デジタル放送ってのは面倒なもんだねぇ

昔、映像フリークだったせいもあり、我が家では以前から、CATVに加入して、映画専門チャンネルなんぞを好んで見ておりました。年明けに思い立って、従来のアナログ放送をデジタル放送に変更。JCOM調布に申し込みをして、先日、めでたくデジタル放送が開通。

おかげで、ハイビジョン放送が見られるようになって、画像の美しさに驚嘆。先日も、NHK教育で放送されていた、吉右衛門の「籠釣瓶」をデジタル放送のハイビジョン映像で見て、地上波の映像と見比べながら、女房ともども驚嘆しておりました。地上波ではモアレ現象をおこしてもやもやになってしまう着物の柄の細部まで、ハイビジョンだとものすごく美しく見える。画像に興味のない女房なんかは、「こういう綺麗な映像ばっかり見せて、ハイビジョンだと綺麗でしょってアピールしてるんだよ。だまされてるんだよ。そんなに言うなら、ハイビジョンで囲碁の番組とか放送してみたらいいじゃん」と、よく分からん感想を述べている。それにしても、吉右衛門福助の次郎左衛門/八つ橋は、以前見た、勘三郎玉三郎ペアと比べると、人間臭さが強い感じがする。好みが分かれるところかもしれないけど、私としては、都会派で洒落た感じの勘三郎ペアのエッジが効いている感じも好きだし、吉右衛門ペアの生臭いドロドロぶりも好き。しかし、「籠釣瓶」ってのは、ほんとに面白い演目だよねぇ。

画像が綺麗になったのはすごく嬉しいんだけど、録画に関するガードが無茶苦茶固くて、この点については辟易。きちんと映画を見る時間とかがなかなか取れないので、ハードディスクに落としておいた映画を、結局DVDに移してしまうことが結構あるんですよね。ところが、録画動作をしようとすると、やたらに、「録画が許可されていません」というアラームメッセージが出る。

いや、著作権の問題があるからガードをかけるんだ、というのは十分分かってるんですよ。必要性については理解しているんだけどね。それにしてもまぁ、堅固で融通の利かないガードだよねぇ。

世の中がどんどん便利になり、提供されるサービスも高度になってくると、逆の不便が生まれてきたりする。その便利さに乗じた犯罪行為を防止する、という目的自体は分かるんだけど、不便なものはやっぱり不便だよね。テロ防止のために、機内に持ち込む液体を回収する、なんてことから始まって、マネーロンダリング振り込め詐欺を防止するために、銀行のATMで、一日に扱える金額の上限を定めたり、現金での振り込み金額の上限を決めたり、というのも、不便極まりない話。それだけ不便なんだから、せめてATMでの色んな扱いを24時間できるようにしろよ、なんて思うんだけどね。通帳記帳したくってもできるATMが少ない上に、時間帯も限られている。先日通帳を紛失して、再発行処理をお願いしたら、手数料を1000円取られた。日本の銀行ってのは、1億円以上の取り扱いのないお客様はゴミだと思っている、という話があるよね。公的資金=税金注入してもらって、窓口閉鎖しまくって、窓口業務は15時に切り上げて、何かと手数料取って、ATMは不便になって、それで最高益ですか。結構なご商売ですよねぇ・・・あ、いかん、だいぶ話が逸れてきた。

デジタル録画は1回きりです、というアラーム表示をうらめしそうに見ながら、チューナー本体のHDDやら、DVDレコーダのHDDやら、果てはVHSデッキまで動員して、画像の記録に懸命です。女房には、「キミの映像録画マニアぶりはホントに不愉快である」とぶつぶつ言われ、娘には、「テレビばっかり見てると頭が悪くなるよ」と怒られながら、TVの裏の配線をゴチャゴチャといじっている私。確かに、かなり病んでる気もするな。