我が家の小学校受験そのいち〜不安につけこまれない〜

娘が来年には小学校、ということで、色々検討の結果、トライすることにしました、「お受験」です。先日、なんとか第一志望だった私立小学校に合格。国立小学校の受験も考えていたのですが、家族そろって、この私立小学校をいたく気に入ってしまったので、12月の国立小学校の受験はキャンセルすることに決定。我が家の今年最大のプロジェクト、「お受験」は無事、終了いたしました。娘は家のぬいぐるみに「合格!」「合格!」と言いながら、ハンコを押していくマネをしています。子供なりにプレッシャーもあったんだろうなぁ。お疲れ様でした。

子供のこととはいえ、父親はこういうことにどうしても疎くなってしまいます。女房は幼稚園のママさんネットワークもあり、様々な情報を仕入れて、昨年の秋くらいから計画をたてて取り組んできましたから、やっと一息ついたようです。この場を借りて、我が女房どの、ほんとにお疲れ様でした。

我が家なんか、世の中の「お受験」家族に比べれば、かけた労力もお金も時間もほんとに大したことはなく、のんびりと対応した方だと思います。第一志望だった小学校が、ちょっと独特の校風を持った学校で、さほど競争率も高くなく、あんまり目の色を変えずに済んだ、ということもあると思うのですけどね。

そんな我が家の「お受験」プロジェクトで、特に思ったことを、ちょっと振り返ってみようかな、と思います。色々と考えさせられたことは沢山あったので、今日はそのいち、ということで、何日か書き連ねてみるつもり。世の中の「お受験」家族の皆様の参考になるかしら。あんまりならないかもしれないけど、まぁいいよねぇ、ネットなんだし。(このセリフ以前も書いたな)
 
(1)不安につけこまれない!

小学校受験、というのは、中学・高校・大学受験などと違って、合格基準が非常に不明確です。国立の小学校にいたっては、抽選ですからね。自然、「お受験準備」、というのは、「一体どこまで準備すれば合格できるのか」全く分からない不安の中での準備になります。

そういう不安につけこんでくるのが、いわゆる「お受験」産業です。我が家でも、3〜4つの学習塾を検討したのですが、どの塾も、ものすごく多様なプログラムを用意している。「こちらは如何ですか?」「この学校を受験するなら、このプログラムも大事ですよ」と、盛んに売り込んでくる。工作のプログラム、行動観察のプログラム、絵画のプログラム、集中講座・・・受験する側としては、「人事を尽くして天命を待つ」しかないわけですから、出来る限りの「人事を尽くそう」とする。ということで、勧められたプログラムを全部受講したとしたら、すごいことになります。

身近でそういうお母様もいらっしゃったのですが、子供はほとんど毎日、幼稚園が終わったら塾に直行。土日は朝から夕方まで、各種の講座を受講。1つの講座を受講するのに、安くても数万円から10万円以上かかりますから、そんな「フルスペック」で臨んでしまうと、総額は数百万円にも上ります。それでも不安は完全には払拭されません。当たり前ですよね、どこまでやっても、「これなら合格間違いなし!」というゴールが見えないんですから。そしてさらに講座を追加していく「不安のスパイラル」にどんどん落ち込んでいく。

そんな「不安地獄」に陥るのは、我が家の財力ではそもそも無理な話。なので、「フルスペック」は最初からあきらめて、自宅での自習を中心に据え、あとは、家庭ではできない、集団行動の中での「しつけ」を見てくれる教室を探し、週に一回だけ通わせました。女房がネットで見つけてきた教室だったのですが、値段的にもリーズナブルで、ネットを駆使した各種のフォローや教材も行き届いており、正解だったなぁ、と思っています。何より、「これはどうですか?」「あれはどうですか?」と売り込んでくるのではなくて、こちらの自主性にゆだねてくれる姿勢が安心できました。

「お受験」産業は、とにかく両親の不安につけこんできます。大事なのは断定口調なんですね。ただでさえ不安になっている両親に対し、「このお子さんはこの学校が向いています!」「この学校を受験するなら、この講座が必要です!」「志望校の校長先生の講演が聴けますよ!」と、断言口調で畳み掛けていけば、不安な両親は「そうなんだ」と財布の紐をどんどん緩める。ヒドイ塾の先生になると、自分がコネを持っている小学校を、「この子にはこの学校が向いています!」と断言口調で推薦してくるケースもあるらしい。ちょっと待って、と言いたくなる局面が結構ありました。

大事なことは、自分達ができるフォローはどこまでか、そのフォローの中で足りないものは何か、ということを、自分達で見極め、判断すること。学習塾の先生に決めてもらうのではなくて、「わが子にはこういう学習が足りないと思いますから、そういうプログラムを提供してください」という明確な意思を持って臨むこと。

でも中々、これが難しいんだよね。断言口調で畳み掛けてくる学習塾の先生だけでなく、周りのお母さん達のプレッシャーもあるんです。「え、xxちゃん、この講座受けないの?」という何気ない一言が、不安をあおる。そういう不安に流されないで、「この子にはこれで充分なんだ」という確信を持つには、相当強固な意志力が必要です。我が家でも、子供にどんな講座を受けさせるか、ということで、何度となく家族会議が開かれました。お母さん一人では不安が募るばかりですから、父親はこういう時の相談に充分乗ってあげないとダメ。私も、女房に、「もっと真剣に考えなさい!」と何度となく怒られました。すみません。

次回は、志望校を決める過程について、書いてみようかな、と思います。どこまで続くかしら?