平日の夜練はなぜ濃密か?

ガレリア座では、発足当初から、土日の週末の練習以外に、月曜日の夜に練習がありました。定期的に借りられる公民館を確保してあり、毎週、土日月と3日連続で練習しておったのです。無茶苦茶やってましたねぇ。

でも、この月曜日練というのが、やけに濃密な時間だったのです。平日の夜、仕事で疲れ果てているはずなのに、2時間ほどの練習の間に、土日の平常練習ではなかなか得られないような、新しい発見や、急激なクオリティのアップが起こる。土日の練習よりも、明らかに集中力が高い。そんな練習は常に興奮の連続で、ガレリア座の練習の中でも、すごく楽しい思い出がつまった練習時間でした。練習の後、平日の夜だというのに、近くの焼き鳥屋で深夜まで飲んだくれる。練習の興奮があんまり大きすぎて、そのまま帰ってしまうのはもったいない。で、火曜日はもうヘロヘロで会社に出て行く。若かったんだねぇ。

団員が年をとって、そこまでのパワーがなくなったせいでしょうか、この月曜日練というのはいつからか消滅していきました。でも、今回の乞食学生で、あまりに時間が足りない!ということで、「水曜日練」という形で復活。昨夜、その1回目の練習があり、昔の「月曜日練」を思い出させるような、濃密な時間をすごさせてもらえました。おかげで今朝はヘロヘロ。それでもお父さんは会社に行くのだ。家計を支えるために。泣いちゃうよ。

土日と違って、平日の夜、というのは、「時間が勿体ない」という感覚が練習する側にもあるから、集中力が高まるのかなぁ、と思っていたのですが、それだけじゃない気がする。単純に、体がきちんと起きている、というのも大きい気がします。いったん、日中に会社などで一通りの活動をして、ちゃんと筋肉と神経が、活動状態になっている。その状態で、練習会場に来るから、既に体が「オン」の状態になっているんですね。

土日の練習では、「オフ」の状態でやってきた体が、練習をやっていく中で、だんだん「オン」になっていく。いくら最初から集中力を高めよう、といっても、人間の体はそう簡単にはスイッチが入らないのじゃないかなぁ。

平日の夜が、定期的な練習時間である、という、合唱団や、音楽団体の方もたくさんいらっしゃると思いますが、土日練習の団体よりも、練習時間の集中力や、出来上がったもののクオリティは高くなるかもしれませんね。

昨日の練習では、ずっと頭でイメージトレーニングしていたフォームで、オルレンドルフの登場の歌を歌ってみる。フォームを維持することに意識が行き過ぎて、反対に体がガチガチにこわばって、力みまくった最低の出来になる。聞いていた女房にも、「サンダーバードみたいな顔で歌ってるよ」と酷評。力をぬいて、声をガンと出すフォームは、出す場所でだけすごく意識するようにする。他の場所ではいったん、フォームのことは忘れて、もっと、歌詞の内容やフレーズの勢いのようなものを感じるように作り直してみる。ひたすら「攻める」姿勢を保つことを考えて、歌いなおしてみる。少しだけ、歌に勢いが出てきた気がしました。「フォームはボロボロだけど、まだその方が歌のラインが見えるね」とは、女房の評。相変わらず、絶対誉めてくれない。でも、そこが、女房の評を私が信頼している理由です。安易に誉めない。おっしゃる通り、まだまだ全然誉められた出来ではない。ここで誉められて満足してしまったのじゃぁ、ご来場いただくお客様に失礼。勢いは失わずに、もっと安定感のある、余裕のある歌いっぷりを確立しなければ。

久しぶりの平日練、40歳のオジサンには結構こたえますが、なんだかガレリア座の昔の熱気が戻ってきたような、ちょっとノスタルジックな興奮を感じてしまいました。こういう集中した練習を重ねて、何とか、本番には、お客様に恥ずかしくないものを作らないとね。