地震は怖いよ

突然ですが、地震は怖いです。元々大阪に住んでいたので、地震に対して免疫がないんです。東京に出てきてから、結構頻繁に地震があるのでびっくり。でも物珍しさもあって、そんなに怖いとは思っていなかった。逆に地震がくると、「お、どれくらい揺れるかな」なんてわくわくしたりしてた。でもやっぱり神戸の震災以降、考え方が変わりましたね。
神戸は、中学・高校時代をすごした街でしたから、震災後の街を歩いた時はショックでした。それまで「日本沈没」みたいなパニック映画で、中野昭慶特撮監督のちゃちなミニチュアでしか認識していなかった大破壊。それが、目の前に存在している、というリアル感。
あの震災の経験、というのは、色んな意味で、今の日本に影響してるなぁ、と思います。オウム事件と震災を境にして、日本の精神風土がかなり変化した気がする。今の自分の立っている「場所」が、一瞬で崩壊するかもしれない、という不安定感。そういう不安感は以前からあったはずなんですが、あの年から、さらに確固として、我々の心理の底にどっしり腰を据えた気がします。
好きな映画の世界でも、平成ガメラシリーズとか、同じ金子修介監督が作った「ゴジラモスラキングギドラ」とかも、被災地や被災者の描写がすごくリアルなんですよね。その前の怪獣映画とは全然違う感じがする。昭和29年の第一作「ゴジラ」がリアルなのは、東京大空襲の記憶が新しかったからだ、とよく言います、ゴジラに蹂躙される東京の描写が、その後の被災者の描写を含めて、恐ろしく真に迫って見える。ガメラシリーズにも同じ感じがする。平成ガメラの第三作で、破壊された渋谷の街で、白テントで、行方不明者の身元確認をやっている場景とか、神戸がなかったら生まれなかったシーンだと思う。
こんなことを考えたのは、昨夜、NHKの「ご近所の底力」という情報番組を見てたせいなんですけどね。この番組、全体的にはしゃいだ感じがあまり好きじゃない。民放ほどには、はめをはずせないけど、まぁ精一杯お茶らけてみました、みたいなNHK的中途半端さがぷんぷんする。でも、昨夜は、テーマが地震対策、ということで、思わずかなり真剣に見てしまいました。防災袋の中身をメモしたりして。
この不安感というのは、自分が家族を持った、というのも大きな原因の一つだとは思います。生活のほとんどの時間を離れて過ごしていますから、都心に地震がきたら、家族が合流するだけでも大変な難事業になるでしょう。日頃から、サバイバルの手段を確保しとかないとなぁ。