みんなほんとによい子たちだよ

週末は例によって盛りだくさん。土曜日、娘の運動会があり、夜は女房が合唱コンクールの都大会、私はガレリア座の一人ソリスト練習。日曜日は朝から仕事(T^T)で、午後にはGAGの通し練習、夜は10月4日の「あけぼのフェスタ」の練習・・・こう見ると、ものすごいスケジュールだね。会社で仕事しているよりも詰まってるじゃん。

娘の運動会の感想は最後に書くとして、ガレリア座ソリスト練習では、これが自分の苦手な音型だ、というのがはっきり分かって、これを克服していけばいい、と分かって、分かったんだけど、苦手ってのは克服できないから苦手なわけで、あーあって感じです。それにしても、指揮者のNくん(男)、ピアニストのEさん(男)、私(男)、という3人男ばかりのコンパクト(かつむさくるしい)状態で、3時間歌いっぱなし、というのはなかなかに厳しい練習でございました。

自分なりに、非常に楽に声が伸びるポジションがあって、時々偶然にそれがつかめる時があるんだけど、中々定着しない。自分のコントロール下に置くことが出来ない。音楽的なことを語る以前の問題として、フォームをいかに定着させるか、が、今回の第一の課題になりそうです。非常にやりがいのあるカッコイイ曲ばっかりなので、来年6月まで、みっちり頑張りたいと思います。

日曜日のGAGの通し練習は、時々危機的な場所があったりしたけど、なんとか大破綻することはなく、最後まで持っていくことができました。まだまだセリフが危ない部分が一杯あるので、出張中の飛行機の中で、もう一度台本を読み返さないと。頑張りますので、お暇な方は、10月13日(月・祝)15時、調布市文化会館たづくりの8階、映像シアターまで、足をお運びくださいませ。

日曜日の夜の「あけぼのフェスタ」というのは、前にこの日記に書いた、新宿区の住吉町生涯学習館のお祭りのこと。ガレリア座としてこのイベントに参加することになって、有志で練習しているのだけど、少し演出に手を入れたり、練習回数の少なかったナンバーをみっちり練習したり、密度の濃い時間を過ごしました。10月4日(土)15時から、曙橋の近くの住吉町生涯学習館のレクホールで開催しますので、お暇な方は是非お立ち寄りください。(なんか、宣伝ばっかだね)

最後に、土曜日にあった娘の運動会のこと。このところ雨の多い天候の中で、ぽっかり天気のよい週末で、おかげでパパは泣いた赤鬼のような真っ赤な顔に日焼けしてしまいました。毎年のこういうイベントでは、子供の成長に目を見張ることが多いのだけど、娘の小学校のような小さな学校(1学年40名弱)だと、上級生の子供たちにも顔見知りの子が結構いて、そういう子たちの活躍を見るのも面白い。卒業生参加のリレーに、去年の卒業生の凛々しいお姉さんが出場して、目の覚めるような快走を見せたり(当然、在校生も彼女のことを知っているから、応援も力が入ります)、毎年大活躍するスポーツ万能の子が今年も選抜リレーで出場していたり。そういう家族的な雰囲気が好きで、この学校を選んだのだけど、今年はそういう思いがより強くする出来事がありました。

六年生の障害物競走で、小さなゴールにサッカーボールを蹴りこんでから、次の障害に向かう、という課題があって、T君という男の子が、ゴールを外した。T君は私の娘の同級生のお兄さんで、私も言葉を交わしたことのある、とってもいいお兄さんなんだけど、もう一度ボールを置いて蹴っても外れる。他の子たちはもうすっかり、次のタイヤ転がしの障害をクリアして、次々に完走していく。もう一度蹴る。でも入らない。どうしても要領がつかめない。

他の子たちが全員完走しても、T君はまだボールを蹴っている。みんなハラハラ見ている。やっとボールがゴールに飛び込み、グランド中が大拍手。タイヤを転がしながら、一人ぽっちでゴールに向かう。場内アナウンスの先生も、「T君ガンバレ!」と声をかける。最後まであきらめないで完走したら、グランド中でまた大拍手。でも、やっぱり悔しいし、恥ずかしいよね。T君はゴールしてから、我慢できずに泣き出しちゃった。でも六年生だもん、男の子だもん、大声出して泣くわけにもいかない。一生懸命我慢しながら、それでも我慢できなくて、最下位の旗の列にしゃがみこんで、顔を膝に埋めてグスグス泣いてた。

そしたら、同級生の一人が、すっとT君のそばに寄って、その背中をさすり始めた。全員が競技を終えて、さあ退場だ、となっても、T君はしゃがみこんで立ち上がれない。そしたら数人の同級生が、T君をかこんで、両脇を抱えるようにして立ち上がらせて、何か慰めるような言葉をかけながらみんなで退場していった。

指差して嘲笑ったりする子もいない。何やってるんだと罵る子もいない。全員が無視して立ち去って、フォローするのは先生だけ、なんてこともない。最後まで競技を投げ出さないで完走して、それでも恥ずかしくて恥ずかしくて泣いちゃったT君の気持ちを、みんなちゃんと分かってる。分かってて、ちゃんと支えてあげようとしている。

やっぱり、この小学校に娘を入れてよかったなぁ、と思いました。プールもない、体育館もない、給食もない、中高一貫の内部進学もない。ないない尽くしの小さな小学校だけど、子供たちがちゃんと思いやりの気持ちを身につけることができる学校。それより大事なことなんかないよねぇ。