サチる

会社には会社の用語、業界には業界の用語、というのがあって、当たり前のように使っていると、とんでもない誤解を生んだり、全然理解されなかったり、ということが結構ありますよね。私の勤務している会社は、いわゆるIT企業の一種なんですが、よく、「NW」という略号を使います。同じ業界内では割と通用する略語なんですが、「Network」を略して、「NW」と表記している。ネットワークソリューションビジネス、なんて言葉が、NWSLビジネス、なんて略されていたりします。

以前、この「NW」というのを、当たり前のように資料に書いてお客様に提出したら、「『NW』ってなんですか?」と聞き返された。「我々の業界では、『NW』と言うと、普通、ノースウェスト航空のことなんですが…」運輸業界のお客様だったんですね。こりゃいかん。

この手のアルファベットの略号ってのは、便利なようで結構混乱のもとなんですよね。例えば、我々の業界で、ATMといえば、Asynchronous Transfer Mode(非同期転送モード)という通信方式に従って提供される通信サービスのことをいいます。でも、日常生活では、ATMといえば、銀行のキャッシュディスペンサーのことですよね。キャッシュディスペンサーをCDと略したら、中日ドラゴンズと間違えた、なんて話もあったっけか。

舞台上でも、独特の用語があって、以前この日記にも書いた、「バミリ」というのも業界用語だよね。笑っちゃったのは、トンカチのことを、舞台屋さんたちが、「なぐり」と呼ぶこと。分かりやすいような分かりにくいような。

なんでこんな話をしているか、というと、例によって、仕事が無茶忙しくって、何がなんだか分からない状態が続いているせいです。私の頭はマルチタスクに対応していないのよ。2つ以上の仕事が同時並行で走ると、あっというまにメモリがフリーズしちゃうのだよ。今の私は砂時計。強制終了したいときには、鼻の穴と耳の穴に同時に指を突っ込みながら、後頭部をどやしてください。じゃ、そういうことで。

で、昔働いていた部署では、こういう状態のことを、「サチる」と言ってました。誰かが言い出した単語らしいんですけど、「飽和する」という意味の、「saturation」という英語が元になっているそうな。「今ちょっとサチってるんで」なんて喚きながら、じたばた仕事してました。多分、この部署の外では一切通用しない単語だろうなぁ。

てなわけで、今日の私もサチってます。しっかり脳みそフリーズ状態。そしてこんな時の逃避先が、この日記。そんなことやってる暇があったら仕事しろっての。すみません。