フィギュアスケート三昧

年末から年始にかけて、各局が取り上げていたフィギュアスケートの大会やアイスショー。娘が浅田真央ちゃんが大好きなので、結構片っ端から見てました。フジテレビがおおはしゃぎで中継していた全日本選手権と大晦日のメダリスト・オンアイス。TV東京でこの週末にやっていたスターズ・オン・アイス インジャパン。フィギュアスケートは以前から好きでよく見ているのだけど、今シーズンはこの手のアイスショーの放送が多いよね。これまでもアイスショーというもの自体の存在は知っていたけど、日本ではそんなにメジャーじゃなかったと思う。まして、フジテレビが紅白にぶつけてくるようなイベントじゃなかったでしょう。さすが浅田真央荒川静香人気衰えず。

浅田姉妹の美しさ、強さは別格として、個人的には、中野友加里さんの柔らかでしなやかなスケーティングが好きです。スケートが氷の面にぴたり、と吸い付いているような安定感のある滑り。安藤美姫さんは本当に復活してきたねぇ。トリノの時とは別人のようなダイナミックでスピーディな滑り。村主章枝さんは、今シーズンは今いちオーラが弱い気がする。相変わらず憑依した感じは変わらないんだが。

それにしても女子のフィギュアスケートは本当に粒がそろっていますよね。若手の中にも、武田奈也さんとか、太田由希奈さんとか、既に独特のオーラを持っているプレーヤーがいる。真央ちゃん人気と、荒川静香さん人気で、日本でアイスショーがメジャーになり、それがさらに選手を育てる好循環が生まれてくればいいよね。

こういう好循環というのは、そのスポーツが注目される何らかのきっかけがあって、それがスタートになるんだろうな、と思います。荒川静香さんの金メダルと、真央ちゃん人気ってのは、今後のフィギュアスケート隆盛のきっかけになる可能性大だろうなぁ。うちの娘も、「将来はフィギュアスケートの選手になる!」なんて、ぴょんぴょん踊ってますからね。真央ちゃんが好きで、フィギュア選手になると頑張っている小学生とか、多いと思う。あと10年くらいすれば、そういう子供たちが一線に出てくるかもね。

あんまり関係ない話だけど、以前家族で、近所の多摩川駅の脇にある「アンジェ」という公園で遊んでいたら、芝生の上でぴょんぴょん飛びながらくるくる回転している、金髪の少年がいた。これがものすごく上手にくるくる回転するんだ。女房ともども、「氷の上じゃなくてもあんなに回転できるんだ」と驚嘆。脇にロシア人らしい女性が座っていて、どうやらコーチらしかった。芝生の上でトリプルアクセルの練習をする将来のフィギュアスケート選手(ロシア人)。名前聞いておけばよかったかも。

話は戻って、スポーツが注目されるきっかけとして、アニメってのはわりと大きな役割を果たしている気がします。現在のサッカー人気に対して、「キャプテン翼」というアニメが与えた影響というのはものすごく大きい気がするし、もう少しすると、「スラムダンク」で育った世代が支えるバスケットボール人気、なんてのも出てくるかも。「のだめカンタービレ」で、にわかクラシックファンが増えている、なんてのと同じ構造だよね。あと10年もすると、「のだめカンタービレを見て、面白いと思って」なんていうクラシック演奏家が出てくるかもしれない。誰か、オペレッタ歌手を主役にしたアニメをヒットさせないかな。しないだろうな。合唱団を舞台にした映画ってのもいいと思うんだが。「シコふんじゃった」の周防監督が、新宿トパーズを舞台にしたコーラス映画とか撮ったら、すげぇ面白いと思うぞ。話がどんどん逸れていくな。

現在のフィギュアスケートの隆盛ってのは、何がきっかけなのかな、と考えれば、1992年のアルベールビルオリンピックで、伊藤みどり選手が銀を取った、というのはすごく大きかったのかも、という気がする。あの伊藤みどりさんのトリプルアクセルを見て、「フィギュアをやりたい!」と思った少女たちや、「娘にフィギュアをやらせたい!」と思った親たちが、今の厚い選手層を支えているのかもしれないよね。真央ちゃんとかも、伊藤みどりさんの大ファンだって言うしね。

私自身が「フィギュアって面白いなぁ」と思ったきっかけ、というのは、なんと言っても、長野オリンピックのキャンディロロ。大技のジャンプだけじゃなくて、繊細で華麗なステップワークと、大胆な演技とスター性でもぎ取った銅メダル。長野オリンピックの伝説のフリー演技は、今でも忘れがたい。今回、スターズ・オン・アイスを見たのも、一つは彼がお目当て。例によって、ジャンプなんかすごく適当にこなしているんだけど、相変わらずの華麗なステップやケレン味たっぷりのスピン。お約束どおり、観客の女の子(結構かわいい子に目をつけているところがさすが)に濃厚キスを浴びせるなど、サービス精神満点のステージで、楽しませてくれました。

それにしても、「フジテレビのスケート中継は本当にひどいなぁ」と、女房と一緒に言いあう。荒川静香さんのイナバウアーをお腹から映すという愚行に至っては呆然としたけれど、それ以外にも、カメラワークが悪くて、演技の全体像や、一番美しいシルエットを逃している瞬間がすごく多い。アナウンサーの勉強不足(その癖、わけのわからないキャッチコピーを連発)、無目的に並べたキャバ嬢風女子アナ連中と、ジャニーズタレントの垂れ流し。スポーツ中継としては最低のセンスで、なんとも白けてしまいました。このフジテレビの紅白対抗イベントに出演している岡本知高さんと金聖響さんってのも微妙な感じがしたね。金さんは事務所の方針なのかしら、なんかイベント指揮者づいてる感じがちょっと嫌だなぁ。ダイナミックな指揮で結構好きなんで、こういう露出仕事で疲弊してほしくないんだけど、いい男だからTV局がほっとかないのかねぇ。