セリフのテクニック

これは自分の備忘メモ。今日やった、セリフの自主練の時、自分なりに考えた、セリフを「活かす」テクニックを幾つか並べておきます。

・自分のセリフの中で、大事な単語を見つける。これを強調したい、と思ったら、①その単語の前で必ず息を吸う、②その単語をゆっくり言う、③その単語を大きく言う。

・セリフの中のフレーズを見つける。フレーズとフレーズの間が同じ間になったり、フレーズが同じ音形(高低)・同じ速度・同じ強弱になりがち。セリフを単調にする最大の要因なので、それを極力避けたい。

・避けるための具体的な手段その1。間の部分に、台本に書かれていない言葉を自分なりにあてはめてみる。例えば、

セリフ例:「これはこれは伯爵夫人、今日は一段と美しくていらっしゃる。月もあなたの美しさに雲の後ろに隠れてしまいました。」

フレーズ分け:「これはこれは伯爵夫人」「今日は一段と美しくていらっしゃる」「月もあなたの美しさに雲の後ろに隠れてしまいました」

フレーズの間に、台本にない言葉を自分なりに当てはめてみる:「これはこれは伯爵夫人」<ああ!>「今日は一段と美しくていらっしゃる」<ほらごらんなさい!>「月もあなたの美しさに雲の後ろに隠れてしまいました」

間を、意味のない空白の時間としない。間の中に必ず意味を持たせること。その意味をきちんと自分に自覚させるために、具体的な言葉を当てはめる。

・セリフの単調さを避ける手段その2。各フレーズの音形・速度・強弱を必ず変えてみる。最初はあまり意味を考えず、ただ、「このフレーズを高く言ってみる」「このフレーズを低く言ってみる」「早口にしてみる」といった形から入ってみる。意味は意外と後からついてくるもの。

(早口で)「これはこれは伯爵夫人」(ゆっくりと)「今日は一段と美しくていらっしゃる」(低い音から、クレッシェンドしつつ、高い音へ)「月もあなたの美しさに雲の後ろに隠れてしまいました」

・舞台上で絶対にやってはいけないセリフ回し。ささやき声。息を混ぜた発声。小劇場ならともかく、1500席のハコではタブー。感情が高ぶると、息を混ぜたり、ささやき声になってしまう人は多いので、相当自覚しないとだめ。

・一つのシーンの全体の設計図を見渡すようにする。このシーンにおけるクライマックスのセリフはどれか。テンポよく刻むセリフのやりとりの中で、あえて重要な単語の前で間をおく効果。まったく重要な単語をもたず、テンポだけが大切なセリフもある。シーン全体のクレッシェンド・ディクレッシェンド、テンポ感の全体像をつかむこと。

・・・専門に勉強した人から見たら、笑っちゃうようなことばっかり書いてますが、我々素人からすれば、こういう個別具体的な「解決方法」「治療法」のアイデアってのがすごく大事だったりするんです。なので、自分で忘れないうちに、書きとめておこうと思います。