NYで初詣

2012年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。激動の2011年を過ぎて、色んなことを整理してリセットした上で、自分が年を取ったらやりたいこと、というのをいくつかリストアップ、それに向けて、毎年の目標もリセット。仕事の上でも、プライベートでも、決めた目標をしっかり消化していく一年にしたいと思っています。とりあえずは、7月のガレリア座と麗鳴の舞台をきっちりこなさないと。

さて、家族で過ごす二度目のNYでの年末年始、色々と盛りだくさんで過ごしました。まずは31日の大みそかから。

朝からミツワに行っておせち料理の材料や年越しそばなどを買い込み、女房はおせち料理の仕込みを始める。午後になって、娘は家の近所のenaのニュージャージー校へ。この秋から受験準備で通っている塾ですが、我が家から車で15分もかからない、Englewoodというところにあります。年末最後の授業を受けてきました。

その間、女房と私で、NY混声合唱団でお世話になったKさんのお宅にご挨拶。この秋に生まれたばっかりのお嬢さんのいる若夫婦で、赤ちゃんの顔を見に行くのと、我が家の家具類をMoving Saleに出すにあたってのいろんなご相談に乗ってもらう。とても親切なご夫婦で、家具の写真を入れたチラシ作りとか、チラシを色んなところに貼り出す段取りとか、いろいろ考えてくれています。ほとんど新品同様のお客様用のソファーベッドとか、どんな人が引き取ってくれそうだろうか、なんてことを相談。こういう人たちに支えられて、なんとか2年間過ごせたんだなぁ、と改めて思う。

家に戻って、夜のジルベスタ・コンサートに備えて、女房と一緒に着物に着替え。娘を塾に迎えに行って、娘も着物に着替え、リンカーン・センターへ。Avery Fishar Hallで開催された、下記のコンサートに行ってまいりました。

New York Philharmonic
Alan Gilbert, Conductor
Jean-Yves Thibaudet, Piano

Bernstein : Overture to Candide
Gershwin : Concerto in F for Piano and Orchestra
Bernstain : Symphonic Dances from West Side Story
Gershwin : Rhapsody in Bule, for Piano and Orchestra

ジルベスタ・コンサート、ということで、舞台上は赤や紫の布や花で飾られ、女性の演奏者も華やかなドレスに着飾り、全体にお祭りっぽい華やいだ雰囲気です。この雰囲気に負けるまいと、家族そろって着物で行ってまいりました。
 

こんな雰囲気。
 
曲目をごらんになってわかる通り、ご当地もののプログラム。NYフィルってのは、たぶん世界で一番上手にガーシュインバーンスタインを演奏できるオケなんだろうなぁ。とんでもなく高度なテクニックが必要な曲ばっかりだと思うのに、完璧に自分のものにしている感があって、さすが、という感じ。ラプソディ・イン・ブルーのオープニングのクラリネット・ソロとか、きっとNYフィルに入る時のオーディションの課題曲だったりするんだろうなぁ、なんて思いながら聞きました。ピアニストのThibaudetさんも、自在なんだけどクリアできっちりしたピアノで、安心して楽しめました。

こういう演奏会だし、実際素敵なドレスで着飾っている人がいっぱいいたので、着物の日本人もいるだろうと思ったんだけど、見回す限りでは我が家だけ。何人かの老年のお客様に、「まぁ素敵なお召し物ですねぇ」と、主に女房が声をかけられておりました。NJ交響楽団の演奏会でも思ったけど、オーケストラの演奏会にはお年寄りのお客様が多い感じがします。若い方も、お年寄りのお父さん・お母さんと一緒に聞きに来ている若い人たち、という方々が多い。METのオペラの舞台よりも年齢層が高い感じがする。そういうお年寄りの方々からすると、着物を着た日本人がいるっていうだけで、なんだか晴れやかな気分になるらしくて、周りの人たちがみんな親切にしてくれる感じがした。
 
年が明けて1月1日、こちらのTVジャパンで放送された紅白歌合戦の録画を見たりしながら、また家族で着物に着替え、恒例の玄関先での写真撮影。前日から仕込んでいた女房のおせち料理も、とても上手に仕上がりました。
 

女房の力作

お着物でおせちをいただいて、そのままマンハッタンへ。女房がネットで見つけてきた、マンハッタンにある神社に初詣に行くことに。ロスのリトルトーキョーの中には、各種の神社仏閣がまとまって建ってたりしますが、マンハッタンの中の神社は、コロンバスサークルの近くの20階建てのビルの一室にあります。
 

部屋のドアにこんな張り紙がしてある。
 

そして部屋の中には立派な神棚が。
 

神棚のそばの窓からはマンハッタンの摩天楼が見えます。
 

娘は中学受験の成功をお祈りし、おみくじや絵馬を買って奉納しました。

車を停めたリンカーン・センターに戻ってくる途中では、ウィーン風のジャケットを身に着けたお爺さんが、Avery Fisher Hallに向かって歩いていくのと一緒になる。ウィーンから来たオーケストラによるニューイヤーコンサートが開かれるのです。NYの地元の音楽を着物で楽しみ、NYで初詣をする日本人がいて、ウィーンの音楽を自分の故郷の音楽として楽しむ人たちがいる。人種と民族のるつぼ、と言われるマンハッタンの新年の一コマです。