土いじり

週末、またしてもなーんもない週末。お天気もいいので、本当に週末のお父さんをして過ごしました。庭の芝を刈る。庭木の枝を切る。車を洗う。ぼおっとテレビを見る。娘と外食する。ビール飲んで酔っ払う。特に強烈なインプット、というのもなし。あえて挙げるなら、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の練習用に、と録画した、ゼフィレッリ監督の映画版を見ていて、やっぱりゼフィレッリはすげぇ、と感嘆したくらいかな。ガレリア座音楽監督Nさんと、ガレリア座の事務局長Fさんのご夫婦に、男の子が生まれた、という嬉しいニュースもあって、なんともいい週末でした。

我が家は一戸建てなので、庭いじり、と言えるほどじゃないんですが、一応、猫の額ほどの庭があります。日当たりがあんまりよくないのに、日照が必要なつつじとかが植わってるのと、住人がとにかくズボラなもんだから、かなり荒れ放題。それでも、さすがにこれはまずかろう、と、たまーに伸び放題の枝を落としたり、芝を刈ったりします。力仕事ですから、これはお父さんの仕事。

芝生は、引っ越してきたばっかりの時に、業者さんが芝をはってくれていたのですが、日照の関係と雑草が強くて全然定着しない。やけを起こして全部はぎとってしまって、種から蒔きなおしてみたのですが、やっぱりだめ。最近はあきらめて、伸びてくる雑草を多少刈り込む程度。いっそのこと、土の庭じゃなくて、砂利で覆ってしまおうか、なんてたまに話すんですけど、それもちょっとなぁ。

何度かこの日記にも書いてますけど、土に触れる機会って、すごく少なくなってますよね。それも、アリやらダンゴ虫だのが巣を作ってるような土。世の中どこ行ってもアスファルトとコンクリート。娘の幼稚園の園庭だって、細かな砂利を敷き詰めてすごく清潔に掃除されていて、「土いじり」という感じじゃない。たしかに、「土」だの「泥」ってのはいい印象ないですよ。汚いし、わけのわからない虫だの雑菌だのいるし、穴掘っててミミズとか出てくりゃ気持ち悪いしさ。

でも、そういう汚れたものから、綺麗な花が咲くんじゃないか。去年の秋、娘と二人で、手を真っ黒にしながら穴掘って植えたチューリップの球根が、今は花盛りです。そういう経験を自分の家の庭でできるっていうのに、あっさり、砂利で覆い隠して「きれいでしょ」っていう風にはしたくないんだよなぁ。

地球上のCO2を削減するのに、緑を増やそう、という話をしている中で、「実は、土自体の持っているCO2吸収力というのがすごいんだ」という話を聞いたことがあります。土の中に住んでいるいろんな細菌が、CO2を吸収分解してくれる力を持っているんだって。娘と一緒に芝刈りやって、おままごとの葉っぱを集めたり、土ダンゴとか作りながら、いくら荒れても、この庭はやっぱり土の庭のままにしておこう、と思いました。それにしたってもうちょっと綺麗にしてあげないとねぇ。庭を維持するのにも、手間と時間と技術がいるんだから。ガレリア座が始まったら、また荒れ放題になっちゃうんだろうなぁ。ううむ。