子供の好きな絵本

昨夜、最近のニュースと日常が急に近接するような体験をしたので、今日は、子供が最近はまっている絵本のことを書いてみたいと思います。

つい先日5歳の誕生日を迎えた娘は、最近、寝る前に、パパやママに、絵本を読んでもらうのが日課です。ベッドに入る前に、「今日はこの本を読んで」と、本棚から選んで持ってきます。そうすると、舞台役者の端っこのさらに端くれであるパパは、ここぞとばかり大張り切り。子供が喜ぶように、色んな声色を使ったり、セリフ回しに気を使ったり、一生懸命読むわけです。子供のために読んでいるのだか、自分のセリフの練習のために読んでいるんだか。

そんなうちの娘が大好きで、よく読み聞かせてあげるのが、以下の5冊。
 
「おおかみと七匹の子やぎ」
言わずと知れた定番童話。3歳の誕生日のプレゼントに買ってあげた、世界名作童話集の中の一冊が、特にお気に入り。何が気に入ったかと言えば、パパが読むオオカミのセリフが怖くて面白くて好きなんだよね。子やぎがすっかりだまされて、扉を開けてしまうシーンになると、わくわくしてきちゃう。
 
「あるあめのひのケン・バーン」丸山もも子・鍬本良太郎
おかあさんといっしょ」という番組には魔力がありますね。子供と一緒に見ていると、何が面白いんだか分からんなぁ、と思いながら、いつのまにかハマっている。「でこぼこフレンズ」というシリーズも、最初、一体何なんだ、と思っていたら、いつのまにかハマっていた。結構濃いキャラクターが好きなので、アナクマとフジオババが好きです。ドングリンもいいなぁ。
というわけで、その「でこぼこフレンズ」のキャラクターが主人公になった初めての絵本が、この「あるあめのひのケン・バーン」。なんとも優しいストーリーがいいのですが、娘が好きなのは、おつきさまが立っているところ。ページをめくる前から、「おつきさまだよ。おつきさまがいるんだよ」と、これまたわくわくしてきちゃうんだよね。
 
ぐりとぐら」なかがわ りえこ・おおむら ゆりこ
これも定番ですよねぇ。先日、娘の幼稚園のクラスでお母さんたち主催のクリスマス会をやった時、この絵本の人形劇を上演。女房がキーボードで即興の劇音楽をつけたそうです。その時、女房が作曲した、ぐりとぐらの歌を、子どもたちがすぐに覚えて大合唱してくれて、女房は感涙にむせんだそうな。「おりょうりすること たべること〜」なんて、5歳の子どもたちが合唱してくれたら、そりゃ泣くわ。
食い意地が張っているうちの娘が、この本を気に入っている理由といえば、ふわふわのカステラが本当に美味しそうに見えるからでしょうかねぇ。
 
「ぼくとオペラハウス」作:アンドレア・ホイヤー 訳:宮原 峠子
女房が見つけてきたこの本、娘も最近お気に入り。オペラハウスの舞台裏を案内する本で、子供向け、といっても、小学校の低学年くらいが対象じゃないかと思います。でも、娘は、「オペラだもん!」と言いながら喜んで聞いている。話を聞いているよりも、絵の中に隠れているネズミさんを見つけるのが楽しかったりするんだよね。
 
「ねこのくにのおきゃくさま」作:シビル・ウェッタシンハ 訳:松岡 享子
最初に書いた、最近のニュースと日常が急に近接するような体験、というのはこの本のことです。生活の中の潤いとしての芸術について、とても分かりやすく書かれた物語。エキゾチックなのに温かい絵柄。そして、敵対するものが、芸術を通して結ばれる物語の深さ。本当にいいお話。娘もとてもお気に入りで、おきゃくさま達がおめんを取るシーンでは、にこにこわくわくしてしまう。
でもこの本を書いたウェッタシンハさんというのは、スリランカの方なんですよね。スリランカは、内戦で大きな破壊を経験した上に、今回の津波で大きな被害を受けた国。昨夜、この絵本を読み聞かせてあげながら、この物語に込められたメッセージの意味について、少し考えてしまいました。
 
子供の頃に出会った本というのは、一生涯の宝物になるはず。だからこそ、ベッドの中での読み聞かせにも、力が入ります。作者の思いを込めて、心を込めて、読み聞かせてあげる。一生懸命ページを見つめている娘の目を見ながら、親であることの幸せをかみ締める瞬間です。