コウモリくんの次は・・・

私の住んでいる調布という所は、それなりに緑や畑が多くて、多少田舎っぽい風情が残っている、という話を、以前からこの日記に書いています。おかげで家の中にコウモリのキーキくんが飛び込んできたりするわけだけど。女房もそうだけど、私も、子供の頃からそれなりに街中で暮らしていたのと、あんまりアウトドア派ではなかったので、虫や動物を捕まえた、という経験があんまりない。私の兄は結構アウトドア派だったので、近所の池でカメ捕ってきたり、かいつぶりを捕まえたり、色んな動物を家に持って帰ってきて、よくお袋に怒られてましたが。うさぎを捕まえてきたこともあったな。なんで大阪の街中にうさぎがのしのし歩いていたのかは未だに謎。

我が家の裏庭で小さなカマキリを捕まえて娘に見せてあげたりすると、「パパって、虫とかを平気で手で捕まえて、すごいね!」と尊敬してもらえる。でも本人としては、そういう「生き物を捕獲する」ことに慣れているわけではないので、結構ドキドキである。先日のコウモリ捕獲作戦にしても、もし手元にバタバタ飛んできたりしたら卒倒しておったかもしれません。それでも女房子供の手前、平静を装ってそういう闖入者を処理するのが、父親の役目である。ゴキブリ退治もパパの役目。野菜の虫取りもパパの役目。パパっていうのはなんだか損だ。

で、先日の週末。家族で出かけようとして、一足先に私だけが玄関に出て行ったら、玄関先の花壇の前でするすると動いているものがある。でっかいミミズか、と一瞬思ったけど、すぐ、蛇じゃん、と気がつく。40センチくらいの小さい蛇です。コウモリの次は蛇かよ。

そのまま花壇のツタの茂みの中にもぐりこんでしまう。子供が間違って手を入れたりしたら困るよなぁ、と、捕獲を決意。とはいえ、前述の通り、基本的にはインドア派なので、蛇の捕まえ方なんか分からない。とにかく、庭用の箒と、棒を持って、ツタの茂みを棒で叩くと、にょろっと出てくる。その胴体の真ん中のところを箒の柄の先でぐっと押さえると、慌てて茂みの中に頭を突っ込んで逃げようとする。そのシッポを捕まえて、引っ張る。

頭をこっちに反転させて噛まれるのが嫌なので、頭の近くの首根っこをつかもうと、シッポを左手で引っ張り、なるべく体全体を引き寄せてから、頭の近くをつかもうとする。蛇は逃げようと全身に力を入れる。そうやって蛇が全身に力を入れると、体全体がうねうねと波打つみたいな形になるんですね。面白いなぁ、と思いながら、頭のすぐ下のところを右手でつかみ、捕獲成功。

最初のうちこそ、かぁっと口を開けて闘志満々だったのだけど、すぐおとなしくなる。家にいた娘と女房に、「生きた蛇を捕まえたんだけど、見る?」と声をかける。女房は当然即座に拒否。娘は、「見る見る!」と駆け寄ってきました。

丸い目と、平べったい口が意外と愛嬌があって可愛い。手触りもひんやりしていて心地よく、爬虫類をペットにする人が増えているってのはこういうことなんだなぁ、と少し納得。ホントに舌先が二つに分かれてるなぁ、などと、この際とばかりに色々観察をする。

近所の草っぱらに逃がす、というのも危険だろうし、毒蛇とも思えない(分からんですけど)ので、殺すのもかわいそうだし・・・と、近所に流れている小さな川に逃がしてあげました。下手に扱えば噛まれるかも、というドキドキと、42歳にして初めて蛇を素手で捕まえた、という興奮で、週末はちょっとハイテンション状態で過ごす。

地球温暖化と農村の都市化で、森の動物たちが人里にやってきたり、動物と人間の関係が色んなところで変化しているニュースをよく見ます。おとぎ話のように、動物と人間が言葉を交わせたら、動物の方にも色々と言いたいことがあるんでしょうねぇ。川の中を悠々と泳いでいったあのチビ蛇も、「なんだよ、散歩の邪魔しやがって」なんて、今頃ぶつぶつ言っているんだろうか。