今年の娘のバースディ・ディナー

今日は娘と二人で上野の東京都美術館へ。ニューヨークにいた頃さんざん通ったメトロポリタン美術館展を見に行く。建物の中にエジプトの神殿やら19世紀の家やらが建っている、という広大なメトロポリタン美術館をそのまま東京に持ってくることができるわけもなく、いつもの日本の美術展覧会(二層三層になった人の列の間から目当ての展示品に切り込んでいく)ではありましたが、ニューヨークにいた頃に見た懐かしい作品のいくつかに再会できて、娘ともども何となく嬉しかった。私にしても娘にしても、ニューヨークでの生活にはしんどいことも多かったし、大変なこともたくさんあったんですが、今となってはどれも楽しい思い出。メトロポリタン美術館は、そんな楽しい思い出の一つだったりします。ミュージアムショップに並んだニューヨークグッズを眺めながら、娘と一緒に、また行きたいねぇ、と話しておりました。

意外とするすると展覧会を見終えて、ちょっと時間が余ったね、と、銀座のヤマハに行ってみたり、新宿の紀伊国屋に寄ってみたり、と、親子で都内をぶらつく。娘は学校のオーケストラでチェロを弾いているので、ヤマハに並んだチェロを眺めながら、自分のチェロが欲しいなぁ、とつぶやいておりました。まずは部屋を整理して、チェロの置き場所を確保したらね。

新宿の紀伊国屋では、裏手のアドホック店で、最近娘がはまっている「となりの怪物くん」を買う。パパも借りて1巻から読みだす。昔はドイツやらアメリカやらに場所を移して、どこか生々しさを薄めながら展開していた青春人間ドラマが、日本の普通の高校を舞台にして、しっかりリアルに描かれている。結構深い言葉や、胸に刺さる言葉があって、やっぱり今の日本の文化の最先端って、マンガなのかもなぁ、と思う。

家に帰ると、病が癒えた女房が、恒例になった娘のバースディ・ディナーを用意しておりました。ここ2年は、日米に離れ離れで過ごしたから、家族3人でそろったバースディ・ディナーは3年ぶり。女房も力が入っていて、とても美味しい出来に仕上がりました。


全体のテーブルのしつらえ


冷前菜「マグロとアボガドのタルタル、黄金卵(うずら卵の醤油漬け)添え」


温前菜「カニのロワイヤル」(洋風茶碗蒸し。土鍋で蒸しているのでふわふわとろとろ)


メインディッシュ「牛すね肉ワイン煮、ブルゴーニュ風」


デザートは、調布の名店「スリジェ」のケーキ

小さかった娘はずんずん大きくなって、ショートカットで邪魔くさそうにしているものだから、学校ではイケメン呼ばわりされているそうな。昔は自分が自己投影していた年齢の主人公たちが心の行き違いに悩む「となりの怪物くん」を読みながら、なんだか視点はすっかり保護者の側です。雫とうちゃん頑張れ〜、みたいな。