つんく♂さんの指導にとても納得

先日、ドリームモーニング娘。の特番をちら見してました。モーニング娘。よりかなり前から、アイドル業界には全くうとくなっているので、さほど興味しんしん、というわけじゃなく、BGVでかけてただけなんですけどね(言い訳じゃないぞ、ほんとのことだ)。

で、メンバーが、モーニング娘。時代の思い出を語るコーナーがあって、つんく♂さんにどんなトレーニングを受けたか、という話をしていた。印象に残ったのが、2つの話。

一つが、とにかく16ビートのリズム感を身に着けるために、ありとあらゆる楽曲から街中で流れている色んなBGMまで、全てを16ビートに分解して口ずさむように叩き込まれた、という話。日本の古い唱歌や演歌まで、全部16ビートで刻んで歌わされましたね、と。で、もう一つが、フレーズの頭でリズムに乗り遅れないようにするために、「小さな『ン』を頭につけると乗り遅れないよ」と言われた、という話。

一番目の話がすごく腑に落ちたのは、今やっている「ヴェニスの一夜」のソロパートで、同じことを心掛けていたから。楽譜上の「白玉」とよく言う、ロングトーンの音符で、どうしても拍感がなくなっちゃうんですね。拍感がなくなると、音の推進力が失われて、音程も下がる。次のフレーズの入りが遅れてどんどん重たくなっていく感じがする。音楽が前に進んでいかない。体の支えをしっかりキープして、フレーズの推進力を維持するためには、白玉の音符を、もっと細かい音符に分解して感じるのが有効、と言われます。たとえば二分音符で「あー」と伸ばすところを、八分音符4つで、「あーあーあーあー」と伸ばしているように意識する。それって、体の中で16ビートのビート感を常に感じているのと共通する。

二番目の話もすごく納得できて、中島みゆきさんなんかも、よく聞くと、フレーズの頭で「あん」というような鼻に抜いた音が入っていることが多い。あんまりやると、母音の頭に短い「ん」が入っちゃうので、矯正されることも多いんですが、実際に「ん」と言うかどうか、というのは別として、フレーズの頭、言葉の頭で、アウフタクトを感じる、ということが大事なんですよね。拍の頭ジャストで音を出そう、とか、そこで体を作ろうとすると絶対遅れる。その前の裏拍のところで、しっかり踏み込んで体を作ってから、声を出す。音の前にしっかり「止める」感覚。

特に欧州の歌を歌っていると、子音を言葉の前に出しなさい、と言われることもありますけど、アウフタクトで「止める」感覚と子音を前に出す感覚がうまくシンクロすると、体のフォームがきちんと決まって声を出すことができる。これも、最近特に意識するようになったこと。

つんく♂さんは、この2つの指導を、リズムに乗り遅れなくなるようにするための指導方法、として紹介されていたんですけど、これを意識すると、リズムだけじゃなくて音程とかフレーズも改善されるんじゃないかな、と思います。クラシックでもポップスでも、共通する部分は結構あるんだなーと思いました。