久しぶりの時差ぼけ出張

先週1週間、米国に出張に行ってきました。以前は仕事の関係でよく北米・南米に出張していたのですが、今回は本当に久しぶり。久しぶりといいながら、初めての経験も多く、日記のねたには困らない旅でした。5連休をつぶしての仕事だったので、娘と女房にはかなりブーイングを食らいましたが。

昔よく北南米に出張していた時には、さほど時差ボケには悩まされなかったのです。割と日ごろから不規則な生活をしていたこともあるだろうけど、何より若かったんだね。45歳近くになって、久しぶりに行ってみれば、昼夜時間帯が逆転しているのが辛い辛い。日中は仕事で緊張しているからいいんですが、夜、ホテルで寝ていると、1〜2時間おきに目が覚めてしまう。中々熟睡ができない。帰国後も、12時間近く眠ってしまうと思えば、全然寝付けなかったり、どうも体調が復活しない。世界飛び回っているエグゼクティブの方々ってのは、鍛え方が違うのかねぇ。ついていけないなぁ。

今回初めての経験だったのは、まずJALで往復したこと。いつもはANAだったし、マイレージもANAに入っているのだけど、チケットの手配の関係で今回はJAL。正直言うと、やっぱりANAの方がよかったなぁ。JALだと飛行機が古くて、機内映画がオンデマンドじゃない。何より、機内食が断然ANAの方がおいしい。帰国便に出てきたカレーが露骨にタイ米で、それももうちょっと上手に料理できるだろうに、と思うような味のない米で、かなりがっくりしてしまった。これでは経営悪化するはずだわ。

次の初体験は、西海岸に行ったこと。北米には何度も出張しているのですけど、全部東海岸だったんです。今回、ロスとデンバーとNYの3都市に行ったのですけど、それぞれに特徴があって面白かった。

ロスに行ったのは初めてだったんですが、空港から走っていく窓の外の光景からして、自分が昔よく見た南米の景色にすごく重なる感じがありました。空気が乾燥している、というのもあるのだけど、中南米の雰囲気がすごくする。泊まったホテルのレストランのウェイトレスさんがメキシコなまりの英語を喋り、空港や街中の至る所にスペイン語の表示がある。最近の米国で最も人口が多いのはヒスパニックだ、という話を聞いてはいましたが、ロスではそれを強く感じました。夜、みんなで食事に行ったお店もメキシコ料理の店。メキシコ料理なんか、タコスくらいしか知らなかったけど、どのお料理もすごくおいしかったです。

デンバーでは、空港から降り立ってまず、その寒さに驚く。ロスは、日中がすごく天気がよくて、夕方から霧がでて急に寒くなる、という天候が一年中続くそうですが、デンバーは逆に、天候が安定しないので有名なんだそうです。私が行った日の2日前には雪も降った、とのこと。タクシーの運転手さんや、会合相手の会社の人から聞いた話だと、

デンバーで雪が降らないのは8月だけ」(実際、昨年は7月に雪が降ったそうな)

デンバーに行くときは、Tシャツとセーターとジャケットとゴルフクラブを持って行けって言われるんだよ」

とのことでした。

さらに印象的だったのは、空港から街に向かって走る道路の周囲が、見渡す限り何一つない荒涼とした原野だったこと。とにかく茶色い枯葉の草原が延々と続いている。ひょっとして、いわゆる「レッド・アメリカ」の心象風景って、こういう何一つない原野や砂漠の光景なのかもしれないな、とふと思いました。

デンバーからNYに入ると、本当に都会に来た、という感じがします。とにかく土の匂いが全くしない感じ。ちょうど国連ウィークで、オバマさんが通るというので、朝からレキシントン通りがNYPDの警官で埋め尽くされていたり、デンバーの荒地から見ると別世界。

さらにちょっと面白かったのは、泊まったホテルがイタリア系のホテルだったこともあって、NYってイタリアっぽいのかなぁ、という感じがしたこと。別に根拠なんか全然ないんだけど、ロスがヒスパニックが強い地域だとすれば、NYってのは同じラテン系でもイタリア色の方が強いのかも、なんて思いました。

こうやって見ると、米国、と一くくりにしても、都市によって全く文化も気候も違う。たぶん人種や言葉も違う。日本のように、どの都会に行っても均質化した文化があり、どの地方都市に行ってもある程度平均化された暮らしがある国っていうのは、やっぱり珍しいんだなぁ、と改めて思いました。