ご当地モノ

昨日の日記で、私が、自分の衣装について不満を持っているような印象を持たれた方がいらっしゃったら嫌だな、とちょっと思いましたので、ここでちょっとフォローしておきます。ガレリア座の衣装部、というのは無茶苦茶優秀なんですよ。私の衣装だって、基本はただの白ジャケットなんです。それが立派な肩章や、綺麗な布で飾られて、本物の軍服のように立派になる。私の衣装の隅々まで、安い予算の中で、いかにリーズナブルな素材で、手間と工夫で本物らしく見せるか、という、驚くほどの智恵の塊です。もてあそんでいる、なんて言ったら、ばちがあたります。もてあそばれて光栄です、くらい言わないと。結局あそばれてるじゃん。やっぱそうかも。

さて、今日は、先日の出張でちょっと思ったこと。

名物にうまいものなし、なんて言葉がありますけど、この言葉には二つの意味がある気がします。一つは、やっぱりその土地の人にしか受け入れられない味、というものはあって、他の土地の人が口にしてもどうしても口に合わないことがよくある、という意味。もう一つは、名物、ということで祭り上げられてしまうと、観光客に媚びてしまって、もともともっていた本来の味が失われてしまうこと。

今回の出張では、大阪と名古屋に行ったのですが、大阪では夕方に少し時間が出来たので、昔、高校生の時に毎日のようにうろついていた梅田の近辺をうろうろしていました。高校時代からは随分梅田の町並みも変わりましたし、そもそも、高校生の行動半径なんて限られていますから、懐かしい、なんていう気分はさほどないんですけどね。でも、大好きだった阪神電車の改札口脇のジューススタンドで、それこそ毎週欠かさず飲んでいたミックスジュースを飲んで幸福に。高校生の頃好きだったのと同じ味。その後、JRから阪急に向かう途中にある、ちょっと怪しい立ち飲み屋なんかが集まっている一角で、お好み焼きをいただく。普通の駅前のお好み焼きスタンドなんですけど、東京なんかで食べるのとは全然味が違うんです。やっぱり地元の味ってのはあるんだなぁ。

名古屋では、最近名古屋で流行しているという、「台湾ラーメン」をいただきました。坦々麺の節操のないやつ、という話を聞いてから食べたのですが、その通りのシロモノ。おいしかったですけど、ほんとに台湾でこういうラーメンがあるのかなぁ。

昔、東京で「桂花ラーメン」が話題になった頃に、熊本出身の友人が、「あんなの熊本ラーメンじゃない」とぶつぶつ言っていたのを思い出します。チェーン展開、というのは、企業の成長する姿としては必然なんでしょうが、味の一貫性、というのはそうそう簡単に維持できないし、維持しようとすると、必ず何かを犠牲にしないといけない。最近、我が家の近所にも、全国チェーンのファミリーレストランが次々と建っています。当たりはずれがない安心感はあるかもしれないけど、やっぱり折角の外食なんだから、地元のおいしいレストランがいいんだよね。ファミレスに押されて、個人レストランの経営は大変かもしれないけど、なんとか、ご当地の味を守り続けていってほしいなぁ。