雑味

昨夜は、歌の師匠の山口悠紀子先生のお宅にお邪魔して、レッスン。発声の基礎から叩きなおし。3時間みっちりしごかれました。

久しぶりのレッスンだった、というのもあるんですけど、1時間くらい「違う!」「そっちじゃない!」と修正して修正して、へろへろになって、やっと多少まともな声が出てくる。これじゃだめなんだなぁ。今回、ピアノ伴奏者として、うちの女房を一緒に連れて行ったんですが、例によって、「こんなまともな声で歌うの初めて聞いたよ」などと抜かしやがる。ふん。どうせレッスン中にしかまともな声は出ませんよ。レッスン中には結構いい声が出てくるんだけど、練習場に行ったら元の木阿弥ってのがいつものパターンなんですよねぇ。

結局、色んな雑味が混じっちゃうんですよね。いい声を出そう、と思うとノドに余計な力が入る。バスバリトンらしく、なんて思ってもダメ。いいかっこしよう、と思ってもダメ。ほんとに何も考えなくって、腰から下のフォームと、遠くに声を飛ばすイメージだけを持っている時に、一番いい声が出る。で、練習場に行くと、大抵色んな色気が出てくるから、雑味が入っちゃう。ううむ。

発声練習の後、仕掛かり中にしている、「ワルツの夢」と、「闘牛士の歌」を見てもらったんですが、発音だけならともかく、今まで全然違う音で歌っていたことが判明した部分もあって、なんともお恥ずかしい限りでした。もともと音感がないから、CDの聞き覚えで音をとっていると、楽譜に書いてある微妙な音階を聴き取れていない。結果、あいまいな音で聞き覚えて歌っている。

でも、きちんと発声を直してもらった後で歌った「闘牛士の歌」は、結構楽に歌えました。今までいかに声帯に無理をさせていたか、というのがよく分かる。自分一人で10回・20回練習しているより、1回のレッスンでぱあっと見えてくるものがあるんですよね。

とにかく、もう一度楽譜に戻って、耳覚えであいまいにしていた部分をきちんと確認しなおすこと、雑味を取ること。課題ばっかり、「はい!」と山積みにして背中にどん、としょわされたような気分ですが、本番までの3週間、なんとか悪あがきをしたいと思います。