東京はやっぱすごいわ

まだ東京にいるんですが、やっぱりすごい街だなぁ、と思います。女房が言ってたのだけど、誰かが、最近の若者の海外志向の低下を嘆く人たちに対して、「でも、東京以上に刺激的な街なんて海外にないよ」と言ったそうな。実際その通りで、例えばニューヨークに、世界中のオペラハウスが引越し公演に来るか、というとそんなことはない。METは確かに世界随一のオペラハウスだけど、逆に言えばMETしかない。でも東京にいれば、METも来るしスカラも来るしフェニーチェも来るしウィーンも来るしヴェローナも来る。みんな来る。こんな都市、世界的に見ても多分ほとんどない。

前の日記にも書いたけど、結果として、東京に集まってくるパフォーマの質も量も、極めて高い。アマチュア団体のパフォーマンスの質がこんなに高いのも、プロのパフォーマンスの質が高いから。結局、刺激的なインプットに触れようと思ったら、東京にいるのが一番いい。

しかもこの住みやすさ。円高で多少デフレの恩恵が消えたとはいえ、世界に冠たる流通機構と品質維持活動に支えられた高品質で豊富な物資。今世界中で、円を持っているのが一番いいのと同じように、東京にいるのが一番いいんです。

でもね、じゃぁ、若者はみんな東京で学べばいいか、というと、やっぱりどこかで、全く違う文化、全く違う生活圏で生活する機会を持った方がいいとは思うんだよ。肌で、空気で感じる異文化や異なる言語空間というのは、東京で味わう各種の疑似体験からは決して得られないし、そういうものに触れて初めて見えてくるものって一杯ある。そういう意味では、今、米国で生活している自分、というのは、稀有な体験をさせてもらっているな、と思うし、子供にそういう経験をさせてあげられる、というのはありがたいことだと思う。

でもやっぱり思うことは、日本人はもっと東京という街を誇りに思うべきだし、卑下することは決してない、ということ。これだけ素晴らしい街を作り上げたことは、本当にすごいことだと思います。もちろん100点満点の街ではないし、ストレスフルな街だとは思うけどさ。それでも、やっぱりすごい街だよ。

・・・と思いつつ、東京に戻ってきて、最近テキメンに出てきたのが、花粉症。アメリカではほとんど発症していなかったのに、東京にきたら急に喉の腫れと鼻水に苦しんでおります。世界一の街に住むには、ストレスその他、色んな犠牲を払う必要があるってことだね。