言い訳とか口実で仕事が増える

今日はこれといって書くテーマがないんですが、日ごろ、仕事をしていて感じること。他の部門の「言い訳」をつぶすための仕事ってのが、やたら多いな、ということです。

誰だって、仕事がうまくいかない時、その理由を、「私の力不足です、私の怠慢です」なんて、自分で責任とって頭下げたりしない。「うまくいかないのは、xxという外部環境のせいだ。オレのせいじゃない」って言いたい。でもそういう言い訳とか口実のおかげで、仕事はどんどん増えていく気がするんです。

例えば、営業部門が、「新商品が売れないのはなぜだ?」と言われて、「私の努力不足でございます。頑張ります」と言って自分の中で努力してくれれば、他の部門の仕事は増えないわけですけど、そんなこと言う営業部門なんかいない。「新商品の値段が高い」「新商品のコンセプトが不明確だ」「新商品の販売ルートに不備がある」「新商品の品質が問題だ」・・・もちろん、とても貴重な現場の意見なので、値段を下げたり、コンセプトを明確にしたり、販売ルートを整備したり、品質を向上させたり、と、どどっと仕事が増えていくわけですよ。

でも、時々、貴重な現場のご意見として承っている中に、「ちょっと待て」と思うご意見が混ざっていることもある。「そりゃどう考えたってあんたの言い訳でしょうが」といいたくなること。またたちの悪いことに、そういう意見をしゃーしゃーと述べている相手には、結構立派なお題目があったりするから困る。「それがお客様のご意見なんです」なんて開き直られると、「分かったよ、じゃあやりゃいいんだろ、その代わり、こっちがやったら二度とそんな言い訳すんなよ!」と売り言葉に買い言葉で、自分の仕事が増えちゃう。あうう。

度重なるリストラと、きめ細かなユーザニーズに応える体制を作るための無理が重なって、色んなところで超過労状態の人たちが増えているそうです。例えば、在庫0を目指す企業ユーザのニーズに応えるために、流通部門の現場は無茶苦茶な状態になっている。それを担っている下請けトラック運転手さんのヒサンな日常とかを聞くと、高速道路でトラック見たら逃げたくなってくる。時々、「これはどう見ても寝てるよ」と思うような蛇行運転してるトラックとか、すごいスピードで飛ばしているトラックとか見るもんねぇ。一度、高速で前を走っていた軽トラックのタイヤがいきなりバーストしてびびったことがあったけど、あれもタイヤ交換のヒマもなく走ってたあおりだよなぁ。

「言い訳」なのか、「本当のニーズ」なのか、見分けをつけるのはすごく難しいので、一概には言えませんけど、官僚仕事なんかを見ていると、口実つぶしのための仕事が進まない口実をつぶすための仕事が進まない口実をつぶすための仕事・・・という無限の悪循環が起こっている部分もある気がします。そういう悪循環を断ち切るのは、「それは本当のニーズじゃない。言い訳だ」と喝破する健全な経営精神なんですけどね。

でも未だに、「仕事というのは職場にいる時間」と考えている経営者は多いですよねぇ。以前、学校の経営に乗り出した私企業の社長が、「ボクが社長になって、今まで16時に帰っていた教師が、20時まで働くようになった」と自慢げに言ってたけど、そんなの何の自慢にもならないよねぇ。その教師の出してくるアウトプットがどうなったか、ということが問題なんであって、勤務時間が長くなったってことは、逆に残業時間が増えてコストアップにつながっているんだから、「効率が悪くなりました」と自慢しているに過ぎない。頭悪すぎ。16時に帰っていて「そりゃ早いなぁ」とみんな思うかもしれないけど、その人は学校に朝7時に来てたのかもしれないよ。朝7時から20時まで勤務するようになっちゃったのだったら、そりゃ明らかにおかしいでしょうが。

仕事というのはタイムマネジメントであって、限られた時間という資源の中でどれだけ最大のアウトプットを出すのか、という勝負だと思います。8時間耐久レースとか、そういう世界に近いと思う。東証のシステムがストップした、なんて大騒ぎしてますけど、裏には絶対、ソフト開発者の劣悪な職場環境があると思うよ。カンペキなソフトを作る時間が取れないんだから、システムトラブルなんか当たり前。「言い訳」つぶしに汲々としている時間があったら、もっと本当のニーズに対応するための仕事ができる環境にしないとねぇ。「そういう環境がないから、オレの仕事のアウトプットが低いんだよ」という言い訳をしたい文章かしら、これは?ううむ。