うちゅうじんがこわい

先日、親子でぼんやりTVを見ていたら、フジテレビの「ザ・ベストハウス123」をやっていた。フジテレビ流のはしゃぎすぎバラエティ番組で、ネタもすぐに尽きそうな気もするし、まぁ長寿番組にはなりそうにない番組だーねー、なんて話を女房としながら、ぼんやり見ておりました。すると、矢追純一氏が出てきて、「宇宙人の映像ベスト3」というのをやっていた。なぜか公園を散歩している宇宙人、どうみてもワイヤーで吊り下げられた状態で浮遊する宇宙人、電信柱の影から腕を伸ばす宇宙人(その後どこに行ったのか?)、と、どれもこれも怪しげな映像。親子して笑い飛ばして、引き続き放送されていた「高級駅弁ベスト3」の15万円の駅弁、というのを見入っておりました。

翌日の午後、帰宅した娘がなんだかモジモジしている。女房が在宅の仕事をしているので、「そろそろ仕事の時間だから、一人でお部屋で遊んでおいで」と送り出そうとすると、女房にしがみついて離れない。「どうしたの?」と聞くと、突然、「うちゅうじんがこわいよぉ」とギャーギャー泣き出した。

昨夜、私が帰宅した後もずっと、「宇宙人が怖いから、一人にしないで」とのたまい、ずっと私か女房の腰にしがみついている。トイレにも一人で入れない。「宇宙人なんか、いるわけないじゃないか」と、私と女房とで色々説明する。「あの映像だってね、簡単に撮れるトリック写真なんだよ。そんなに地球に宇宙人が一杯いるわけないじゃないか。公園で宇宙人が散歩してるわけないでしょ?」

そういくら説明しても、娘の中では、「いつかこっそりやってきていて、物陰からひょい、と出てくるかもしれない宇宙人」のイメージが焼きついているらしくって、中々消えない。結局、昨晩は親子3人で川の字で寝ました。今朝も、自分の部屋で一人で着替えをするのが怖い、と、娘の部屋でお着替えに付き合わされてしまった。

子供の頃に、怪談話や、宇宙人の話に怯えて、一人で眠れなくなった記憶ってのは、誰にでもあると思います。自分の娘がそういう時期に来たのか、と思うと、なかなか感無量なものがあるやね。私の子供の頃、いつも必ず家族で見ていた帯ドラマの時代劇が、夏になると必ず、「怪談シリーズ」をやる。わりと他愛もない幽霊話だったりするのだけど、これが怖くて、夜一人で眠れなくなったことがある。宇宙人ネタでも、すごく怖い「宇宙人来訪ドキュメンタリー」番組を見て、眠れなくなったことがあったなぁ。今から思い返せば、割と子供だましな内容だった気がするんだが。

ホラー系の話は大好きなんだけど、娘に紹介していいものだかどうだか。恐怖ってのは大事な感情で、ここから色んな情動が生まれてくるし、色んな名作も生まれているんだから、それなりに豊穣な精神世界が広がっていたりするんだけど、ヘンにカルトな世界にはまったりするのもまずいしなぁ。女房に言えば、「ダメに決まってるでしょ!」と一刀両断されそうだが。宇宙人か。まずは入り口としては適当なところだよねぇ。むふふふふ。