雨に唄えば〜ガーデン・エア・タワーコンサート〜

14日水曜日、例によって、職場のビルの無料コンサートに、新宿オペレッタ劇場でお知り合いになった中西勝之さんがご出演される、というので行ってきました。「雨に唄えば 映画・ミュージカル撰」というタイトルで、出演者は、中西勝之バリトン)、北村文乃(ソプラノ)、栗田真帆(メゾ)、多川智子(ヴァイオリン)、島内亜津子(ピアノ)、という布陣でした。

冒頭の「チキチキ・バンバン」から、思わず踊りだしたくなるような楽しいミュージカルナンバーが続き、サービス精神溢れた、とっても楽しい舞台でした。北村さんは、以前も同じロビーコンサートで中西さんと共演されていて、その時にも歌われた「私のお父さん」を、今回も歌ってらっしゃったのですが、なんだか声の感じが違って聞こえました。今回は屋外ということで、PAを通していたせいもあるのかもしれないけど、前回の時に感じた力任せな感じがなくて、なんだかとっても自然に聴こえた。少し息がもれるような音がする時があるんですけど、こうやってどんどんと声が変わっていく時期なのかもしれないですね。これからどんな風に進化していくのか、とっても楽しみです。

栗田さんの、まさに「メゾ」という感じの柔らかくって存在感のある声も素敵。北村さんとの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」のデュエットは、なんだかわくわくしてきて、観客に混じっていた子供さんたちもノリノリでした。デリラも勿論よかった。ヴァイオリンの多川さんは、MCの時に関西弁丸出しでちょっと笑っちゃいましたけど、パワフルなヴァイオリンでかっこよかったです。相変わらずこのシリーズは、出演者が皆さん美男美女ぞろいなので、その点でも楽しめました。島内さんの衣装も、ミュージカルぽくってよかった。

お目当ての中西さん。その中でも、「ラ・マンチャの男」を一番の楽しみに行ったのですが、相変わらずの素晴らしい美声。それも本当に軽々と、どこにも無理を感じさせずにすごく自然に歌い上げてらっしゃって、実にいい歌い手さんです。「雨に唄えば」は、もっと踊ってほしかったけど、マイクの位置の関係で踊れなかったんだよね。是非次の機会には、華麗なステップを見せてほしいなぁ。終演後、少しお話することができたのですが、相変わらずの好青年です。

中西さんに、小森輝彦さんが、ご自分のリサイタルのアンコールで、「ラ・マンチャの男」を歌われて、「その時は日本語で歌われてたと思いました」という話をしたら、「日本語の楽譜は出版されてないんですよね」とのこと。今回、中西さんは英語で歌われたんですけど、本当に、バリトンにとっては実に聞かせがいのあるいい曲ですよね。自分でもレパートリーにできないかなぁ、なんて思っているので、今度、楽譜を探してみようと思っています。最近少し、自分のレパートリーといえる曲をいくつか身に着けたいなぁ、という願望があるので…。

今回、屋外コンサート、ということで、PAつきのコンサートだったのですが、ちょっとPAの音がやかましくて、生の声の色が感じ取りにくかったのが少し残念。電子ピアノとサイレントヴァイオリンの伴奏なので、バランスを取るとどうしても全体の音量が上がってしまう…ということなのでしょうか。PAの目の前で聞いていたせいもあり、なんだか必要以上にPAが鳴っている感じがしました。ポップスの演奏会ならともかく、クラシックの演奏会、それも数十人の観客相手の小さなスペースでの演奏会なんだから、あんなに必死に鳴らす必要なかった気もするんだけど・・・