Vocal Folds

日本に戻って、仕事上で英語に触れることはあっても、やはり住んでいた頃に比べると、英語力を維持するのに努力が必要。しかしこの、「努力」というのが厄介で、それも毎日ある程度継続しないといけないのが、語学のしんどいところ。てなわけで、ひょっとして自分の興味のある分野の本だったら、それなりに読み続けることができるんじゃないかな、と、ジュリアードショップで買い込んできたのが、この本。「Your Body, Your Voice」。


Amazonからとってきた写真です。

解剖学的な観点から発声の仕組みを解明していこう、という本で、まだ半分くらいしか読んでいないのだけど、筆者(Theodore Dimonという方)の主張は、生まれたばかりの子供が一番自然な発声を身に着けているのだ、というもの。それが成長とともに、直立歩行を維持するための筋肉の発達と、長年の生活習慣による癖で、自然な発声を生み出す筋骨のバランスが失われていってしまう。それをいかに生まれたばかりの時点の無理のない状態に戻していくか、そのためには、発声の時にどのような筋肉や骨格が使われているかを解剖学的・自覚的に知る必要がある、というもの。

その主張自体は、以前ほかの人から聞いたこともあるし、発声、というのが、部分的な筋肉運動ではなく、全身の筋肉をバランスよく動員した全身運動である、というのも聞いたことのある話。そうなんだけど、今まで読んだ発声関係の本の中でも、とにかく徹底して解剖学的に発声の仕組みを解説していて、それが結構面白い。裏声と実声の間で、声帯の形がどのように変化しているか、とか、発声のための呼吸というのは、いかにして息を出すか、ではなくて、いかにして息を出さないか(コントロールされた息の量を出し続けるか)、ということだ、といった、今まで何となく無意識に使っていた体の動きを自覚させてくれるキーワードが散りばめられていて、分かりやすい挿絵も手伝って、「そうか、そうだよなぁ」と激しくうなずくことたびたび。

そういう「気づき」ももちろん面白いのだけど、何より、今まであんまり知らなかった発声で使う色んな筋肉の名前とか、解剖学上の用語がたくさん出てきて、「へぇ、英語ではそういうのか」と、今更勉強しております。意外とこういう単語って、日常会話でも出てきたりするから、知ってると得をするんじゃないかなぁ。てなわけで、この本で頻出している声楽系の英単語をいくつか並べてみます。何かの参考になれば幸いです。

larynx
rib cage
palate
diaphragm
vocal folds(vocal chords)
pharynx
spine
intercostal muscle
abdominal
nostril
inhalation
exhalation
trapezius muscle
latissimus dorse muscle
register
cricothyroid muscle
chest voice
falsetto

(上から、喉頭(発声器官)・胸郭・口蓋・横隔膜・声帯・咽頭・脊柱・肋間筋・腹筋・鼻孔・吸入・息を吐き出すこと・僧帽筋・広背筋・声域・輪状甲状筋・胸声・裏声)