですし、歌謡曲やミュージカルなど、自分の歌いたい歌を、「旅」というキーワードでまとめたごった煮的な演奏会で、ソロ・リサイタルというか、ドサ周りの演歌歌手の宴会芸みたいな側面もあったかな、とは思いますが、自分なりに目指したのは、「一瞬でもいいから、『この曲いいな、かっこいいな』と思ってもらえる瞬間を届けられたら」という思いでした。お笑いコントや宴会芸みたいな「バッタモン」の舞台の中にも、瞬間、本物のミューズが舞い降りる瞬間があるかもしれない。そういう瞬間が少しでも届けられるように、なんとか楽曲の魅力に辿り着きたい、という思い。

当日いらっしゃったお客様にどれだけそんな思いが届けられたかは分かりませんが、とりあえず、この演奏会の模様は、後述するYouTubeチャンネルで公開する予定です。その動画見ながら、皆さんで、「言ってることとやってることが全然違うなぁ」などと、心で罵倒していただければ幸いでございます。あ、面と向かって直接罵倒するのは勘弁してね。かなり心弱いので。すぐ心折れちゃうから。やめて許してお願い。

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心優しいお客様との終演後の記念写真。出演者の美女二人に挟まれているのはクイズ大会の優勝者。おめでとうございました。皆様とまた楽しい時間を過ごせたら嬉しいです。