このままじゃダメなんだよ。

翌日の10日、娘の運動会のはずだったのですが、前述のとおり延期。運動会を理由に欠席するつもりだった、ガレリア座の「乞食学生」のソリスト練習に行きました。

本番から実質5ヶ月前、そろそろ練習にも熱が入ってこないといけないのですが、なんとも、だらーっとした、ぬるい練習が続いています。このままじゃ全然ダメなんだけどね。主宰のY氏は練習の合間にグーグー居眠りしてるしさ。Y氏が興奮して色々口を出してくるくらいの熱い練習をしないとだめなんだけどね。どうにもぬるい。

自分なりに、原語を分析し、ここにこの単語が来ているから、ここにアクセントがあって、とか、これは大事な単語だから、フレーズの中で強調して、とか、この小節のこの拍が強拍だけど、ここにこの単語が来ているから、たぶんここはシンコペーションで、とか、それなりに考えてはいるんだけど、全然それが表現できないんです。表現できない理由は一つで、「気負い」。それも、カラカラ「空回り」している「気負い」です。自分の中で、音楽が音楽としてきちんと理解されていない。体に入っていない。体に入ってなくて、頭だけで、イメージ並べてるだけだから、少し力が入ったり、気負いが入ると、すぐに崩れてしまう。若者が集うクラブの真ん中で、なんだかギクシャク、でも振りだけはやたら派手に踊っている中年男みたいな感じ。

他のソリストさんに責任を負わせるのも自由だし、全然出てこない訳詞や台本に責任を負わせるのも自由ですけど、そういう問題じゃない。他のソリストさんには関係なく、自分のところはきちんと表現できないとダメだし、訳詞がないなら、原語できちんと歌いきれるくらいに仕上げないといけない。最悪、訳詞が間に合わないから、原語上演で、ということだって、可能性としてありえないことじゃないんですからね。(いや、あくまで可能性ですけどね。訳詞家さん、信じてるからね。)それに、女房に言わせれば、「別に原語でなくても、ラララ歌唱であったとしても、音楽をきちんと作れば、ドラマは表現できるはず」なんです。

非常に焦りがつのる練習でした。こういう現状を打破するのに、外部からの刺激が欲しくて、「訳詞まだかあ!」とか、「台本はまだかぁ!」と喚きたくはなるんだけどさ。その前に、やらなきゃいけないことは一杯ある。もちろん、台本も訳詞も早く来てくれないとマジで困るんだけどさ。まぁ、その辺の繰言はこのページには書かないでおこう。(と言いつつちょっと毒吐きそうになったけど、読み直して全削除)

全く出来ていなくて、気負いばっかりが空回りしているのが如実にわかって落ち込んだのが、夜のオケ練でした。オルレンドルフの登場の歌を練習する、というので、勇んで行ったのですが、案の定、全然違う所にポジションが入ってしまって、ぼろぼろになってしまった。ヘンな話、カラオケボックスでMD片手に歌っていた時には楽に出ていた音が、全然出なくなるんです。自分なりに、この歌には、非常に分かりやすいハードルを一つ設定してあって、絶対に本番までにこのハードルを越えてやろう、と思っている箇所がある。カラオケボックスで歌っている分には、成功率80%くらいなんですが、ガレリア座の練習で歌って成功した試しがない。気負い以外の原因が考えられない。

とにかく、焦りと不満感だけで過ぎた練習三昧の一日でした。帰宅後、「何であんなに出来ないかなぁ」と、昼の練習に同席していた女房にクソミソに言われ、さらにへこむ。へこんでいる私に、「じゃあ、あんたは最高!素晴らしい!とか言ってほしいわけ?そんなこと言ったら、そこで全部止まっちゃうじゃん」と女房が畳み掛けてくる。正論である。正論だけに悔しい。しかもその正論を積み重ねて実績を出している歌い手だけに、余計にムカつく。くそ、今に見てろ。前進あるのみ。