先週末、「南の島のティオ」のGPを川崎市某所にて実施。今回は、出演者は私だけ、照明・音響オペレーション兼演出が女房、という、今までの中でも特にこじんまりした舞台。先日の横浜でのコンサートの練習のために、女房が見つけてきた、川崎市某所にある練習場でのGP。ここの練習場を管理されているYさんというご夫婦が、実にいいご夫婦。今回、ガレリア座の美術担当のY君が描いてくれたイラストをスライド上映しながら、その前で私が朗読する、という上演形態なんですが、この練習場、小さな練習場ながら、ちゃんとプロジェクターがあるんです。このプロジェクターのセッティングを、Yさんの旦那さんが色々と手伝ってくれた上に、車を止める場所がないと困っていたら、近所の駐車場まで走って案内してくれました。いい人たちだぁ。明大前のちょータカビーな某「サロン」のおばちゃんオーナーとはエライ違いだぁ。
と、とても和やかな気分でGP開始。Y君のイラストを背景に朗読(といっても、単なる朗読ではなく、少し芝居も入れながらのパフォーマンスです)するのは初めてだったんですが、とても色彩が綺麗で、ファンタジックで、イメージ豊かなイラスト。これを前に演じるのは、ものすごくやりやすい。色々と苦労した「間」も、なんとかいい感じのテンポ感がつかめてきました。もちろん、これが、お客様が入ってくると全然変わってくるんだろうけど、妙な色気を出さずに、お客様ときちんとコミュニケーションできるバランスをうまくキープしないとね。
いい感じの「間合い」ができてくると、不思議と、女房が選んできた音楽とのシンクロもとてもうまくいく。計算したわけじゃないのに、音楽の雰囲気が変わる瞬間と、場面の変わっていくタイミングがきれいにシンクロしたりする。以前にもこの日記に書いたけど、今回、女房が選んできてくれたBGMが、本当に、この演目のために作曲されたのではないかと思うほど、「ティオ」の世界にぴったりくる音楽。この音楽の持っている雰囲気に、うまく自分のテンポ感が乗っかっていければいいんですが。
今回の舞台でもう一つ、個人的にとっても楽しみなのは、かなりの数のお客様が子供さんだ、ということ。うちの娘の同級生はじめ、小学生のお客様が結構来てくれるようなんです。「南の島のティオ」という題材自体、ジュブナイルの体裁をとっていますから、ある程度は興味を持って聞いてくれるとは思うけど、子供の集中力をきちんとこちらに引きつけ続ける、というのは大変なこと。でも、一旦集中してくれると、子供ほどいいお客様はいなくて、会場全体の雰囲気をとてもうまく盛り上げてくれる。
要するに、子供客、というのは、パフォーマンスの質をものすごく素直に映し出してくれる鏡なんですね。これは怖いことなんだけど、ある意味すごく楽しみでもある。子供を引きつけようと、媚びた演技をすると、絶対に乗ってきてくれない。子供は絶対だませない。私自身が、「南の島のティオ」という題材に対して持っているワクワク感や、感動を、どれだけ素直に子供たちに伝えることができるか。ヘンな自己主張やてらいを捨てて、純粋に、ティオの島の不思議や、ティオ自身の心の動きを伝えることができるか。
かなりハードルが高いチャレンジだし、失敗する確率もすごく高い。不安も一杯なんですけど、期待も一杯。とにかく、集ってくれたお客様、とりわけ、来てくれた子供たちが、「面白かったね」「楽しかったね」と思ってくれるような舞台になるように、精一杯頑張りたいと思います。お暇な方は是非、調布市民文化会館たづくりまで、足を運んでくださいね。結構キンチョーしてきたけど、わくわくしてきたぞー。