I did not feel it!

今日はマンハッタンでお客様訪問があり、Seaportというイーストリバー沿いにあるお客様のビルの前で待ち合わせ。ぼんやり立っていたら、隣に立っていたお兄さんが突然、「Did you feel it?」と言ってくる。「?」と首を傾げたら、「Earthquake!」と言う。はぁ?全然感じなかったので、「No, I didn't!」と答えながら、半信半疑でいたら、待ち合わせのビルの中から次々人々が飛び出してくる。「揺れたわよねぇ」「怖かったねぇ」なんて言いながらぞろぞろ出てくる。歩道よりも、やはり高層ビルの上層階の方が揺れたようです。歩道からビルを見上げる人がいるのは、地震ではなくて、ビルでテロか何かが起こったことを疑う人たちでしょうか。周辺のビルからも人が続々と出てきて、歩道はたちまち人であふれていく。

待ち合わせた人が、「歩道じゅうがビルから避難した人で埋まってて進めやしないよ」と言いながらやってくる。あのねぇ、歩いている人が体感できない程度の地震で大騒ぎするんじゃないよ、と、日本人の私は妙な優越感に浸る。ビルの受付に行ってみれば、受付のおじさんが、「君たち、中に入れるわけにはいかないよ、安全の保証ができないからね」と喚きだす。いいから、アポイントをもらっている会社の人に連絡してくれよ、と言ったら、やっと電話してくれて、中に入っていいよ、と。

丁度娘の小学校に行っていた女房は、多少揺れを体感したらしく、「なんか少し揺れたんだけど、校舎が古くて椅子がきしんでるのかと思った」とのこと。こちらでは、日本で言うところの「震度1」とかいう指標がなく、マグニチュードだけの発表なのですが、NY近辺はおそらく震度1か2程度だと思います。でも、夜のTVのニュースなどを見ると、ワシントンあたりでは相当揺れたみたいで、教会の尖塔が折れたり、レンガの壁が崩れたり、コンビニの商品棚から商品が崩れ落ちたり、といった被害があったようです。とすると、ワシントンあたりはさすがに震度3〜4くらいは揺れたのかも。しかしそれが震度のせいなのか、それとももともとちょっと揺れたらがらがら崩れるような商品の積み方をしているせいなのか、というのが不分明なところが、東海岸らしいところか。

東海岸では67年ぶりの規模、とのことで、震源も浅く、地球全体でのプレートの動きに変化があったとか、そういう大きな話ではないようです。それにしても、東海岸の都市が、地震ということに対する備えがないことを改めて感じました。それは建物の構造というハードウェアの部分でもそうなのだけど、人の心、という部分でもそう。オレは日本人だからこの程度の地震には慣れっこなんだ、と胸をはりつつ、なんか変な優越感だなぁ、と思う。女房が見つけたネット上の感想では、「なんか、残業自慢のオヤジみたいだなぁ」とのこと。確かに。