METライブビューイング「トゥーランドット」

日曜日もぼんやりTVを見ていたら(あ、いや、そんなに引きこもっているわけじゃなくて、ちゃんと外出もしてるんですよ。)、METのライブビュージングの録画を放送していたのに出くわす。これが、2010年1月の「トゥーランドット」。タイトルロールはマリア・グレギナ。カラフがマルチェッロ・ジョルダーニ。リュー役のマリーナ・ポプラフスカヤが、繊細で可憐なリューで結構泣かされたのだけど、なんといってもグレギナが素晴らしかった。まさに王女、という貫禄の立ち姿から、愛の尊さを知って女性として目覚める幕切れのはかなさ、麗しさ。そういう女性としての変化を表現しきって圧倒。これはいつかMETに行ってDVDを購入せねば。

ライブ・ビューイングでは、幕間に、オペラ歌手がナビゲーターになって、ソリストにインタビューしたりします。今回のナビゲータはパトリシア・ラセット。グレギナが、「トゥーランドットは嫌われ役だからねぇ」なんて言いながら、「今ミュンヘンに息子がいるのよ。ミュンヘンのみなさん、楽しんでねー」なんてカメラに向かって手を振ったりする。ゼフィレッリの豪華絢爛な舞台を真上から見下ろすカメラアングルも楽しい。

ラセットさんがインタビューしたのは、グレギナさんと、ジョルダーニさんと、もう一人、チャールズ・アンソニーという方で、今回の舞台では皇帝役を務めていた方。御年80歳、1954年からMETの舞台に立ち続け、3000公演近い舞台を一度も休まずに務め上げている、ということで、往年の名歌手との共演の思い出を楽しそうに話してらっしゃいました。確か、ガレリア座で「仮面舞踏会」をやった時に参考にした、パバロッティの出ていたMETの「仮面舞踏会」にも出演されていたと思う。こういう人がいるっていうのも、METの舞台のクオリティを支えている気がするね。