本番直前の過ごし方

最終練習も終わり、本番が近づいてきました。プロの方であれば、本番前の日々も毎日が練習・練習、なのでしょうが、私のようなアマチュア演奏家は、最終練習から本番までの間に空白が生じます。この空白の時間をどう過ごすか。

もともと非常に上がり症なものですから、無茶苦茶緊張するんですね。その緊張から逃避するために、ガレリア座を始めたばっかりのころは、舞台の裏のことをこちゃこちゃやっていた記憶があります。その頃は、裏方と役者が渾然一体としていましたから、小道具を自分で作ってみたり、プログラムの原稿を書いたり、なんてこともやってました。そういう周辺作業に逃避することで、自分のパフォーマンスに向き合うことをしてなかった記憶があります。

逆に言えば、「本番になれば何とかなるさ!」と開き直っていたんですね。恐ろしいことに、「オレは本番に強いから、本番になれば、最高のパフォーマンスになる!」という自信を持っていた気がする。実際、本番になると開き直って、練習ではやらなかった色んなことをやって、気持ちよくなっていた気がするんですが、あんまりお客様が気持ちよくなることをしてなかった気がする。自分ばっかり気持ちよくなってた気がする。

要するに、お客様を前にすると、浮き足立ってしまって、どんどん余計なケレンや雑味を加えていた気がするんです。それがパフォーマンスの質を上げてくれればいいんですが、むしろお客様に伝えるべき要素がきちんと伝わらない、マイナス効果の方が多かった気がする。

今は、とにかく、本番直前まで、本番公演のシュミレーション、イメージトレーニングを毎日最低2回、やるようにしています。2回というのは、通勤電車の行きと帰りの2回。練習で確認したポイントをきちんとクリアしながら流せるか。頭の中で整理しながらシュミレーションを繰り返す。本番の時にも、きちんとそのポイントが再現できるように、じっくり自分の頭と身体に落とし込む作業です。

それでも、本番になると何がなんだか分からなくなってしまうのがいつものこと。何がなんだかわからなくなってしまっても、勝手に体が動くように、しっかり落とし込まないと。