ランチタイムコンサート〜ルックスって大事だなぁ〜

昨日のお昼、定例になった、職場のビルの1階でのランチタイムコンサートがありました。

「歌の花束をあなたに」
北村 文乃(ソプラノ)
中西 勝之(バリトン
島内 亜津子(ピアノ)

という布陣でした。

2部構成の第二部だけを聞いたのですが、ソプラノの北村文乃さん、芸大の別科で勉強中の方らしいのですけど、細くって今風の涼やかな美人。ヘンデルの「私を泣かせてください」を歌われたのですが、とてもしっとりしていて素敵でした。ロッシーニの「アラゴネーゼ」や、「私のお父さん」は、ちょっと力任せな感じがしたかなぁ。歌うときの表情が暗くて、ほっぺたが落っこちている感じがする。響きが落っこちそうなのを、力で上に持ってきているような強引さがあって、もう少しスコンと抜けるといいかなぁ、と思いながら聞いてました。偉そうなコメントですねぇ、相変わらず。何様のつもりなんでしょ。でも、切ない歌だから暗い表情で歌うのじゃなくて、切ない歌だからこそ、晴れやかな顔で歌う方が、聞く側にはぐっと来るんじゃないかなぁ、と思うのです。もともと華のある方なので、もっと場数を踏んで、もっと磨けば、とっても素敵な歌い手さんになるんじゃないかなぁ、と思いました。

お目当てだったのは中西勝之さん。前回の同じ場所でのコンサートにもお邪魔したのですが、相変わらず見事な美声です。高音域まで、輝かしく、芯のある響きが逃げない。「カロ・ミオ・ベン」シューベルトの「セレナーデ」などの定番の愛の歌を歌われたのですが、もともとの声の響きが非常に力強い方なのに、甘い柔らかな歌い口できっちり聞かせてくれたのが、とても素敵でした。お得意のオペレッタナンバーは、スッペの「ボッカチオ」から、「君にバラを」。なんとも華やかな舞台さばきと立ち姿を見せてくれました。最後のお二人の「メリー・ウィドウ・ワルツ」もなんとも甘く、若々しいデュエットでした。舞台さばきに色気のある方だし、声が非常に力強いので、この方のエスカミーリョとか、カヴァレリアのアルフィオとか、聞きたいなぁ、見たいなぁ、という気がします。ジャンニ・スキッキのアンダーをやられた、とのことですけど、キャラクターバリトン、というより、男臭い、二枚目のバリトンが似合うんじゃないのかなぁ。それこそ、スカルピアとか、ドン・ジョバンニとかもかっこいいと思う。

毎回、このロビー・コンサートに出演される方は、日本声楽家協会、という団体に所属されているようなのですが、ひょっとしてこの団体、ルックスで歌手を選んでないか?なんて思います。実際、出られる方はみんな美男美女が多いんだよなぁ。北村さんも美人だったし、中西さんも以前書いた通り、上背も押し出しもいい美男子なんです。でも、オペラってのは何のかんの言っても舞台芸術だからねぇ。ルックスってのは大事だと思う。以前もこの日記で書いたけど、多少歌がイマイチでも、ボンファデッリの椿姫は見たいなぁ、って思っちゃうもんねぇ。