JCDA合唱の祭典2013〜合唱人口を支えてきたNHKコンクール〜

土曜日、北とぴあで開催された、JCDA合唱の祭典2013に、合唱団「麗鳴」の一員として参加してきました。日野市立七生緑小学校から、松原混声合唱団まで、11の団体が参加したイベント。祝80回!Nコン名曲コンサート、というお題で、戦前から続くNHK音楽コンクールの課題曲として作曲された名曲を次々に歌いつないでいく企画。日本の合唱人口を支える一つの仕組みとして、Nコンが果たしてきた役割、のようなものを体感したイベントになりました。

麗鳴として歌ったのは、以前にもこの日記に書いた、「僕が守る」と、「みぞれ」。北とぴあの舞台は声が客席に飛びやすく、歌っていてとても気持ちもよかったし、舞台本番に必ず出てくる、本番になって初めて発見される表現、というのもありました。特に「みぞれ」は、フレーズに対する自分なりの答、みたいなものが一瞬見える瞬間があったりした。その一方で、練習ではできていたはずのところができない、というミスもたくさんありました。やっぱり歌詞がしっかりついていかないのと、ブレスがどうにも下手くそなんだよねー。今回歌った曲は、8月末の「麗鳴」の定期演奏会でも歌う予定なので、その時には何とかリベンジできたらいいなと思います。

それぞれの団体が歌う曲を舞台裏で聞いていると、麗鳴の団員さんが、「これ、僕が中学校の頃の課題曲です」とおっしゃる。司会をされた藤原規生先生も、リハーサルの「みぞれ」を聞いて、自分が学生の頃の課題曲でした、とおっしゃっていました。そうやって今の合唱人口を構成している人たちの多くが、学生時代にこのコンクールの課題曲を歌った経験がある。舞台に乗ったほかの団体さんとの間でも、「僕もこの歌を歌ったんですよ」という話で盛り上がる。全国の学生たちを一つの歌がつないでいく、その仕組み自体にひょっとしたら賛否もあるかもしれないけれど、間違いなく、現在の合唱人口を支えている仕組みだなぁ、と思いました。

冒頭とラストには、360人を超える出演者全員が舞台上にそろって歌う全体合唱があり、客席のお客様も楽譜を持ってともに歌う。第一部の最後の「気球に乗ってどこまでも」では、客席からも大きな手拍子がおこり、この手拍子がまた上手。お客様も合唱経験者が多いんですね。客席で聴いていた女房の斜め前では、すべての曲を全身で指揮していたおじさんがいたそうです。すごいね。最後の全体合唱では、「信じる」「聞こえる」を作曲者の松下耕先生と新実徳英先生が自ら指揮され、作曲者の思いのこもったご指導も面白かった。松下先生が、「『信じる』のメロディは新宿行の京王線に乗っている時に天から降ってきた」、とおっしゃっていたのも裏話っぽくて面白かったです。新実先生が、「『聞こえる』のピアノ伴奏に第九のメロディーを入れてあるんです」と、にやっとしながらおっしゃっていたのも面白かった。冒頭の全体合唱「花のまわりで」では、緞帳が閉まった状態でスタンバイだったので、本番照明の天火にじりじり焼かれて蒸し風呂状態が大変だったけど。緞帳が上がると客席から涼しい風がさあっと入ってきて心地よかったなぁ。それにしても、全体合唱の後ろで歌っていた松原混声の方々の声はすごかったなぁ。上手な人が後ろで歌っていると、自分も上手になった気分で歌えるからいいよね。


緞帳後ろでのスタンバイ。でも楽しかったです。