ストックホルム症候群の国、一億総洗脳の国

この日記ではあんまり政治ネタとか扱わないんですけど、今回の北朝鮮のミサイルやけくそ乱れ打ちに関して、韓国の反応を見ていて思ったこと。これって、いわゆる「ストックホルム症候群」じゃないの?

中国やロシアが展開している外交政策というのは、ある意味パワーバランスの中での取引行為なので、そんなに違和感がないんです。まぁ、この人たちはこう言ってくるだろうね、と思う。でも、韓国の北朝鮮に対する姿勢、特に、自国を飛び越えた日本海にボコボコミサイル打ち込まれておきながら、あの反応はなんだか理解できないなぁ、と思っていた。ミサイル乱射したヤツを非難しないで、脇で「危ねえだろー!」って言った日本に、「そんなに大騒ぎするなよ!」って突っかかってくるってのは、なんか病んでるんじゃないかしら。

そう思っているときに、ふと、「ストックホルム症候群」という言葉が浮かんで、かなりこの状況にしっくり来る気がしたんです。「ストックホルム症候群」って、監禁事件などで、人質が犯人に依存するあまりに、犯人に対して愛情を抱いてしまう、という屈折した精神状態ですけど、韓国の状況って、それに近いんじゃないだろうか。

北朝鮮は、別に、遠い米国までテポドン飛ばさなくても、スカッドをソウルに撃ち込めば、韓国に壊滅的な打撃を与えることができる。北朝鮮の様々な示威行為は、直接的には、韓国という人質にナイフを突きつけながら、色んな要求をしてくる立てこもり犯人と変わらない。そんな状態にあるとすれば、韓国の人たちが、「そんなに大騒ぎして、オレを殺す気か!」と喚きたくなるのも分かるよねぇ。ましてや、同じ言葉を喋る同じ民族だもの。国民全員がストックホルム症候群に陥ったとしても不思議じゃない気がする。

今回の国連の議決を巡っての外交の駆け引きについて、何か語るべきことを持っているわけじゃないんですが、ある番組で、ある「外交通」と言われるコメンテーターが、「今回は日本外交が見事にうまくいっている」と断言しながら、「日本の決議案は確実に通ります!」と言っていた。それを聞きながら、「あんたら、日本は確実に決勝トーナメントに残る、って言ったよなぁ」とふと思ってしまった。実際、今日になって随分状況は変わっているじゃんねぇ。

今回のワールドカップで、日本のマスコミ、あるいはそのマスコミに踊らされる日本人という民族が、ものすごく容易に「楽観的観測」に押し流されてしまう、ということを再認識しました。多くの人が、「日本は勝てないよなぁ」と思いながらも、「いや、そんなことを考えてたらダメなんだ!きっと勝つ、勝つんだ!」「勝つと思っていれば、それが本当になる!」と、わけの分からない精神論に押し流されていった気がします。これって、太平洋戦争のときの、「大本営発表」報道と、それに踊らされて、「日本は必ず勝つ!」と叫び、信じ続けていた当時の日本人、という構図と、何が違うっていうのさ。

ワールドカップの報道について、日本のTV局は全て、「誤った楽観論に基づいて、歪んだ報道を行った」ことについて、正式な謝罪と真剣な反省を行うべきなんじゃないかな、と思います。今回はワールドカップだったからよかったかもしれないけど、これが別の種類の「国威発揚」的なイベントだったとしたら、マスコミはやっぱり同じような反応をするんじゃないだろうか。それも、一種の病的な反応のような気がするんだよねぇ。カルト宗教に洗脳された人たちと同じような、思い込みと精神論。

「国」という、あまり実態のはっきりしない存在。ある種類の人間の集合体としての「国」が、それ自体の精神を持っているような振る舞いをし、そしてその精神に、一種の病的な要素が垣間見れるとしたら、その中に属している個人はどう振舞えばいいんだろう。その「国」の振る舞いに対して、どこまで客観的な視点を保つことができるだろうか。大事なことは、「国」の主張するところは決して常に「正義」なのではない、それは時に、病的なことすらありうるのだ、ということをわきまえながら、自分自身の倫理観と照らし合わせる冷静さ…なんでしょうかねぇ。