びょーき

人間40歳になると体の色んなところにガタがくるものです。入社同期の友人と久しぶりに会えば、血圧だコレステロールだなんだかんだ。最近の私の悩みといえば、だんだん近くのものを見るのに焦点が合わなくなってきたこと。やばいなぁ。

35歳を越えたくらいの頃から、ちょっと体調を崩すと、やたら偏頭痛が起こるようになりました。加えて、物忘れも激しい。どうしても人の名前が出てこない、という物忘れから、ついさっき自分のやったことを忘れる、という物忘れまで。物忘れのデパートと呼んでくれ。呼ばれて嬉しいか。嬉しくないです。すみません。

てなわけで、かかりつけの医者で、来週、頭部MRIを受検することになりました。偏頭痛がひどくて、頭痛の薬を出してもらったのと合わせて、「一度見てみましょうか」という話になる。自分の体を輪切りにする、というのは初体験なので楽しみ。

楽しみ、と言いながら、検査が病気を作る、という要素もありますから、不安ももちろんあります。でも、もともと持病で十二指腸潰瘍を持っているせいもあって、胃カメラ検査とかレントゲン検査とか、色んな検査には免疫があるんです。まぁ日常生活に困っていないんだから、検査して、自分の体の中のことを知っておいた方が安心でしょ、くらいの気分。

親戚の一人が、検査で、「脳に向かう大動脈が詰まってます。」と言われて驚愕した、という話がありました。普通だったら死んでるらしいんだけど、残った血管がうまくつながってバイパスが勝手に出来て、うまく脳に血液が流れているんだそうな。人間の体ってのはうまく出来ているんです。

最近読んだニュースで、軽い怪我だったら、消毒したりガーゼを当てたりするのじゃなくて、水道水で綺麗に洗ってゴミや異物を取り除いて、あとは特殊なポリマーで覆って乾かさないようにするのが一番いい、というニュースを読みました。怪我のあとに体から出てくる滲出液の中に、怪我を治す細胞とか、色んなものが含まれているのに、ガーゼでそれを吸い取ってしまうとかえって治りが遅くなるんだって。もちろん、ケースによるから、ちゃんと消毒した方がいい場合だってあるので、一概に、「消毒しなくていいんだ」と思うとダメよ、という注釈付き。人間の体ってのは、色んなところで上手く働いているものなんです。人間が後知恵で色々いじくってしまうのが、正しいとは限らないんだよね。

突然話が飛びますが、庭の花壇に植えていたミニバラが、花のつぼみを一杯つけて、そろそろ咲きそう、という所まで来て、急に元気がなくなってきました。青々していた葉っぱが急に色あせて枯れてきてしまった。つぼみも色づいたのに、開く直前で成長が止まってしまいました。どうやら病気にかかったらしい。我が家は、庭木や花壇に手間をかける暇がないのと知識がないので、花壇の花を次々枯らしてしまうのですが、今回もダメだったようでがっかり。

園芸店で、綺麗に花が咲くように、と、色々と人間の手が入っている花々、というのは、病気や環境変化にすごく弱いんですね。すぐ枯れちゃう。我が家の花壇のような劣悪な環境では生きていけないんです。劣悪にしなきゃいいだろ。すみません。

人間が色々いじくった生き物たちは、花には限りませんよね。効率的においしい肉が取れる豚。ひたすら卵を産み続ける鶏。人間にとって便利で有用な生き物ばかりが生き残ってる世界って、環境が激変した時の抵抗力がかなり弱くなってるんでしょうね。人間が滅亡してしまったとき、人間はどれだけの生き物を道連れにするんでしょうか。元気のなくなったミニバラを見ながら、そんなことを考えました。