気管支炎だよ

夫婦そろって、気管支炎になってしまいました。本番前だっていうのに、全く。

二人とも、アレルギーの気があるので、ちょっとしたことですぐノドに来るんです。咳とタンがどうしても切れない。私の対処としては、

・女房の実家で処方してくれている「タウナス」という吸入剤
イソジンでのうがい
・ビックスドロップ
・「のどぬーる」系の噴霧剤

をひたすら使いまくる、というのが対処なんですが、これを使うと劇的に症状が好転する、という薬に出会ったことがありません。というか、そういう薬自体そうそうあるもんじゃないんでしょうけどね。

今年2月のサントリーホールでの公演の時にも、軽い気管支炎の症状が出て、結構苦労しました。その時には、訳詞家のまゆみちゃんに貰ったノドのお茶が大活躍しました。一曲歌っては、そのお茶でうがい。これが効くんです。咳やタンで荒れた声帯が、潤う感じ。ノド茶、探さないとなぁ。

「のどぬーる」系の噴霧剤だと、確かに患部に直接効いている感じはするんですが、声帯の「潤い」も一緒に流されてしまうような「気」がします。気分の問題なんですけどね。同じ歌をやっている仲間で、「お茶とか、水とかを飲むと、声帯の脂が取れてしまう感じがするので、なるべくミルクティーとか、油脂が含まれているものを飲んでる」と言っていた人がいました。ダイエットには悪いかもしれないけど、気持ちはすごくよくわかります。

歌い手は体が楽器。中でも、声帯と気管支は、言ってみれば管楽器のリードと管の部分。リードが傷ついても音は出ないし、管の内側が汚れていてもいい音は出ませんよねぇ。とにかく、本番までに治すか、症状を軽減させないと・・・

ただ、本当にきれいなフォームで歌っていたら、気管支の状態や声帯の状態に左右されずに、常に一定の声が出せるようになるんですよね。女房の歌の先生である近藤政伸先生が、大風邪をひかれた最悪のコンディションで歌われた舞台を拝聴したことがありますが、そんな状態を全く感じさせない、完璧な美声と歌唱で、驚愕したことがあります。腫れた声帯に無理な力を一切かけずに、本当に細心の注意を払って、必要最小限の力で声帯を合わせる。下半身の支えをがっちり固めて、荒れた呼吸器系を力技でコントロールする。それでいて、出てくる音楽には、そんな努力やパワーを一切感じさせない。実に流麗で、計算された歌唱。

まだまだそんな境地にまで行ってない自分としては、とにかく最後までノドがもつように、ただただ祈るばかりですが・・・