でっかい

しばらくご無沙汰しておりますが、元気に仕事しています。仕事が恐ろしく忙しく、仕事以外のことをあまりしていません。心配した通り、家と会社と近所のスーパの3点で生活が完結している簡潔な日々です。こうして次第に胴回りが太くなってくるのだろうな。ヤバイなぁ。

東京はやっと涼しくなったそうですが、こちらは2週間ほど前からいい気候になってきており、とても過ごしやすいです。朝晩は寒いくらい。ニューヨークの一番いい季節は秋だ、というのはみんな一致して言うことなのだけど、紅葉はまさにこれから。どんな景色になってくるのか。今から楽しみ。

先日は、大学時代の合唱団の同期(某都市銀行から某証券会社勤務)が出張ついでに声をかけてくれて、一緒にマンハッタンで食事。Ben Benson Steak Houseというステーキ屋さんに行きました。フィレ肉を頼んだのだけど、日本で食べるのの3倍くらいはある。腹減ってたのでぺろっと食べちゃったけど、翌日胃にもたれたところで年齢を感じたなぁ。

ステーキその他、食事の量の多さ、でっかさには段々慣れてきていて、日ごろ行っているスーパーで、2キロくらいの肉の塊がごろごろ転がっていてもあんまり驚かなくなってきたのだけど、それでもこの国のでっかさには時々度肝を抜かれることがあります。昨日は、ニュージャージからニューヨークにかけて、夕方に激しい雷雨が到来、小さな竜巻も発生しました。会社の同僚がちょうどその頃、ハイウェイを走っている車に乗っていて、窓の外を見たら、アメリカでよく見かける巨大なトレーラーが完全に横倒しになっていたそうな。携帯で撮った動画を見せてもらったのだけど、こちらのトレーラーは日本のトレーラの1.5倍くらいありますから、ただ横倒しになっているだけでかなりの迫力。このトレーラーを横倒しにする竜巻ってのもすごいけど。

でっかいといえば、また別のお話。マンハッタンのダウンタウン、ウォールストリートをさらに南に下ると、バッテリーパークの手前、ブロードウェイの真ん中に、でっかいブロンズの牛が、ウォール街をにらみつけています。1989年に、証券不況を吹き飛ばせ、と作られた「Charging Bull」という牛の像で、NYの観光名所のひとつ。いつも観光客がこの牛に群がって、ポーズをとったり、乗ったりして騒いでいます。

先日の朝、この牛の近くを歩いていたら、牛が二頭に増えている。なんじゃ、と思ってみると、増えた方の牛は、足が折れて中身がはみ出していたり、下半身だけだったり、かなりヒサンな状態になっている。ひょっとして牛が壊れて、スペアの牛(そんなもん用意してあるんか?)が持ってこられたのかな、と、不思議に思いつつその場は立ち去る。

夕方になって再びその近くを歩いていると、今度はでっかいクレーンが設置され、人だかりやら交通整理の警官が出ていて、ライトやらカメラやら、色んな撮影機材が集まっている。何事か、と思えば、朝方増えていた壊れた牛の下半身が、どこかで見たような派手な黒い車の屋根の上に乗せられている。この車は、と思ってよく見れば、バットマンバットモービルでした。要するに、朝から、バットモービルがこの牛に突っ込んで牛をぶっ壊してしまう、という場面を撮影するために、ずっと準備をしていたのだね。

ニューヨークは、市内での映画撮影に協力的であることで有名なので、マンハッタンを歩いていると、時々映画の撮影現場に出くわします。しかしこんな大掛かりな現場を見たのは初めて。やることなすことイチイチでっかいなぁ、と思います。日本でだったら間違いなくCGでごまかしちゃうよねぇ。誰か、浅草のウンコビルに鉄人28号が突っ込む、なんてロケ撮影やってくれないかなぁ。ウンコビルって言うのは失礼だぞ。あれはスーパードライホールといって、あの物体はフラムドールという炎のオブジェだそうだ。知らなかったなぁ。何の話だ。