爬虫類化と、種としての日本人

テレビを見ていて最近思うんだけど、最近の流行の男優さんたちってのは爬虫類系が多くないかね?妙に体温が低いというか、つるん、とした感触のする人が多い気がするんだけど。

昔、いい男、といえば、犬、と相場は決まっていて、大島渚監督も、「いい男優は犬、いい女優は猫」と言い切っていた。だけど今は犬は流行らないんだろうね。暑苦しいし汗臭い。典型的な犬系俳優の阿部寛さんも、沢村一樹さんも、バラエティの世界とNHKの時代劇に生きる場所を見つけるしかない。SMAPなんか、ひょっとして最後の「犬系」アイドル集団なのかもしれないなぁ。

「犬系」の暑苦しさや、体温とか体臭とか、そういった「生物臭さ」みたいなものを敬遠する時代のベクトルが、背景にあるような気もするんですね。「生身」のコミュニケーションを回避してメールや携帯に流れる傾向もそうだし、体温も体臭も体重もないアバターに自己投影して、夢中になってアイテムをかき集める人々にも、「生物」としての自己からの逃避、という傾向が見える気がする。これって、日本人という民族自体の生命力が次第に失われていっている証左なんじゃないかな、という気もしますよね。少子化の議論の中には、そういう「生物としての『日本人』が絶滅に向かっているのでは」という議論もあるそうですし。

誰かが、最近のすぐ「キレ」る子供たちの精神構造の背景には、定常的に食品添加物を摂取し続けている現代の食生活があるのではないか、なんてことを言っていた。現代日本というのは、少量の食品添加物を摂取し続けると、人類という種がどのように変化していくか、という、壮大な実験を行っている場だ、という人もいたなぁ。もしそういう生活環境が、「生物」らしさを失っていく日本人という種の将来に影響しているとしたら、怖い話だよね。

最近、また、プランターでの野菜栽培に力を入れ始めています。裏庭にプランターを置いて色々作っていたんですが、北側の庭なので、どうしても日照が確保できず、発芽してもすぐに全滅、というのを繰り返しておりました。思い切って、南側に向いている2階のベランダにプランターを移動。夜寝る前に、パジャマ姿でベランダに出てお世話をする、なんてことも楽にできるようになった。日差しがあたると生育状況も全然違って、この秋から冬にかけて、水菜やほうれん草、ラディッシュなど、次々に収穫しております。

でも、野菜が全然育たない日差しのない裏庭でも、プランターには大量の雑草が生い茂ったりするんです。雑草の生命力にはいつも驚嘆するんだけど、逆に言えば、人間が品種改良を重ねて開発した美味しい野菜たちの生命力のなさにも驚く。人手をきちんとかけて丁寧にお世話してあげないと、あっという間に虫がついたり、雑草に栄養を取られて枯れてしまったりします。そういうひよわな野菜たちが、生命力を感じない最近の日本人に重なって見えたりするんだなぁ。

先日、青森に住んでいる親戚と話をしていて、「ひょっとしたら、神様が、日本民族を滅亡させよう、あるいは淘汰しようと考えているのかもね」という話をしていました。便利で暮らしやすい環境の整った東京に大量の日本人を集中させる。そういう温室みたいな環境でしか生きられないように散々甘やかした挙句に、関東大震災を起こして一気に殲滅する。コンビニの便利さに慣れてしまった東京人が、巨大な災厄の下でどこまで生き延びられるか。動物園で人工授精でしか繁殖できない希少動物たちのように、種としての生存本能を失った「東京種」の日本人が壊滅した後には、「地方種」の日本人が一気に台頭してくるのかもしれませんね。